これまでは不動産投資というと、現物の不動産を購入
するか、REITや私募ファンドに投資をするかという
選択肢しかありませんでした。

しかし、今や不動産に1万円から投資するのも当たり前の
時代になってきました。

特に不動産クラウドファンディングをきっかけに本格的に
不動産投資を始める投資家もいるため、各不動産会社が
顧客獲得目的で、不動産クラウドファンディング事業に
乗り出しています。

そして、今日、分析していくのは不動産クラウドファン
ディングの中でも地方創生をテーマに掲げているBATSUNAGUです。

斑尾高原のペンション再生ファンドや千葉市の日本家屋
再生ファンドなど、一般的な不動産投資とは一味違う
クラウドファンディングです。

利回りも高めですし、社会貢献もしていきたい方にとっては
魅力的な投資先の1つになるかもしれません。

今日は、このBATSUNAGUについて、独自目線で徹底分析
していきます。

BATSUNAGUとは?

BATSUNAGU は、PCやスマホから不動産投資ができる
不動産投資クラウドファンディングです。

従来の不動産投資は最低でも数百万円~数億円の原資が
必要でしたが、少額での投資や簡単な登録手続きだけで
不動産投資を体験できるようになりました。

BATSUNAGUは、地方再生・地域活性化をテーマに、
各地域の強み・風土・文化を継承したプロジェクトとして
案件を組成しているので、古民家やペンションの再生と
いった他にはあまり聞かないテーマの案件があります。

千葉市の古民家

斑尾高原のペンション

BATSUNAGUの仕組みは?

BATSUNAGUの仕組みは下図のようになっています。

簡単に言えば、左側の投資家(あなた)から出資金を
BATSUNAGU(仲介業者)が資金を集め、不動産を
購入します。

そして、購入した不動産から入ってくる収益を、投資家に
分配する形です。

最後には保有している不動産を別の購入者に売却します
ので、その資金であなたの投資元本が戻ってくるという
仕組みとなっています。

BATSUNAGUの運営会社は?

BATSUNAGUに投資判断をする上で、どのような会社が
運営母体なのかを調べておくことは重要です。

BATSUNAGUの運営会社は、株式会社リムズキャピタルです。

企業名 株式会社リムズキャピタル
設立年 2016年4月27日
事業内容 事業への投資及びアレンジ、事業再生、不動産特定共同事業等
営業店 東京、北海道、仙台

リムズキャピタルは設立年数も10年以内で、財務情報なども
載っておりませんので、正直事業の実態はわかりません。

東証一部上場企業や実績が多数ある企業であれば少し安心
できるのですが、運営会社という軸で判断すると、あえて
リムズキャピタルを選定する理由はないと言えます。

では、ここからは具体的にBATSUNAGUがどんな案件を
扱っているのか見ていきましょう。なかなか面白い特徴が
ありました。

BATSUNAGUはどんな案件を扱っているの?

こちらはBATSUNAGUの3号案件の、千葉市の日本家屋
再生ファンドです。

見るからに古民家であることがわかると思います。

小さな古民家と里山を通じて古き良き日本の情景を残しつつ、
実りある空間を豊かに作り上げていくことをコンセプトに
しています。

ですので、日本家屋だけでなく、竹林や林道、農地も活用した
体験型の施設に生まれ変わらせることを目指すプロジェクトと
なります。

名称 千葉県日本家屋再生ファンド
所在地 千葉市緑区上大和田町47
建物面積 122.97㎡
土地面積 22,709㎡
地目 宅地、山林、田畑
築年月 不明
投資対象の権利 所有権
募集金額 16,000,000円
出資単位 10,000円
運用期間 12か月
予定配分率(年利) 年7%
優先出資割合 80%

地域全体を活性化させるために、こういった地方再生
プロジェクトというのはやる価値のあるプロジェクト
だと思っています。

ただ一方で、投資対象としてみたときに本当に大丈夫
なのか少し疑問が残ります。

利回り7%ということで、比較的高めの設定なのは納得
できますが、この再生した日本家屋とその一帯を買いたい
と思ってくれる購入者がいるかどうかです。

優先出資割合が80%なので、投資家は利益を優先的に
受け取ることができますが、仮に売却額が80%を下回った
場合、投資家の元本が毀損することになります。

そう考えると、やる価値のあるプロジェクトであると思う
一方で、本当に出口戦略は大丈夫なのかと不安が残ります。

他のファンド案件もとても興味深いプロジェクトになって
おり、力を貸したいという気持ちになる一方で、本当に
出口戦略があるのかという点においては、どのファンドも
少し不安が残る案件となっています。

とはいえ、どの案件も募集枠はすべて埋まっていますので、
投資家からの一定の人気はあることがわかります。

それでは、BATSUNAGUに投資をするメリット・デメリットを
見ていきましょう。

BATSUNAGUに投資をするメリットは?

