ソーシャルレンディング

TECROWD(テクラウド)の評価や評判は?果たして投資価値はあるのか?

これまでは不動産投資というと、現物の不動産を購入するか、
REITに投資をするかという選択肢しかありませんでした。

しかし、今や国内不動産に1万円から投資するのも当たり前の
時代になってきました。

さらに直近では、なかなかアクセスできない海外不動産に
小口投資ができるサービスまで登場してきています。

今日は、その中でも新興国の不動産を投資対象とした
クラウドファンディングサービスを展開している
TECROWD(テクラウド)について、独自目線で徹底分析
していきます。

TECROWD(テクラウド)の評判はどう?

まずはTECROWDについて、どのような口コミがあるのか
投資家の声を見てみましょう。

TECHROWDの案件も募集開始と同時にすぐに埋まってしまう
ほど人気のようです。

海外案件に投資ができるというのもポートフォリオの観点
から見て、価値を感じている人もいるようです。

また直近では、10億円突破を記念して、キャッシュバック
キャンペーンを行っているようです。

キャンペーンをやる場合、何かしら早く資金を集めたいという
裏があると思ってしまうので、私からすると、キャンペーン
対象の案件は絶対投資したくないですね。

(不動産クラファンではありませんが、資金繰りが苦しくなって、
キャンペーンをやって資金を集めて、自転車操業をやっていた
案件を何度も見てきたので、あまり良い印象がありません。)

TECROWD(テクラウド)とは?

PCやスマホから不動産投資ができる不動産投資クラウド
ファンディングです。

従来の不動産投資は最低でも数百万円~数億円の原資が
必要でしたが、少額での投資や簡単な登録手続きだけで
不動産投資を体験できるようになりました。

TECROWDの特徴としては、1口10万円~となっていて、
他のクラウドファンディングよりは敷居が高くなっています。

また海外不動産案件も多く、その分想定利回りが高くなって
いるというのが特徴です。

海外不動産の中でも、モンゴルやカザフスタンなど、なかなか
投資をしたくても手を出せないようなエリアの案件が多いので、
リスクを取って投資をしていきたい投資家には、魅力的だと思います。

私の場合は、フィリピン不動産で、海外不動産投資の難しさを
見てきたので、海外不動産=魅力的というよりも、本当に
大丈夫なのか?という疑いの目が先にきてしまいますね。

TECROWD(テクラウド)の運営会社は?

TECROWDに投資をするか判断をする上で、どのような
会社が運営母体なのかを調べておくことは重要です。

TECROWDは、TECRAという会社が運営しているサービスに
なります。

企業名 TRCRA株式会社
設立年 2001年5月
事業内容 建築一式工事、土木工事、設計及び管理、海外開発、不動産売買、賃貸、仲介
営業店 横浜

TECRAの特徴は、新興国(モンゴル、カザフスタン、
キルギス、ウクライナ)に事業展開していることです。

住居やオフィスの開発のための調査やコンストラクション
マネジメントを行っています。

毎月日本の現場監督が現地に訪問し、直接コミュニケーションを
とっているようですね。

ただ、財務状況などわかるものがなく、海外の案件に関しては、
事例も少ないようなので、少し不安が残ります。

このあたりは、東証一部上場企業等が運営しているクラウド
ファンディングと比べると、安全性という意味で見劣りして
しまいますね。

TECROWD(テクラウド)はどんな案件を扱っているの?

では、実際にどのような案件を取り扱っているのか
見ていきましょう。

こちらはTECROWD26号ファンドの案件になります。

ウランバートルの中心地から800メートルの好立地にあり、
現地の富裕層や外資系企業の駐在員、大使館員などの
高所得者向けの中高層レジデンスです。

システムキッチンや、温水暖房便座、床暖房、オートロックに
加え、上質なデザインが現地で非常に高い評価を受けています。

国・エリア モンゴル/ウランバートル
名称 Ambassador Residence
物件種別 店舗付き共同住宅
構想・規模 規模 RC構造 地上16階 地下1階
総戸数 住戸62戸/店舗1戸
竣工年数 2019年12月
投資対象 501区画、601区画、801区画、1401区画、1601区画
募集金額 80,500,000円
出資単位 1口10万円
運用期間 24カ月
予定配分率(年利) 8.00%
優先出資割合 約90%

