投資信託のファンドマネージャーと聞くと、運用会社の中でもエリート中のエリートで、自分たちとは違う世界に生きている人というような印象を持っている人も多いかもしれません。
確かに大事なお金を預ける相手だからこそ、そのような人であってほしいという願望もあるのでしょうが、実態はあなたが思っているほど良いものではありません。
今日は、なかなか語られることのないファンドマネージャーの生態について詳しく見ていきたいと思います。
誰でもなれるファンドマネージャーという職業
さて、あなたが尊敬の念を抱いているかもしれないファンドマネージャーですが、「住民票と印鑑証明と身分証明書」を用意して必要な届け出をしてしまえば、実はあっさり登録できてしまいます。
私も初めてこの事実を知った時は衝撃を受けました。
特に訓練を受けるわけでもなく、必要な書類さえ提出してしまえば、ド素人のファンドマネージャーの誕生というわけです。
意外に思われるかもしれませんが、実はファンドマネージャーという職業自体は、身元が証明でき、変な浪費癖がある禁治産者ではないという公文書の提出さえできれば、おそろしいことに誰でもなれてしまうのです。
即本番のファンドマネージャーの世界
昔であれば、どこの銀行も株式運用に対して積極的で、50億円単位で特定金銭信託を何本も設定しており、それを使ってOJTのような実地トレーニングをさせてもらえる機会がありました。
しかし、現在では、そんな余裕もなくなり、諸先輩の管理下において、いきなり顧客資金を持たされるようになっています。
きちんと体系立てて訓練するプログラムがあるわけでもありませんので、すべて自らの手探りで自己研鑽して身に着けるしかありません。
当然、リサーチ力やマーケット分析力においてベテランのファンドマネージャーと比べて、劣りますので、そのような投資信託に投資をしたくないですよね。
しかし、これがファンドマネージャーの実態なのです。
ファンドマネージャーは生易しい職業ではない。
前述のようにファンドマネージャーは簡単になれてしまうのですが、必要とされる能力は並大抵のものではありません。
彼らはリサーチから投資判断まで、それこそ持てる力をフルに発揮して、全知全霊をかけて行っています。
そして自分の必死の努力の成果たるポジションのことは24時間、決して頭から離れることはありません。
そして、そこまで努力をしても、必ずしもマーケットの神様は微笑んではくれません。どんなときにも高笑いをしながら、何度も何度も最初からやり直し、堪える胆力がなければ、ファンドマネージャーは続けられないのです。
このように過酷な環境で働くファンドマネージャーと言えば、高給取りのイメージがあるかと思いますが、それは外資系の運用会社の一部の人間だけです。
実際、ほとんどのファンドマネージャーは普通の総合職と変わらない待遇を受けているのが現状で、運用がうまくいったかどうかで収入が大きく変化するようなことはありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
運用会社側の話はなかなか表に出てこないので新鮮だったのではないでしょうか。
内情を知ることで知りたいなくことが明るみになってしまうこともあります。
しかし、あなたが汗水たらして、働いたお金を投資するわけですから、当然、経験豊富なファンドマネージャーに資産の運用をお願いしたいと思うはずです。
サラリーマン気質が根付いているような国内の運用会社ですと、なかなかファンドマネージャーが顔を出すことはありませんが、ファンドマネージャーを把握することはあなたの投資信託の運用実績に大きく影響を与えるファクターであるという認識はお持ちください。
日本証券アナリスト協会が作っている証券アナリストのような資格ではなく、もっと実践的なファンドマネージャーを育成するための教育プログラムであったり、元ファンドマネージャーの生え抜きが会社トップとなり、運用会社の体制を変えていくようなことを行っていってほしいと切に願います。
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点