私個人としては、投資信託の積立が一番リスクを取らずに資産形成できる方法だと思っていますが、投資信託の積立を間違った方法でおこなってしまうことで残念ながら失敗してしまう人がいます。
今日は、投資信託の積立がなぜ失敗しにくいのかを説明すると同時にそれでも失敗してしまう人の特徴を紹介していきます。
あなたは同じ過ちを繰り返さないように注意してくださいね。
投資信託の積立が失敗しにくい理由
まず初めに投資信託の積立がなぜ失敗しにくいのか、その理由を教えましょう。
以下に、国内株式に投資する投資信託のうち元本割れした投資信託の本数を調べました。
表の平均利回りが1年というのは、1年前から運用されていた国内株式ファンドが663本あり、その中で利回りがマイナスだった投資信託の本数は90本だったという見方をします。
平均利回り | 元本割れする確率 |
1年 | 13.57% (90本/663本) |
3年 | 0.81% (5本/616本) |
5年 | 1.81% (10本/552本) |
10年 | 0%(0本/322本) |
※2022年1月時点
平均利回りが3年だったら、3年前から運用されていた投資信託が616本あり、3年間運用して利回りがマイナスだったファドはだった5本という意味です。
マイナスリターンのファンドはわずか0.81%しかありません。
このように表を読み解いていくと、平均利回りが5年、10年になるにつれ、元本割れするファンドの本数がどんどん減っていくことがわかります。
10年前から運用されている国内株式型の投資信託に至ってはなんと元本割れしているファンドはゼロです。
ここから言えることは、コロナショックのような大暴落時には、一時的にパフォーマンスが悪化することはありますが、そこで我慢して保有を続けることで、中長期で見れば元本割れする確率を限りなくゼロに近づけることができるということです。
だからこそ、中長期で我慢強く積立投資をすれば、本来失敗はほとんどしないはずなのです。
では、なぜ投資信託の積立で失敗をしてしまうのか、その理由を次で説明していきます。
積立失敗事例① 目先の値動きを気にしすぎて安値で売却
投資信託の積立で失敗する人の特徴として、自分の運用残高をやたらと気にしてしまう人がいます。
こうなってしまうと、相場が上がっているときは、得した気分になりウキウキしますが、相場が下がったときは、損した気分になり、イライラしてしまいます。
私も投資を始めたころは、同じ過ちを犯していました。
あなたが相場の動きを気にしすぎると、特に下落相場に入った時に、
「これ以上下がったら、積立を続けてもマイナスが膨らむだけじゃないか」
「まだまだ下がる気がする。これ以上損を拡大させないためにも売却しよう」
という様々な負の感情に支配されてしまい、他のことが手につかなくなります。
投資を始めたせいで、相場が気になり、仕事に集中できないとか、家族サービスが疎かになる等あっては、本末転倒です。
このように毎日の値動きを気にしすぎる人は最終的に基準価額の変動によるストレスから解放されたいがために、大きく下落したタイミングで売却して損失を確定させてしまうのです。
これは、上述したように中長期で保有したときにどのような運用実績になるのかを頭の中で理解できている人であれば、一時的なものだから、放置しておこうと思えるわけですが、何も知らないと、愚かな選択をしてしまいます。
ファンドマネジャーと話をする機会がよくあるのですが、一番怖いのは市場が下落したときに、ポジションを解消しないといけないことと言っていました。
相場が下がって、積立額に対して、資産残高がマイナスになっていると、「積み立てる意味がない。」「損が拡大する前に売ってしまえ」と思ってしまいがちですが、相場は必ず波をうっていますので、かならずどこかで反発して戻してきます。
その反発するタイミングでエントリーできるチャンスがなくなっているのが一番大きな損失になるということです。
一番、多い事例なので、くれぐれも同じ失敗をしないようにしてください。
積立失敗事例② 無理な積立金額だったため、途中でやめてしまう
これもよくある失敗例です。
複利で資産のシュミレーションをしてみると、毎月5万円、10万円を積立つづけて、年利5%程度で運用ができれば、15年20年でとてつもない金額に資産が成長します。
それを見て、少し無理をした金額で積立を始めてしまい、初めのころは問題なく積立続けられるものの、結婚や子供が生まれることがきっかけで、月々の出費が嵩み、積立を続けられなくなる方がいます。
積立投資の魅力は何と言っても、中長期で積み立てることで複利の力を最大限に活かすというものです。
これでは資産がマイナスにはなりませんが、大きく増えるチャンスを逃してしまいます。
ですので、無理のない金額でとにかく長く運用を続けることを肝に銘じてください。
積立失敗事例③ ファンドを頻繁に入れ替えてしまう
これもよくあります。
自分が積み立てをしている投資信託の運用実績はいまいち。
一方で、ほかの投資信託で非常に優秀なパフォーマンスを発揮している投資信託を見ると、どうしても「別の投資信託に乗り換えたほうがいいんじゃないか」と思ってしまいます。
しかし、こういうときに限って、別の投資信託に乗り換えるとパフォーマンスが落ちることがよくあります。
私がよく言うのは、頻繁に投資信託を入り変えるくらいであれば、徹底的に投資信託を分析し、「これだ!」と思える投資信託を1本ないし、2本見つけて、その投資信託を持ち続けたほうが結果は必ずよくなります。
じゃあ、どのようにその1本2本を選べばいいのか?ということになりますが、以下の記事が参考になると思います。
>>6000本から厳選!10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ
これを見ても、何千本とある投資信託の中から、良い投資信託を選ぶのは、至難の業に思うかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
結論を一言で言ってしまえば、投資信託の積立で失敗する人と成功する人の差は、積立投資を我慢強く続けられるかという非常にシンプルな結論に帰結します。
しかし、シンプルではあるものの、なかなかこれを我慢強く続けられないのが投資家です。
今日、紹介した投資信託の積立失敗事例を頭の片隅に置いて、同じ過ちを繰り返さないようにしてください。
あとは、しっかり投資信託の銘柄選びができれば、完璧です。
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点