VIX指数関連の投資に興味がある人であれば、米国VIブル
ETFの名前を聞いたことがあるかもしれません。

米国VIブルETFは米国VIベアETFと並んで、人気のCFD
であり、少額からVIX指数に関連する投資をしたいとい
う人には、まさに最適な金融商品と言えるでしょう。

今日は、米国VIブルETFは投資するに値するのか、徹底
分析していきます。


米国VIブルETFとは?

まず、米国VIブルETFとは何なのかを説明していきます。

米国VIブルETFはNYSE(ニューヨーク証券所)に上場
しているプロシェアーズ・ウルトラVIX短期先物ETF(U
VXY)に連動するように設計されたCFDです。

GMOクリック証券のCFD取引高では、だいたいトップ3
に入る取引高を誇っており、多くの個人投資家が注目
している商品でもあります。

難しい言葉がいきなり出てきてよくわからないという人も
いるかもしれないので、もう少し細かく見えていきます。

この商品はプロシェアーズという運用会社が設定したETFに
連動するようにGMOクリック証券が設計したCFDです。

CFDが何なのかよくわからないという人は、こちらの記事に
CFDについてまとめていますので、確認しておいてください。

CFD取引って何?知る人ぞ知るCFDの魅力とは?

そして、プロシェアーズが運用するETFはVIX短期先物指数に
連動するETFです。もともとVIX短期先物指数の日々の変動率の
2倍変動するように設計されていましたが、VIXショック以降は、
日々の変動率の1.5倍変動するように設計されています。

つまり米国VIブルETFの仕組みを理解するには、プロシェアーズ・
ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)の理解が必要であり、プロシェア
ーズ・ウルトラVIX短期先物ETF(UVXY)を理解するには、VIX短期
先物指数について理解をできればよいということになります。

VIX短期先物指数というのは、VIX指数先物の第一限月と第二限月を
ロールオーバーして、満期が常に30日になるように、設計されている
合成先物です。VIX短期先物指数については、こちらの記事でかなり
細かく説明しているので参考にしてください。

S&P 500 VIX 短期先物指数とは?なぜ下落を続けるのか?

米国VIブルETFの値動きは?

では、実際に米国VIブルETFがどのような値動きをして
いるのかを見てみましょう。

今回は、米国VIブルETFが参照しているUVXYのチャート
を見てみます。

一目でわかりますが、恐ろしい勢いで下落していることが
わかります。2012年以降はほぼ、真横に推移しているので、
値動きがないのではないかと思ってしまいますが、決して
そういうわけではありません。

次の図は米国VIブルETFの直近2年間の値動きの推移を
示しています。確かに右肩下がりに下落はしていますが、
VIX指数が上昇するタイミングで、米国VIブルETFも上昇
しています。

このチャートを見て、買いをしかけようと思う人はわずか
だと思いますが、売りをしかけるにしても、指数の急上昇
にも耐えられるだけの資金管理術が必要となります。

 

米国VIブルETFは仕組み上、2段階の下落圧力がかかります。

一つ目の下落圧力が米国VIブルETFが連動する指数である
VIX短期先物指数による影響です。

VIX短期先物指数はコンタンゴの状態であれば、ロール
オーバーするときに、価格の安い第一限月の先物を売却し、
第二限月の先物を購入しますので、自然と価格が下落して
いきます。

ロールオーバーの仕組みを徹底解説!

そしてもう一つの下落圧力が日VIX短期先物指数の日々の
値動きの1.5倍の変動をするように設定がされているという
点です。

これは実際に数値の変動をみたほうがイメージが湧きます
ので、具体例を見てみましょう。

以下の表は米国VIブルETFとVI短期先物指数の変動率を
比較したものです。VIX短期先物指数と米国VIブルETFの
1日目の価格をそれぞれ100とします。

そして、VIX短期先物指数が100→120→100→120→100と
変化したときに、米国VIブルETFがどのように変動するか
を示しています。

ここで注目すべきは米国VIブルETFの5日目の価格が91と
なっている点です。VIX短期先物指数は元の100であるに
もかかわらず、米国VIブルETFは100から91とマイナスに
なっています。

このように、単純にVIX短期先物指数の1.5倍の変動をして
いるわけではないということを理解しておいてください。

1日目 2日目 3日目 4日目 5日目
VIX短期先物指数 100 120 100 120 100
変動率 +20% ▲17.7% +20% ▲17.7%
変動率(1.5倍) +30% ▲26.55% +30% ▲26.55%
米国VIブルETF 100 130 96 124 91

米国VIブルETFのパフォーマンスは?

