投資家が大きな損失を出し、損失分を自己資金で支払えなくなった場合、証券会社はその損失分を負担する責任があります。ですが、当然、証券会社は他人の損失の補填をしたくはありません。

そのため、あらかじめ投資家に対して、投資金額よりも多くのお金を口座に入金させることで、万が一、投資家が大きな損失を出しても、損失分をとりっぱぐれないようにしています。(保証金だと思ってもらえばいいです。)

そして、投資家が、証券会社の口座にあらかじめ預け入れる必要があるお金を証拠金と言います。証拠金は証券会社の自分の取引口座からいつでも確認することができます。(証拠金の表示内容は証券会社によって若干変動があります。)

例えば、口座残高が100万円で、11c30000@88のオプションを1枚売ったとしましょう。

証拠金が70万円だったとすると、証券会社に70万円の資金が拘束されます。そのため、残り投資ができる金額は30万円しかありません。(あくまでも概算です)

こうなると、仮にもう1枚同じコールオプションを売ろうとしても証拠金が不足しているため、売ることはできません。当然ですが、31万円以上するオプションを買うこともできません。

ただ、70万円はあくまでも証券会社に拘束されているお金であって、勝手に証券会社に運用されたり、消えてしまう資金ではないので、売りポジションを買い戻して、解消すれば、再び投資資金として使えます。

また証拠金は、日経平均の変動に合わせて、日々変動します。特にオプション取引では、日経平均が急騰したり、急落すると、証拠金が急激に膨れ上がります。

それにより、必要な証拠金が2倍になったり、3倍になったりすることがありますので、証拠金にかなり余裕をもったトレードすることが重要になります。損失が出る場合というのは、大半が証拠金不足によるものなので、証拠金の管理は細目にチェックするようにしてください。

日経225オプションにおける証拠金

オプション取引をする上で、証拠金が必要になってくるのは、オプションの「売り」のみです。コール売り、プット売りのどちらの場合でも必要になります。

なぜ必要になるかと言えば、オプションの売りでは、どこまでも損失が増えていく可能性があるからです。そのため、投資家が大損して返済できなくなるリスクを防ぐため、証券会社としては、証拠金の差し入れをしてもらうことで、万が一に備えているというわけですね。

一方、オプションの「買い」では、コール買い、プット買いともに証拠金は必要ありません。

オプションの買いでは、プレミアム分の代金をエントリー時に支払い、権利を買うことになります。日経平均の値動き次第では、利益はどこまでも伸びていく可能性はありますが、損失は支払ったプレミアム以上には絶対ならないため、証拠金を差し入れる必要がないということです。

また証拠金は日経平均株価の変動に合わせて、日々変動します。日中立会終了後に値洗いが行われ、必要証拠金額が変わります。

最初は余力があったのに、日経平均が急落して、いつのまにか証拠金が足りなくなり、追証になってしまった。ということが起こり得るので、証拠金の管理は常に気を付けてください。

日経225オプションの証拠金の計算方法とは?

オプションの必要証拠金の計算式は『必要証拠金=SPAN証拠金―ネット・オプション価値の総額』となります。

SPAN証拠金というのは、Standard Portfolio Analysis of Riskの略で シカゴ・マーカンタイル取引所(通称CME)が開発した証拠金の計算方法です。

簡単に言ってしまえば、今保有しているポジションのリスクを相殺するなどして、ポートフォリオ全体で損失の可能性のある金額を算出する制度です。

ネット・オプション価値総額というのは、買いオプション価値の総額―売りオプション価値の総額で計算されます。

ただ、どの証券会社でも以下のようにSPAN証拠金とネット・オプション価値を計算して、必要証拠金を計算してくれているので、計算式や計算方法を覚えておく必要はありません。

教科書では学べない実践で使えるマメ知識

証拠金は多く準備ができれば、それに越したことはありませんが、当然、他の投資で使えない資金という扱いになるため、あなたの投資資金全体を1つのポートフォリオとしてみたときに、運用効率の低下を招きます。

感覚値にはなりますが、必要証拠金が口座に入金してある投資資金の10倍もあったとしたら、それは万が一に備えすぎており、逆に運用が非効率になっていると言えます。少なくとも2倍~3倍くらいの証拠金は最低でも容易しておきたいですね。