レシオ・プット・スプレッドは、OTMのプット・オプションを買うと同時に、さらにOTMのプット・オプションを複数枚売って、受け取るプレミアムのほうが大きい状態を作る方法です。
ここからは具体的な事例で見ていきます。今回は、P2900@160を1枚買って、P29500@100を2枚売った場合の損益図を見ていきましょう。
【P27000@160 買1枚】
【P26500@100 売2枚】
【合成オプション(レシオ・プット・スプレッド)】
レシオ・プット・スプレッドのまとめ
ポジション:OTMのプットを1枚買い、同限月でさらにOTMのプットを複数枚売り、支払いプレミアムより受け取るプレミアムのほうが多い状態を作る
狙い目:①相場がやや下落もしくは横ばいと予想するとき
最大利益:SQ値が売りポジションの権利行使価格のときが最大利益
最大損失:無限大
長所:よりOTMのオプションを売っているので、タイムディケイの恩恵を受けやすく、利益になる確率が高い。売りのみに比べて、必要証拠金が少ない。
短所:SQ値が買いポジションの権利行使価格に届かない場合、利益が少ない。
教科書では学べない実践で使えるマメ知識
教科書的には相場がやや下落もしくは横ばいを予想するときに仕掛けるものですが、実際にやや下落か横ばいを予想することは難しいです。
レシオ・コール・スプレッドとの違いは、株価は急落するとパニックになって、さらに急落することがあるということです。
ですので、レシオ・コール・スプレッドよりかなり慎重に仕掛ける必要があります。個人的には急落局面であれば、さらに下落する方向に仕掛けたほうが良い結果を生むことが多いので、レシオ・プット・スプレッドはあまり実践で使ったことがありません。