米国VIブルETFと米国VIはGMOクリック証券でCFD取扱
量が常に上位に入るほどの人気商品です。
そもそも、米国VIブルETFと米国VIはチャートの推移だけ
を見ると、全く異なる商品のように見えるのですが、実は
参照原資産はかなり類似しています。
米国VIブルETFと米国VIは何が違うのか?どちらが良い
のか?という疑問に至る人はかなり勉強されている方だと
思いますが、時々質問をもらうので、これを機会に覚えて
おいてもらうとよいと思います。
米国VIブルETFと米国VIはそもそも似ている?
まず、多くの人は米国VIブルETFと米国VIは何が似ている
のか?と思うかもしれません。
実際にチャートの推移を見てみても、まったくチャートの
動きは異なります。
GMOクリック証券のHPを見ても、米国VIブルETFの参照
原資産はプロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF
(UVXY)となっており、米国VIはVIX先物となっています。
これだけを見ると、参照原資産も異なるので、全く異なる
商品のように思ってしまいます。
しかし、米国VIは価格調整が行われている関係で、VIX指数
と似たようなチャートパターンを形成していますが、実は
米国VIブルETFのように右肩下がりのチャートパターンを
形成していることをご存じでしょうか?
さらに、UVXYの投資対象が何なのかを知ると様相が変わ
ります。
UVXYの投資対象はS&P500 VIX短期先物指数といって、
実は米国VIと同じくVIX先物に投資をしているのです。
ここまで来ると、逆に米国VIブルETFと米国VIの違いは
何なのか?と思ってくるでしょう。その違いは次のよう
なものです。
米国VIブルETFと米国VIの違いとは?
米国VIの投資対象はVIX先物と言いましたが、厳密には
第一限月のVIX先物が投資対象です。第一限月というの
は、満期が一番近い先物のことです。
先物についての細かい説明は他に回しますが、VIX先物は
以下の図のように満期が1月、2月、3月・・・・によって、
価格が異なります。
そして、この図でいえば、第一限月は1月の先物というこ
とになります。
当然、1月満期の先物は2月に持ち越せませんので、ある
タイミングで2月満期の先物に乗り換えます。
GMOクリック証券の場合、【会員のみなさまへ】にロー
ルオーバーしたタイミングでお知らせが届きます。
一方で、米国VIブルETFはどうでしょうか?
S&P500 VIX短期先物指数というのは、第一限月のVIX
先物と第二限月のVIX先物を日次でロールオーバーし、
満期が常に30日になるように取引した場合のリターン
を指します。
厳密にはS&P500VIX短期先物指数の日次の変動が1.5倍
になるように設計されています。
つまり、日次の変動率に差を除けば、米国VIは第一限月
の満期前に第二限月の先物にロールオーバーするのに対
して、米国VIブルETFは第一限月と第二限月の先物を
毎日少しずつロールオーバーしているというのが本質的
な違いとなります。
普通の人であれば、ここまで細かく理解をしておく必要
はありませんが、知っておいて損はない内容です。
改めて違いをまとめると、今説明したようにVIX先物の
ロールオーバーの仕方が異なることが1つ、米国VIブル
ETFは1.5倍のレバレッジがかかっているので、
値動きが大きくなるというのが1つ、最後に取引単位が
米国VIブルETFはCFD価格の1倍、米国VIはCFD価格の
10倍となるというこの3点が違いということになります。
米国VIブルETFと米国VIどちらがおすすめ?
では、米国VIブルETFと米国VIはどちらがおすすめなのか。
結論としては、どちらも下落圧力がかかっているという
点では同じであり、同じ投資戦略が有効ですので、うま
く使い分けるのが一番ベストです。
まず価格の変動率は米国VIブルETFのほうが高くなって
いますので、リスクを積極的に取りたいという方は米国
VIブルETFに投資をするのがよいでしょう。
このように話をすると米国VIの価格変動率が小さいよう
に思ってしまいますが、米国VIブルETFが大きいだけ
なので、米国VIでも十分大きなリターンが期待できます。
ただし、米国VIブルETFの売りは取引規制がかかって
いることが多いというデメリットがあります。
通常、エントリーするポイントは、米国の株式市場が
大きく下落したときがベストなのですが、そのタイミ
ングだと米国VIブルETFはかなり高い確率で取引規制が
かかっており、新規売りでエントリーすることができま
せん。
結局エントリーができるようになるころには、相場が
落ち着きを取り戻し始めてしまっているので、急騰
した米国VIブルETFもある程度の位置まで戻ってきて
しまいます。
あまりに急激な値動きだと売りポジションを手放す人
が多く現れるので、急騰したタイミングで売れること
もあるのですが。
一方で、米国VIは米国VIブルETFと比べるとリスクが
小さいせいか取引規制がかかりにくい特徴があります。
そのため株式市場が大きく下落したタイミングに合わ
せて、売りから入ることも可能です。
とは言っても、米国VIが急騰するような相場では、
米国VIも新規売りの規制がかかることがあります。
私の場合は、まず相場が大きく下落したときは米国
VIブルETFでエントリーできるかを確認し、できる
のであれば、米国VIブルETFでポジションを保有します。
一方、すでに取引規制がかかってしまっているとき
は米国VIでエントリーできるかを確認するようにし
ています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
米国VIブルETFと米国VIの違いを明確に理解できると、
米国VIと米国VIベアETFのリスクの違いが明確にわか
るようになります。
そして、自分のリスク許容度に合わせて、分散投資を
したり、一極集中で投資をすることできます。
ただ、くれぐれも気を付けてほしいのですが、売りの
戦略は損失無限大の戦略です。リスクを取り過ぎると、
一瞬で大きな損失を抱えることになりかねません。
あまり無理はせずに適度な金額で投資をするように
してください。