インデックスファンドとアクティブファンドはいったいどちらが
優れているのかという議論も、おおかたインデックスファンドの
ほうが優れているという結論で一致し、近年ではほとんど議論
されることがなくなってきました。

ただ、ブロガーにしても、他のニュース記事にしても自分で実際に
ファンドのパフォーマンスを調べて結論づけたというものはなく、
他の人が使っているデータを引用しているだけの場合がほとんどです。

前々から私はこの論調に対して懐疑的だった(ポジショントーク
なのでは?と思っていた)のですが、たまたまお客様からも質問が
あったので実際に自分で調査してみることにしました。

調査にあたって

マクロ的に全ファンドのパフォーマンスをインデックスファンドと比較
した場合には、当然アクティブファンドよりもパフォーマンスが優れて
いるインデックスファンドの本数が多くなるとは思っています。

しかし、私が最も今回の調査で知りたかったのは、もう少しカテゴリーを
絞って分析をすると異なる結果が出るのではないかということです。

そこで、今回の調査方法は、モーニングスター社のファンドデータから
国内株式ファンドのパフォーマンスを取得し、国内大型株式ファンド、
国内中型株式ファンド、国内小型株式ファンドとカテゴリーを細分化
したときに、どのような結果になるのかを調査します。

国内株式の場合、TOPIXと日経225の2つが代表的な指標となりますが、
今回はよりパフォーマンスが優れている日経平均株価に連動するインデ
ックスファンドに勝てるアクティブファンドの本数を調べました。

日経225に連動するインデックスファンドというのも数多く存在します
ので、今回は日経225に連動するインデックスファンドの中でも一番
優れたパフォーマンスのインデックスファンドに勝っているアクティブ
ファンドの本数を調査しています。

ここで定義を明確にしておきます。

一般的に大型株というのは、東証一部に上場している銘柄の中で時価総額が
上位100位以内にランクインしている銘柄です。国内大型株式ファンドという
のは、組入られている銘柄のほとんどがこの大型株に属しているファンドの
ことを指します。

中型株というのは、東証一部に上場している銘柄のうち、時価総額が
101位から400位の銘柄を指します。国内中型株式ファンドというのは、
大半が中型株式で構成されているファンドのことを指します。

最後に、小型株というのは東証一部に上場している銘柄の中で時価総額が
401位以降の銘柄になります。国内小型株式ファンドというのは、組入ら
れている銘柄のほとんどが小型株に俗しているファンドのことを指します。

インデックスファンドに勝てたアクティブファンドの本数は?

それではここからが調査結果です。

まず国内株式ファンド全体でインデックスファンドに勝てたアクティブ
ファンドの本数を見てみましょう。

表の見方は3年平均利回りで見たときにインデックスファンドに勝った
ファンドが何本あるかを示しています。

どの期間で見ても、インデックスファンドにパフォーマンスで勝てている
アクティブファンドの本数は約20%しかありません。

つまり残りの80%のファンドを選択した場合はインデックスファンド以下
のパフォーマンスにしか残せていないということです。

この結果を見ると、たしかに日経225に連動するインデックスファンドに
投資をしたほうがよいという意見が正しいように思えます。

※ちなみに全体のファンド本数が変動しているのは、その時点で設定
されているファンドの本数が異なるためです。当然10年前のほうが
数ないので本数は少なくなります。

勝ちファンド/全体
3年平均利回り 19.5%(115本/597本)
5年平均利回り 22.8%(117本/511本)
10年平均利回り 22.2%(72本/323本)

※参考:モーニングスター(2019年3月時点)

マクロ的な視点でみると、多くの人が言っているようにインデックス
ファンドに投資をするのが正しいように思えますが、ここからが私が
一番知りたかった調査結果です。

大型株と小型株では、公開されている情報に大きな隔たりがあります。

ですので、足を使って情報収集することで、他社と比べて優位な情報を
得るができる小型株で構成されている小型株ファンドであれば日経225に
連動するインデックスファンドに勝てるアクティブファンドが多いのでは
ないかと思ったのです。

そこで、今回は国内大型株ファンド、国内中型株ファンド、国内小型株
ファンドに細かく分類して再度、同じようにインデックスファンドに
勝っているアクティブファンドの本数を調べてみました。

国内大型 国内中型 国内小型
3年平均利回り 8.9%
(38本/424本)
24.5%
(25本/102本)
73.2%
(52本/71本)
5年平均利回り 8.3%
(30本/359本)
41.1%
(38本/91本)
80.3%
(49本/61本)
10年平均利回り 5.0%
(11本/217本)
38.3%
(23本/60本)
82.6%
(38本/46本)

※参考:モーニングスター(2019年3月時点)

結果を見てみると、衝撃的な結果となりました。

注目すべきは国内小型株ファンドの勝率です。

どの期間で見ても、70%以上のアクティブファンドが日経225に
連動するインデックスファンドよりも優れた結果を残しています。

一方で、国内大型株ファンドを見てみると、どの期間で見ても
インデックスファンドに勝っているのは10%以下しかありません。

国内株式ファンド全体で、アクティブファンドとインデックス
ファンドを比較した場合、国内大型株ファンドの本数が多いため、
国内大型株ファンドの結果が大きく影響してしまいます。

一方で、細かいカテゴリーに分解して比較をすると、より実態が
見えてきます。

このような結果となるのは、やはり国内大型株ファンドというのは
広くIR情報が公開されており、情報のリサーチの観点で差がつき
にくいので、パフォーマンスには差がつきません。

そして、アクティブファンドはコストが高い分、インデックス
ファンドに負けやすくなっているのではないかと思います。

一方で、国内小型株式ファンドでは、IR情報がほとんど公開されて
いないので、自ら足を運んで情報を収集することで、貴重な情報を
入手することが可能です。

その情報優位性がファンドのパフォーマンスに影響を与えている
と考えられます。

まとめ

ここまで見事に差がでるとは思っていませんでしたが、私の結論として
は分析の仕方で結果は変わってくるので、アクティブファンドよりも
インデックスファンドが優れているとは言えないということです。

むしろカテゴリーを細分化することでインデックスファンドに勝ち
やすいカテゴリーが存在しています。

それは、IR情報を取得しにくい小型株で構成された国内小型株ファンドです。

もちろん、誰もが知る大型銘柄で構成されているインデックスファンドに
投資をするのも悪くはありませんが、高いコストを支払ってでも国内小型
株式ファンドで収益を追求していくのも決して悪くない選択肢だということ
が立証できたと思っています。(もちろん将来のリターンは予測できませんが)

このように巷で言われていることを簡単に信じず、自分でしっかり分析
してみることで思わぬ結論に行き当たることがあります。自分で調べた
結果であれば自信が持てますし、自分の投資スタンスが間違っていない
という確信を持てるわけです。

今後もこのような役立つ調査結果を紹介していきたいと思います。