少額から投資ができる

取り扱い事例でも紹介したように、社会貢献性は高いけれど、
出口戦略が見えづらい投資物件に数千万円の金額を投資する
のはなかなか勇気がいります。

ですので、今までは、一般の個人投資家が手を出すのは、
まず無理な状況でした。

しかし、1口1万円から気軽に投資ができるようになった
ことで、一般の投資家でも手を出せるようになったのは
大きなメリットと言えます。

運用はお任せできるので楽

不動産投資を実際にやったことがある人はわかると思います
が、実際に投資をしようとなると、良い物件を探すために、

不動産会社を回ったり、物件の調査に時間を使ったりと
購入するまでだけでも多くの時間がかかります。

さらに、入居者を募集したり、部屋をクリーニングする
業者を探したり、利回りを高めるために色々な工夫をする
必要もあります。

BATSUNAGUの取り扱う案件は、一般的な不動産と性質も
異なることから、なおさらです。

それと比べると、何から何までお願いができ、それなりの
リターンが得られるというのは、これも大きなメリットですね。

RIETのようなペーパーアセットよりリターンが安定する

分散投資の一環でRIETを購入したことがある人はわかると
思いますが、RIETは株式市場と比較的連動して、上昇・下落を
します。

ですので、前々から言っていますが、私はRIETの購入と
いうのはおすすめしていません。

それよりもBATSUNAGUが扱うような物件に投資をすれば、
株式相場の影響をほとんど受けることなく運用できるので、
これもメリットです。

優先劣後システムで不動産保有のリスクが下がっている

BATSUNAGU不動産の仕組みのところでも解説しましたが、
BATSUNAGUには優先劣後システムがあります。

これは下図を見てもらったほうがわかりやすいと思います。

仮に投資家が700万円、リムズキャピタルが300万円を出資
して1000万円のマンションを購入したとしましょう。

運用終了時点で、このマンションを別の投資家に売却
しました。

このとき、優先出資をした投資家は優先的に元本を
回収することができます。

ですので、仮に800万円でしか売れなかったとしても、
投資家が出資した700万円は回収が可能です。

劣後出資だったリムズキャピタルだけが損失を被ること
になるわけです。

ですので、この劣後出資の割合が高いほど、元本割れする
リスクが下がり、安全性が高いと言えます。

ここまでがBATSUNAGUに投資をするメリットでした。
続いてデメリットも見ていきまs。

BATSUNAGUに投資をするデメリットは?

元本保証ではない

まず、これは当然ではありますが、投資ですので元本保証
ではありません。

優先劣後システムがありますので、元本割れするリスクは
下げられていますが、万が一はありえますので、その点は
十分に注意しておく必要があります。

運営の中身が見えない

クラウドファンディングの宿命ではありますが、投資をした後
というのは、その資金が本当に当初の目的どおり使われている
のか把握する方法はありません。

そのため、投資した資金が別の用途で使われていたり、当初
聞いていた話と違う運用がされていたり、ということが稀に
起こります。

特にBATSUNAGUの案件のように、ただマンションを買う、
戸建てを買うという話と違いますので、一般の投資家からは
とにかく中身が見えづらくなっています。

ただ、こればかりは投資家側ではどうしようもないので、
母体の会社がそういうことをやらない会社かを納得いくまで
調べる以外の方法はないのですが、そういう投資なのだと
受け入れるしかない点だと言えます。

BATSUNAGUの評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

当初、不動産クラウドファンディングに対して、あまり
好意的な印象を持っていなかったのですが、色々とサービスが
進化を続ける中で、案件さえしっかり選ぶことができれば、
十分魅力的な投資対象になっていると思います。

何より実際に自分が不動産投資をしているからわかるのですが、
都内のマンションだと表面利回りで4%台の物件がザラにあります。

この利回りを得るために、相応の時間をかけて、交渉したり、
契約したり、管理したりする手間が発生すると考えると、
不動産クラウドファンディングで全然問題ないと思ってしまいます。

(不動産クラウドファンディングも申込が面倒だったり、
抽選に当たらなかったり、と色々手間はかかりますが、
現物不動産の比ではありません。)

現物の不動産投資が有利な点としては、銀行から融資を
引っ張って、レバレッジを効かせられるくらいでしょうか。

といったように、不動産投資をやっている人や毎月分配型の
RIETに投資をしているような人は不動産クラウドファン
ディングを検討する価値は十分あります。

ただ、BATSUNAGUはまだマシですが、競争率が高すぎて
なかなか投資ができないというのは大きな問題です。

結局、投資ができない資金がある=運用効率が下がると
いうことなので、あなたの資産全体の運用利回りが落ちる
ことを意味しています。

またBATSUNAGUの案件は不動産クラウドファンディングの
中でも特殊な案件で、社会貢献性は高いですが、出口の戦略
が不明確なものが多い印象です。

優先劣後方式になっていたとしても、リムズキャピタルの
劣後出資割合を超える売却損が出てしまえば、投資家の
元本を毀損することになります。

ですので、正直、他の不動産クラウドファンディングに
優先して投資をするべきではあるでしょう。

ただ、社会貢献も同時にしていきたいと思う人であれば、
投資をする価値があると言えます。