THEOに投資する最大のメリットと言えば、資産運用の
プロセスをすべて自動化しているので手間がかからない
という点だと思います。
一方で、THEOに投資をする上で、「いったいどれくらい
の利回り運用できるんだろう?」という疑問を解消せず
して、投資判断はできないと思います。
そこで今日は、THEOに投資をした場合と、様々なイン
デックスファンドを自分で購入した場合に、どちらの
ほうがパフォーマンスが優れているのか徹底比較します。
テオ(THEO)の運用開始来の利回りはどれくらい?
まずは、実際に利益が出ている人が多いのか、Twitterの
意見を見てみましょう。
2018~2020年の株式相場を考えると、もっと大きくプラスに
なっているかと思いましたが、10%弱のプラスの人が目立ち
ました。
また始めるタイミングが悪かったのか未だマイナスの方も
いるようです。
THEOの利回りを比較する上で、非常に厄介となるのが、
231通りもポートフォリオがあることです。
またTHEOはパフォーマンスをあまり公表したくないのか、
ポートフォリオ別のパフォーマンスはHPにこっそり掲載
されているだけです。
2020年12月までの実績に関して | お金のデザイン (money-design.com)
運よく私はポートフォリオ別のパフォーマンスが記載
されている場所を見つけましたので、以下のデータを
もとに比較をしていこうと思います。
THEOの場合は、グロース、インカム、インフレヘッジの
3つのポートフォリオで運用されているという話をした
とおり、運用実績表もこの3つのポートフォリオの
投資配分別で実績を載せています。
ご自身のパフォーマンスを調べたいときは、まずアプリを
開いて自分のポートフォリオがグロース、インカム、
インフレヘッジの比率を確認するようにしてください。
なお、今回、利回りを比較するのは、THEOの中でも一番
リスクの高い運用となっている以下のポートフォリオです。
◆一番リスクの高いポートフォリオ
資産クラス | 比率 |
グロース | 81% |
インカム | 17% |
インフレヘッジ | 2% |
グロース部分は株式で構成されているので、投資比率が
100%株式ファンドと比較するには一番このポートフォリオ
が良いと判断しました。
この一番リスクの高いポートフォリオの運用開始スタート
以来のトータルリターンは31.97%となっており、
年平均利回りは6.62%となっています。
期間 | トータルリターン |
2016/2/16~2020/12/30 | 31.97% |
「約5年間で30%増えればすごいじゃないか!」と思った
人も多いのではないでしょうか。
たしかに、銀行預金をしていた人たちからすると、驚愕の
運用利回りになっていると思います。
しかし、実際にTHEOの運用利回りが優れているのかどうか
というと、他のファンドとパフォーマンスを比較してみる
まではわかりません。
※正直、2016年~2020年は株式相場がかなり好調だった
ので、他のファンドもかなりのパフォーマンスとなって
いるのです。
そこで、今回はTHEOの運用が開始した2016年2月16日~
2020年12月30日の期間でTHEOと色々なインデックス
ファンドのパフォーマンスを比較してみました。
ただ1つ注意点として、THEOのポートフォリオはリスクが
高いとは言っても、株式の投資配分は80%です。
そのため株式100%のインデックスファンドと比較をする
と、当然パフォーマンスで劣ることが予想されます。
ですので、パフォーマンスを比較するときは、株式100%
のインデックスファンドのリターンに0.8掛けして比較する
ようにしてください。
各資産クラスのインデックスファンドとテオ(THEO)の運用利回り比較
それでは、早速、運用実績を比較していきましょう。
利回り比較(eMAXIS全世界株式インデックス)
基準価額 | 騰落率 | THEO騰落率 | |
2020年12月30日 | 32,145 | 74.35% | 31.97% |
2016年2月16日 | 18,436 |
※全世界株式インデックスは先進国約20か国・新興国約25か国の株式で構成された指数
利回り比較(eMAIXS NYダウインデックス)
基準価額 | 騰落率 | THEO騰落率 | |
2020年12月30日 | 23,045 | 83.24% | 31.97% |
2016年2月16日 | 12,576 |
※NYダウインデックスは米国を代表する企業30社の株価をもとに算出された指数
利回り比較(eMAXIS 先進国株式インデックス)
基準価額 | 騰落率 | THEO騰落率 | |
2020年12月30日 | 32,687 | 75.00% | 31.97% |
2016年2月16日 | 18,678 |
※先進国株式インデックスは先進国約20か国の株式で構成される指数
利回り比較(eMAXIS 新興国株式インデックス)
基準価額 | 騰落率 | THEO騰落率 | |
2020年12月30日 | 17,788 | 70.49% | 31.97% |
2016年2月16日 | 10,433 |
※新興国株式インデックスは新興国約25か国の株式で構成される指数
利回り比較(eMAXIS TOPIXインデックス)
基準価額 | 騰落率 | THEO騰落率 | |
2020年12月30日 | 24,493 | 52.74% | 31.97% |
2016年2月16日 | 16,035 |
※TOPIXインデックスは東証一部に上昇する企業の株価をもとに算出された指数
いかがでしょうか?
