投資信託の運用の相談にのっていると、よく「投資信託の積立日っていつにするのがおすすめなんですか?」という質問を受けます。
購入時に「積立日」を設定しないといけないので、気になると言えば、気になる点です。
今日は投資信託の積立日をいつにするのがおすすめなのか、投資家の心理を考慮しながら、少し変わった切り口で書いていきます。
過去のデータを持ち出して投資信託のおすすめの積立日を紹介している人は相場をわかっていない
積立日の話になると、過去の統計データをわざわざ持ち出して、1日ごとの基準価額の変動を例に出し、「11日に買ったほうがいい」とか、「16日に買ったほうがいい」と書いてる人がいます。
しかし、そもそも過去の統計データは過去のものであり、この先の未来も同じ値動きをするという保証には全くなりません。
法則性を見つけ出して少しでも得をしたいという気持ちもわかるのですが、もしそんな法則があるのなら、すでに世の中に知れ渡っていますよね。
なので、過去のデータをもとに「積立日のおすすめはいつだ」なんて言っている人は相場が何によって動くかを知らないのでしょう。
あなたはなぜ投資信託の基準価額が上がったり、下がったりすると思いますか?
投資信託の基準価額が上がったり下がったりするのは、その投資信託が投資している株式や債券が今後値上がりするだろうと思う人が増え、高くても買いたいという人が増えれば、株価が上がり、投資信託の基準価額が上がります。
逆に、今後、株価が下がるだろうと思う人が増え、安くてもいいから売りたいという人が増えると、株価が下がり、投資信託の基準価額も下がっていきます。
つまり、投資信託に組入られている銘柄を買いたいという人が増えれば基準価額が上がり、銘柄を売りたいという人がいれば、基準価額は下がるということです。
ここから導くと、多くの投資家が銘柄を買おうとする日=株価が上がりやすい=基準価額も上がりやすいので、その前に積立日を設定することで、有利に積立を行うことができるというわけです。
ただし、積立投資の設定金額というのは、機関投資家が、日々売買している大きな金額と比較すると、微々たるものなので、どれだけインパクトがあるかというと、ほんのわずかしかありません。
あえて投資信託の積立日でおすすめの日をあげるとするならば・・
以上のことから、正直、私は積立日については、いつに設定したとしても、ほぼ変わらないと思っています。
ただ、あいまいなまま終わっても、消化不良だと思いますので、私が投資信託の積立日をいつに設定しているのかをここで発表しておきます。
私は投資信託の積立日を23日に設定しています。
これは、以下、2つの理由から。
まず大半の人は投資信託の積立日についてそこまで意識していません。
そうすると、投資信託購入時を思い出していただくとよくわかりますが、積立日の設定はデフォルトの設定は「1日」に設定されています。
なので、大半の人は積立日を「1日」のままにしています。
つまり、「1日」は投資信託の積立をしている人が該当の投資信託を購入するため、基準価額が他の日より上がりやすいことになります。
もう1点は、多くのブログで給料日の数日後に積立日を設定するのがおすすめといったことを書いています。
たしかに積立金が不足していては話になりませんから、もっともな話です。
ここから言えるのは、給料日は25日や月末の企業が多いので、そこから数日後に積立日を設定している人が多いということです。
すると、26~29日くらいの間に積立日を設定している人が多いと考えられ、このあたりの日付も投資信託の購入者が多いため、基準価額が他の日より上がりやすくなると考えます。
この2点の理由から26~4日あたりを、投資信託の積立日に設定している人が多いと私は考えていますので、この数日前に買うのが一番おすすめだと思っています。
最終的に安く購入できているのか検証はしていませんが、ある程度この仮説は説得力があると思います。
おすすめの積立日について考えるのが面倒であれば、毎日積立がおすすめ
ここまでは投資信託を毎月積立する場合におすすめの積立日がいつかという議論をしてきましたが、近年SBI証券や楽天証券では毎日積立という設定ができるようになりました。
ですので、考えるのもわずらわしいと言う方は毎日積立に設定すれば究極の時間分散を実現できます。
積立日よりもはるかに大事なこと
投資初心者の方であれば、あるほど積立日が気になると思いますが、投信運用のパフォーマンスを最大化するためには、はるかに重要なことがあります。
あまり細かいことにこだわらずに、投信運用のパフォーマンスを高めるという本来の目的にフォーカスを当ててみてください。
まとめ
つらつらと書きましたが、あくまでもこれは「あえて投資信託の積立日のおすすめ日を言うなら」の話です。
ただ、投資をしていく上で、重要な考え方ですが、自分が「この投資信託をいつ買うのがいいか」という視点ではなく、自分以外の人が「この投資信託をいつ買うか」という視点を常に持つことで、相場が上昇・下落する前に波にのれるようになってきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点