日本の投資信託の七不思議のひとつが、手数料の高さです。
海外の運用会社の人間と話をしても、なぜ日本の投資信託
の手数料がここまで高いのか不思議がられます。

とりわけ販売手数料の高さは驚嘆されます。

近年では、「手数料が高い」という認識が個人投資家の間でも
広がり、手数料だけを基準に手数料が無料のノーロード投信が
いいだのインデックス型の投資信託がいいだの言われています。

しかし、このような論調には根本的な論点が抜け落ちているので、
注意しなければなりません。今日はその点についてお話しします.

投資信託の手数料が安いことにより起こる弊害

運用会社の費用は、人件費とリサーチ費用、それにシステム費用で
ほぼ100%になります。

仮に、信託報酬が減ったときに一番にカットされる費用はどこでしょう?
実はリサーチ費用が一番にカットされます。

それはなぜか。

まず日本のファンドマネージャーの多くはいわゆるサラリーマンです。
ほとんどの人は、成績が良くても悪くても、収入の大きな変動がない
雇用形態になっており、収入が減ったからといって、そう簡単に
リストラができるわけではありません。

つまり人件費を削るのは一番難しいといえます。

システム費用も、例えばデリバティブの勘定系を破棄するとか、
為替の部分は手計算にするなど、かなり非現実的なソリューション
しかなく、削るのは難しいです。

そうすると、必然的に削るのはリサーチ費用となるわけです。

リサーチ費用は大きく2つあり、①情報系端末にかかる費用
②アナリストやファンドマネージャーの出張費用です。

業界が不景気になると、まず最初に解約されるのが、現場では
一番重宝されているBloomberg端末です。

情報内容が豊富で使い勝手もいいので、人気の端末なのですが、
1台約20万円くらいするので、コストカットのやり玉にあがります。

そして、次に減らされるのが出張費用。

地方に本社がある企業への訪問や海外出張などはコストカットの
対象になります。

要するに、まともにリサーチができる費用分の信託報酬をもらわないと、
パフォーマンスを向上させるための活動が制限されてしまうわけです。

実際に本社で社長や役員陣から話を聞くのと財務諸表やその他の
数少ない情報から株価を試算するのでは当然大きな差が生まれます。

さらに、運用環境が思うままにならず、ボーナスも安いとなれば、
当然、優秀なファンドマネージャーであれば、他社にいってしまいます。

結果、何が起こるかと言えば、他では雇ってもらえないレベルの
ファンドマネージャーが残るだけということです。

インデックス運用ならまだしも、アクティブ運用であれば、
これは致命的です。

手数料の安いことにだけ目を向けることがいかにリスクが高いことか
おわかりいただけたかと思います。

投資信託の実質リターンこそが絶対の選定基準

さて、前述のお話をすると、手数料だけ見ていればいいわけ
ではないということはわかっていただけたかと思います。

一方で、じゃあ何を基準に投資信託を選べばよいのかという
質問をよく受けるのも事実。

では、あなたは何を基準に投資信託を選ぶのか、それは、
実質リターンです。

これは、ファンドの収益から購入時手数料と実質コストを
差し引いて計算された額になります。

平均利回りとしては10年の平均リターンを参考にするのが
よいと思います。トラックレコードが10年なければ、5年でも
構いません。

最悪3年程度のトラックレコードがあればよしとしていますが、
1~2年程度の運用実績だけでは、たまたま運用がうまくいった
可能性を排除でいないため、おすすめはしていません。

私のブログでは、実質コストが差し引かれた平均利回りを掲載
していますので、あとは購入時手数料分を差し引けば、計算が
できます。

例えば、5年平均利回りが10.00%で、購入時手数料が3.00%だった
とすると、5年平均の実質リターンは9.4%となります。
※10.00% – (3.00%÷5年)=9.4%

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最近、手数料に妙にこだわる人が増えてきましたので、
このようなブログを書きました。

あなたが投資信託を購入するのは資産を増やしたいからのはずです。
手数料やリスクばかりに目がいってしまっていては、
本質を見落としてしまいます。

ぜひ今日の話を心にとめていただければと思います。