THEOの運用利回りだけ見ていると、「THEOってすごい!」
と思ってしまいがちですが、
こうしてインデックスファンドとのパフォーマンスを
比較すると、THEOの運用利回りは実はそれほどでも
ないことがわかります。
THEOのポートフォリオは約20%が株式ではないので、
仮にインデックスファンドの騰落率に0.8掛けしたとしても、
インデックスファンドのほうがはるかに高い運用実績と
なっています。
さすがにここまで利回りに差が出るは思っていません
でしたが、少なくとも大きなリターンを狙いたい方の場合、
THEOを選択する理由はないでしょう。
一方で、THEO運用は株、債券、RIET、金に分散投資を
していくのが特徴でもありますので、
日本株、新興国株、先進国株、日本債券、新興国債券、
先進国債券、J-REIT、海外RIETの8つの資産クラスに
分散投資ができるeMAXISバランス(8資産均等型)とも
パフォーマンスを比較してみたいと思います。
eMAXIS バランスは(8資産均等型)は約37.5%が株式、
約37.5%が債券、約25%がRIETですので、グロース37.5%、
インカム37.5%、インフレヘッジ25%の投資配分に一番近い
ポートフォリオを採用します。
◆今回採用したTHEOのポートフォリオ
資産クラス | 比率 |
グロース | 37% |
インカム | 39% |
インフレヘッジ | 24% |
利回り比較(emaxis バランス(8資産均等型))
基準価額 | 騰落率 | THEO騰落率 | |
2020年11月30日 | 21,635 | 33.09% | 17.14% |
2016年1月19日 | 16,255 |
※先進国・新興国・日本の株と債券、日本・海外のRIETの8つに均等分散して運用
結果はeMAXIS バランス(8資産均等型)のほうが、かなり
パフォーマンスが良い結果となりました。
細かく中身まで比較はしていませんが、ここまで差が
つくと、5年間で2倍近くのパフォーマンスの差が
ついてしまっています。
これでは、あまり積極的にTHEOで運用したいとは
思えませんね。
テオ(THEO)の利回りはいいのかどうか問題の結論
検証の結果、全部のポートフォリオを調べたわけでは
ありませんが、THEOの運用利回りは、インデックス
ファンドに投資をするよりも劣る可能性が高いことが
わかりました。
年10%以上、大きく資産を増やしたいという人にはまず
向きませんので、早々に解約して別の投資手段を
検討されるとよいと思います。
年5~6%の利回りで安定して運用したいという人の場合で
あれば、株式型のインデックスファンドに投資をした
ほうが、かなり高い確率でパフォーマンスは良くなります。
年3~4%で手堅く運用したいという人であっても、
8資産均等型のインデックスファンドに投資をしたほうが
高い利回りが期待できるでしょう。
唯一、あるかもしれないと思うのは、年1~2%の利回りで
運用ができれば良い人です。
銀行預金と比べればはるかに高い利回りで運用ができます
ので、投資は全部ロボアドバイザーにお任せしたいという
人にとっては選択肢の1つになってくると思います。
色々書いてきましたが、少なくとも運用がうまく行かずに
大きなマイナスになるようなサービスではないため、
「ロボアドってどんなものなのか経験を積んでおきたい」
という人や「利回りはあまり気にしないから、分散投資
の意味で、ロボアドにも運用してもらっておこう」とい
うような人は、
私と同じように口座開設をして少額で運用してみるのも
よいと思います。