正直、ウランバートルに行ったことがないので、どのくらい
立地条件のレジデンスなのかはわかりかねます。

ただ少なくともモンゴルの中でも主要都市であることは
間違いないので、立地自体は問題ないでしょう。

気になるのは運用期間が24カ月と長いわりに、優先出資割合が
90%と投資家が比較的リスクを負っている比率になっている点です。

フィリピンに視察に行ったときにも、フィリピンは人口が
急増していて、所得水準も伸びていて、高級レジデンスの
需要もどんどん伸びていると聞いていたわけですが、

実際には競合も同じように考えて高級レジデンス建て過ぎた
結果、所得水準が追い付かず、いざ蓋を開けてみたら、
入居者が全然つかなかったと言っていました。

その結果、不動産価値も想定よりも伸びることなく、損失が
出て終わったそうです。

TECROWDが同じとは言いませんが、勢いのある国の高級
レジデンスだから大丈夫!という論理は正直、信ぴょう性が
ないと考えており、全く現場感がない中で、優先出資割合が
90%というのは怖いですね。

たぶん、利回りだけに飛びついているような投資家は気にせず
投資をしていると思いますが、大きなリスクを負ってまで、
投資をするほどの利回りでもないので、かなり慎重に案件を
精査するべきだと思います。

TECROWDファンド26号の仕組みは以下のようになっており、
TECRAが業務提携しているインベスコアという上場企業の
グループ会社が一括借り上げ方式で賃料の集金代行を行って
くれる仕組みとなっています。

一括借り上げというのは、物件のオーナーが空室リスクを
回避するためのもので、物件に入居者がいるいないに関わらず、
インベスコアのグループ会社が毎月賃料を支払ってくれる仕組みです。

そのため、TECROWDファンド26号においては、空室リスクは
あまり心配がなさそうです。

また新興国の案件では、為替リスクがかなり大きいので、
注意しなければなりませんが、運用期間中の為替変動については、

売買は円建て決済、一括借り上げ契約も円建て決済になっており、
為替ヘッジが行われているので、その心配もなさそうですね。

となると、最後やはり怖いのは、24か月後の物件価格の下落と
いうことになります。

2年もあれば、物件価格が10%程度変動することは十分考えられる
ので、もう少し投資家を安心させてくれる材料があると、
投資しやすい環境が整いそうですね。

では、ここからは私が考えるTECROWDに投資をする
メリット・デメリットを整理していきます。

TECROWD(テクラウド)に投資をするメリットは?

新興国の不動産に投資ができる

まず、TECROWDに投資をするとしたら、一番のメリットは
新興国の不動産に投資ができるという点でしょう。

正直、かなり攻めた案件だと思ってはいますが、普通であれば
まず投資ができないような投資先であることは間違いありません。

リスクを取ってでも高いリターンを狙いに行きたい投資家も
いると思いますので、そういう投資家にとっては、大きな
メリットになります。

少額から投資ができる

現金で買うにしても、ローンで買うにしても、数千万円の
投資をするというのはなかなか勇気がいります。

金額が大きいからこそ、失敗もできませんし、不動産投資の
経験がない人にとっては、最初の一歩を踏み出すのが
非常に難しい状況でした。

特にTECROWDが扱うような新興国の不動産であれば、
なおさらです。

それを1口10万円から気軽に投資ができるようになった
というのは投資家にとってとても大きなメリットです。

運用はお任せできる

不動産投資を実際にやったことがある人はわかると思いますが、
実際に投資をしようとなると、良い物件を探すために、不動産
会社を回ったり、物件の調査に時間を使ったりと購入するまで
だけでも多くの時間がかかります。

