インデックスファンドとアクティブファンドはいったいどちらが優れているのかという議論も、おおかたインデックスファンドのほうが優れているという結論で一致し、近年ではほとんど議論されることがなくなってきました。
ただ、ブロガーにしても、他のニュース記事にしても自分で実際にファンドのパフォーマンスを調べて結論づけたというものはなく、他の人が使っているデータを引用しているだけの場合がほとんどです。
前々から私はこの論調に対して懐疑的だった(ポジショントークなのでは?と思っていた)のですが、たまたま読者の方からも質問があったので実際に自分で調査してみることにしました。
インデックスファンドに勝てたアクティブファンドの本数は?
それではここからが調査結果です。
まず国内株式ファンド全体でインデックスファンドに勝てたアクティブファンドの本数を見てみましょう。
今回は、日経平均に連動するインデックスファンドにパフォーマンスで勝ったアクティブファンドの本数を調べました。
平均利回り | 勝ちファンド/全体 |
3年 | 40.7%(215本/527本) |
5年 | 38.2%(191本/499本) |
10年 | 22.9%(84本/357本) |
※参考:ウエルスアドバイザー(2024年9月時点)
10年平均利回りでは、約80%のアクティブファンドがインデックスファンドに負けているという結果になっていますが、3年、5年平均利回りでは、約40%のアクティブファンドがインデックスファンドに勝っているので、比較的健闘しています。
では、続いて、先進国株式の場合を見ていきます。
今回は、先進国株式ファンド全体のうち、MSCI KOKUSAIに連動するインデックスファンドに勝てたアクティブファンドの本数を調べました。(為替ヘッジあり/なし両方含んでいます。)
平均利回り | 勝ちファンド/全体 |
3年 | 9.6%(42本/434本) |
5年 | 2.8%(10本/345本) |
10年 | 3.7%(6本/161本) |
※参考:ウエルスアドバイザー(2024年9月時点)
先進国株式のインデックスファンドがここまで上位にランクインしてくるとはさすがに思っていませんでしたが、直近10年だと為替が円安に振れていることもあり、為替ヘッジをしているアクティブファンドのパフォーマンスが軒並み悪くなっていることも要因の1つです。

では、最後に、米国株式の場合を見ていきます。
今回は、米国株式ファンド全体のうち、S&P500に連動するインデックスファンドに勝てたアクティブファンドの本数を調べました。(為替ヘッジあり/なし両方含んでいます。)
平均利回り | 勝ちファンド/全体 |
3年 | 8.3%(25本/298本) |
5年 | 8.4%(19本/226本) |
10年 | 12.7%(13本/102本) |
※参考:ウエルスアドバイザー(2024年9月時点)
こちらもどの期間においてもS&P500に連動するインデックスファンドは上位10%程度に入っています。米国株式ファンドも為替の影響によるところもありますが、それにしても、凄い結果です。

まとめ
アセットクラスにより差はあるものの、概ね一般的に言われているようにインデックスファンドのほうがパフォーマンスで優れているというのは間違いないという結果になりました。
特に、先進国株式や米国株式に投資をする場合は、インデックスファンドのパフォーマンスがかなり上位に食い込んでいるので、下手にAIやロボット、SDGSなどのテーマ型のファンドに投資をするより、確実に利益を狙っていけます。
「銘柄選びにこだわりたい」という人以外は、無難にインデックスファンドを選択するようにしてください。