ここでは、米国VIブルETFが連動しているUVXYのパフォ
ーマンスを見てみましょう。

2018年のVIXショック時を除いて、非常に好調なパフォー
マンスとなっています。

これを見ると、売り戦略を取れば、2年で資産が2倍以上に
増えるようなイメージを持ってしまうかもしれませんが、
残念ながらそういうわけではありません。

米国VIブルETFはVIX短期先物指数に連動する商品ならでは
の注意点がありますので、こちらを確認しておいてください。

VIX短期先物指数の仕組み上の注意点

米国VIブルETFで勝つための戦略とは?

では、このような特徴的な値動きをする米国VIブルETFで
勝つにはどうすればよいのでしょうか?

まず、CFDを買いから入るというのは、普通に考えて
あり得ません。下落圧力が圧倒的に強いにもかかわらず、
上昇に賭けるというのは愚策です。

ですので、基本的には下落すると利益が出るようにCFDを
売る戦略が正しいと言えるでしょう。

ただし、ここでも注意が必要です。

中長期的にみれば確かに下落はしていますが、ときどき
VIX指数が上昇するタイミングで米国VIブルETFも大きく
跳ね上がります。

VIXショックがあった2018年2月には3倍くらいまで跳ね
上がりました。

そして、コロナショック時には、直前の最安値から10倍
以上に跳ね上がりました。

空売り戦略は確かに利益が出やすいのは間違いないの
ですが、資金管理もちゃんとせず投資をしてしまうと、
急上昇したタイミングで、一発退場になる可能性があり
ます。

ここに売り戦略から入る怖さがあります。

米国VI、米国VIブルETF売りの恐怖

急上昇はめったに起きないだろうと思って、戦略を立て
ているようでは、いつか必ずそのめったに起きない急上昇
にやられて投資資金をすべて失うことになります。

GMOクリック証券では自動でロスカットラインが設定
されていますので、設定をいじらない限りはそこまで
大きくやられる心配はありませんが、ロスカットレート
の設定を自分で行う場合は要注意です。

もともとは3~4倍上昇しても耐えられる必要証拠金を
用意しておけば、大丈夫かと思っていましたが、コロナ
ショックを目の当たりにしてみて、それでは全然不十分
であることがわかりました。

ロスカットにあわないようにするためには、最低でも
10倍は用意する必要があります。

またエントリーするタイミングも非常に重要です。

利益を最大化するためには米国VIブルETFが急上昇する
タイミングを見計らって投資をするのがベストです。

ひとつの目安としては、NYダウの下落が大きくニュースで
報じられたしたときはチャンス到来だと考えてください。

NYダウが下落するときは、S&P500も必ず下落します。
S&P500が下落するということはVIX指数が急騰するタイ
ミングであり、米国ブルETFが急騰するタイミングです。

ただし、実際に投資をしてみればわかることですが、
GMOクリック証券ではVIX指数が急騰したときに、
米国ブルETFの取引に規制がかかってしまいます。

米国VIブルETFが買えない!?米国VIブルETFの取引規制とは?

そのため、GMOクリック証券が規制をする前、もしくは
規制が解除されるタイミングに合わせて、エントリーする
しかありません。

さきほどいったようにニュースでNYダウの下落が報じられる
ような時は、ほぼ間違いなく規制が入りますので、細目に
規制が解除されるタイミングを見計らう必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

米国VIブルETFは売りから入れば基本的には勝てる仕組み
になっています。しかし、たまたま勝てることはあっても
正しいトレードルールに従ってトレードをしなければ、
あなたの利益はすぐになくなってしまうでしょう。

特にコロナショックのような大暴落相場が来ると、米国
VIブルETFの上昇の仕方は尋常ではありません。今回も
多くの人が証拠金が足りなくなったり、泣く泣くロスカ
ットしたりと、大きな損失をかかえた人が多数でました。

そのためロスカットに遭わないであろう十分な資金を用意
することは必須条件です。この資金が用意できていないと、
含み損が増えるにつれて、不安な気持ちが増し、気が気では
なくなります。

多くの人が損失無限大の投資方法(米国VIブルETFの売り)
の精神的な影響を考慮できていないのですが、実際には、
精神的に耐えられなくなり、ロスカットしてしまうという
人も多数います。

何より今回のコロナショックを経験したことで、ロスカット
に遭わないようにするには、高額な証拠金を用意する必要が
あることが改めて判明しました。

そうすると、ロスカットに遭わないように資金を寝かせて
かなければならないことを考えると、資金効率はかなり悪く
なります。

その点も含めて、米国VIブルETFの売り戦略を行うかを
検討するとよいと思います。