さらに、入居者を募集したり、部屋をクリーニングする業者を
探したり、利回りを高めるために色々な工夫をする必要もあります。

これが海外のしかも新興国ともなれば、誰に何を相談すればいいのか、
現地の法律や制度に詳しい人がいなければ、まず対応できません。

その点、TECROWDにお任せすれば、この煩雑な業務をすべて
お願いができ、それなりのリターンが得られるというのは、
これも大きなメリットだと思っています。

高い利回りが期待できる

一般的に国内の不動産クラウドファンディングであれば、
どの案件のリターンも3~5%くらいになります。

しかし、新興国の不動産ということもあり、TECROWDが
扱う案件は7~11%とかなり高くなっています。

当然、リターンが大きければ、リスクも比例して大きい
わけですが、高いリターンが期待できるというのは、リスクを
取って投資をしたい投資家にとってはメリットになります。

優先劣後システムで不動産保有のリスクが下がっている

TECROWDの仕組みのところでも解説しましたが、
TECROWDには優先劣後システムがあります。

だいたいTECROWDの出資分は10%くらいですので、
売却時に不動産の価格が90%を下回らなければ、
投資家出資持分が毀損することはないというわけです。

新興国の不動産の場合は、もう少し、劣後出資の割合を高めて、
投資家のリスクを下げてほしいところではありますが、今後に
期待といったところでしょうか。

では、続いて、TECROWDに投資をするデメリットを見て
いきましょう。

TECROWD(テクラウド)に投資をするデメリットは?

元本保証ではない

まず、これは当然ではありますが、投資ですので元本保証
ではありません。

優先劣後システムがありますので、元本割れするリスクは
下げられていますが、特に新興国の不動産案件は期間が2年
と長く、優先出資割合90%ですので、元本を毀損するリスクは
往々にしてあると思っておいたほうがいいですね。

運営の中身が見えない

クラウドファンディングの宿命ではありますが、投資をした後
というのは、その資金が本当に当初の目的どおり使われている
のか把握する方法はありません。

しかもそれが海外となれば、なおさらです。

日本では考えられないような犯罪が平気でまかり通っていたり
しますので、資金の横領や詐欺がないとも言えません。

こればかりは投資家側ではどうしようもないので、TECRAを
信じるしかないわけですが、

HPを見る限り、海外に事業展開はしているものの、実績や
繋がりを見ても、新興国で幅を利かせられるほどのものを
持っているとは思えないので、手を出しづらく感じてしまいます。

TECROWD(テクラウド)の評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

新興国の不動産に投資ができるというのは、変わり映えのない
国内の不動産クラウドファンディングに投資をしている人から
すると、とても魅力的に感じるかもしれません。

さらに利回りも高いとなれば、一度は投資をしてみようと思う
人も多いと思います。

ただ、新興国→人口が増加している→経済が成長していく→
マンション需要が増す→高級レジデンスに人気が出るという
論理は、一見正しそうに見えますが、確実に正しいとは言えません。

当然、同じようなことを考えている人たちが多数いますので、
現地では高級レジデンスの開発競争が展開されるでしょうし、
現地の法律が変わったり、

労働力を確保できなかったりで、予定通りにマンションを
建設できないということも往々にして起こります。
(少なくともフィリピンでは起きてました)

ですので、そのリスクを理解した上でも、新興国の不動産に
投資をしたいという人は少額から投資をしてみるのもいいと
思います。

私個人としては、以下の理由から投資をすることはないと思います。

①不動産クラファンではそもそもリスクをとって投資をしようと思っていない。

VIXトレードや日経225オプショントレードで年10~20%で
運用できていますので、利回りが高く、元本割れするリスクを
孕んでいる案件に投資をするメリットを感じません。

②TECRAの海外事業の実績の少ない。

面白いとは思いますが、正直、海外事業での実績が少ないのが
気になります。

新興国に色々手を出すよりも1つの国で実績を多数積んでいたら、
投資を検討していたかもしれません。

③劣後出資割合が10%程度しかない。

海外の案件だからこそ、下落リスクに対して、もう少しTECRA側
でリスクを取ってほしいところです。

新しい記事はありません

  • この記事を書いた人

ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

-ソーシャルレンディング