VIX指数に関連する商品で、一番と言っていいほど人気が
高いのがiPath Series B S&P 500 VIX Short-Term Futures
ETN (VXX)です。
VXXは米国市場でも上位の取引高を誇っており、流動性も
非常に高いETNです。今日は、VXXについて徹底分析して
いきます。
※現在VXXは償還され、VXXBが誕生しています。
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VXXとは?
VIX指数に関連する銘柄で投資する方法を研究している人
であれば、いずれ名前を知ることになるのが、VXXです。
VXXはNYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場している
ETNで、S&P500 VIX短期先物に連動する商品です。
ETNやS&P500 VIX短期先物について、初めて聞いた方や
よくわからないという方はこちらの記事を読んでみてください。
S&P500 VIX短期先物指数とは?なぜ下落を続けるのか?
さて、VXXはNYSEでも非常に人気の高いETNですが、
その理由はチャートの推移をみてもらったほうが早いでしょう。
以下の図はVXXが設定されて以来のパフォーマンスを表
しています。パッと見てわかる通り、指数関数的に右肩
下がりのグラフとなっています。
VXXはVIX指数が大きく上昇したときだけ、上昇するよう
に設計されていますが、VIX指数が平常時は下落を続ける
仕組みとなっています。
この仕組みをうまくトレードに活かそうということで
多くの個人投資家が注目しているというわけです。
VXXがなぜこのように下落をつづけるのか仕組みがわか
らないという人はこちらの記事を読んでみてください。
VXXが下落する理由を細かく記載しています。
S&P 500 VIX 短期先物指数とは?なぜVXXは下落を続けるのか?
長期のチャートでみると、2013年以降はほぼ直線のように
見えますが、直近5年のチャートを見てみると、ちゃんと
下落を続けていることがわかります。
VXXで勝つための投資戦略
VXXは下方圧力がかかっていますので、買いポジションを
保有して値上がりに賭けるという戦略はあまりおすすめ
できません。
それよりも売りポジションを保有してVXXの下落により
利益をあげる戦略が正しいと言えます。
一見、売れば、儲かるという単純な仕組みのように感じて
しまいますが、実際そう簡単ではありません。
VXXの売りから入る場合、VIXが急騰したときに強制ロス
カットに合わないように証拠金に余力を持っておく必要が
あります。
VXXの必要証拠金の2倍~3倍程度だと、数年は大丈夫かも
しれませんが、大きくVIXが急騰したときに強制ロスカット
にあう可能性がかなり高いです。
そうすると、結局コツコツ利益を出していても、すべての
投資資金を失うことになります。
そのため、強制的にロスカットにあわないために過去の
チャートを分析し、かなり綿密に資金管理を行わなければ、
安定的に利益を出すことが難しいのが現実です。
またはロスカットの注文を入れておくことで、VIXが急騰
したときに備えるという方法もありますが、どこにその
ロスカットの注文を入れるかはそう簡単なことではあり
ません。
結局一番、利益を狙いやすいのは、VIXが急騰したタイミ
ングでVXXも上昇しますので、そこで売りをしかけると
いう戦略です。
ただ、年に数回しかチャンスが来ないというのと、この
場合、新規売りが規制されることがあるので、ポジション
を取れない可能性があるので注意が必要です。
またVXXは中長期で保有するとなると運用効率が下がり
ます。
そのため、適切なタイミングで精算し、再度ポジションを
保有し直す必要があります。
VXXがトレードできる証券会社は?
では、VXXが実際にトレードできる証券会社はどこなので
しょうか?
残念ながら日本の証券会社ではほとんど投資することが
できません。
現状、VXXをトレードするとなると、以下の証券会社の
口座を開く必要があります。
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)の名前を
聞いたことがある人は少ないかと思いますが、アメリカの
証券会社で日本在住の口座開設ができる数少ない会社です。
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)の口座を
持っていれば、日本の証券会社の口座からは投資ができ
ないような世界の金融商品にアクセスすることが可能に
なります。
玄人の投資家ほどインタラクティブ・ブローカーズ証券
(IB証券)を使っているイメージです。
安心していただきたいのは、アメリカの証券会社ですが、
口座の開設は日本語でできますし、日本語のサポートも
ありますので、英語ができなくても問題ありません。
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)では、
VXXの空売りだけでなく、VXXのオプション取引が使え
るという点が何よりも大きなメリットとなります。
なぜオプションが使えると有利なのかはまた別途説明
したいと思いますが、圧倒的に戦略の幅が広がります。
口座開設後、1万ドル以上を入金しないと口座が使える
ようにならないため、一時的に100万円近くの資金が
必要となりますが、その後は1万ドルを切っても口座が
凍結される心配はありません。
VXXのトレードをしたいと思っている方であれば、まず
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)の口座開設
は必須でしょう。
サクソバンク証券
サクソバンクはデンマークに本拠を置く投資銀行で、2008
年から東京オフィスを開設しました。
FX.・CFD・海外商品先物を中心にサービスを提供しています。
また今までは、米国株式投資のブームが来ており、個人投資家も
積極的に米国株式へ直接投資をし始めていますが、銘柄数が
限られており、満足いくまで銘柄の選定ができませんでした。
しかし、サクソバンク証券は6000銘柄以上の米国株式に投資が
できるということで、米国株式投資家から注目を集めています。
サクソバンク証券もインタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)
と同じく日本語対応していますので、簡単に口座を開くことは可能です。
サクソバンク証券ではVXXのCFDを取り扱っており、売りと買い両方
のトレードが可能です。
しかし、オプション取引ができないという意味では、インタラク
ティブ・ブローカーズ証券と比べると戦略の幅は狭くなります。
しかし、少額から取引できますので、その点はメリットですね。
GMOクリック証券
そして、最後の1つがGMOクリック証券です。
CFD取引を行うのであれば、GMOクリック証券だと言っても
過言ではないほどに他社のサービスよりも優れています。
CFDの取り扱い本数はそこまで多くありませんが、スプレッドが
狭いので投資家としてはコストをかけずにトレードできるのが
ポイントです。
GMOクリック証券では残念ながらVXXのCFDはありませんが、
米国VIブルETFというCFDをトレードできます。このCFDは、
VXXの日々の変動の1.5倍変動するCFDです。
ですので、VXXよりも急速に下落していきます。こちらも
CFDなので少額からトレードできるというのがメリットですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
VXXを取引できる証券会社は限られていますが、口座開設
方法は至ってシンプルであり、特に難しいことはありません。
少額から始めるのであれば、サクソバンク証券やGMOクリ
ック証券のCFDを活用してトレードしてみることをお勧め
します。
ただ、CFDの場合は簡単な売りと買いしか選択肢がないため、
投資戦略の幅が限られます。
そのため、ある程度なれてきたら、やはりインタラクティブ・
ブローカーズ証券に口座を開設し、オプション取引も含めた
VXXトレードに挑戦してみてほしいと思います。
またVXXと似たような動きをするVIX関連銘柄にも色々あります。
十分に検討する価値がありますので、読んでみてください。