新興国はハイリスク・ハイリターンの投資先として多くの投資家から
注目を集めています。新興国株式ファンドもすでに色々と出ていますが、
アセットマネジメントOneから、最近また新しいファンドが出ました。

果たして、どのようなファンドなのでしょうか?今日は、私が独自の目線で
分析していきたいと思います。

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、新興国の株式または事業活動の主要な部分を新興国で
行う企業です。

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』での
ハイクオリティ企業というのは、持続可能な競争優位性を持ち、高成長が
期待できる割安企業のことを指します。

地域別で見てみると、中国が約40%、次いでインド、アメリカと
なっています。

なぜアメリカが?と疑問に思ってしまいますが、これは他に有望な
銘柄がなかったため一時的に組入ているのではないかと思います。


※引用:マンスリーレポート

現在、組み入れ銘柄は34銘柄となっており、1位のHDFC BANKはインドの
民間銀行最大手。

2位のTAL EDUCATION は数学等の理系を中心とした教育サービスを
中国の主要都市で展開する企業です。

3位のNAVERは、韓国のポータルサイト運営会社で、日本ではLINEを
通じてモバイル・ソーシャル・ネットワークを運営しています。


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

実際の運用はモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが
行います。

モルガン・スタンレー・インベストメントは1975年に設立され、
世界20か国で、株式・債券等の伝統的資産運用を世界の投資家に
提供しています。

純資産総額は?

続いて、未来の世界(新興国)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと
思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の
現在の純資産総額は約2300億円です。設定以来、急速に純資産を
伸ばしていましたが、2018年以降は基準価額の下落が続き、停滞
しています。

純資産総額の規模は問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の
実質コストは2.073%とかなり割高になっています。

購入時手数料と併せて初年度は5%取られますので、コストは高すぎますね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.836%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.073%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2018年12月14日)

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の評価分析

基準価格をどう見る?

未来の世界(新興国)の現在の基準価額は9500円程度です。

2018年の後半に大きく下げており、2019年に入って戻してきては
いますが、まだ高値を更新するには時間がかかりそうです。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

未来の世界(新興国)の直近1年間の利回りは▲15.32%です。
新興国株式なので、リスクは大きくなりがちですが、10%超の下落は
痛いですね。

ただ、同カテゴリー内では、平均的な水準でおさまっていることが
わかります。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲15.32% 54%
3年
5年
10年

※2019年2月時点

標準偏差は?

未来の世界(新興国)の基準価額の変動が大きいかを調べるには標準偏差を
確認しましょう。

先進国株式の代表的な指数であるMSCI コクサイと連動するインデックス
ファンドで16~17程度。国内の小型株式ファンドで20~22程度ですので
変動はかなり大きいと思っておいたほうがよいでしょう。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 21.21 93%
3年
5年
10年

※2019年2月時点

年別のパフォーマンスは?

ニッポン中小型株ファンドの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

2018年だけは20%超のマイナスとなっていますが、2014~2017年は
毎年10%以上のリターンを安定的に出していました。

年間利回り
2018年 ▲17.30%
2017年
2016年
2015年
2014年

※2019年2月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

未来の世界(新興国)への投資を検討するのであれば、低コストで
運用ができるインデックスファンドよりもパフォーマンスが良い
ことは最低条件です。

今回は、新興国株式の代表的な指数であるMSCI エマージング・
マーケット・インデックスに連動するeMAXIS Slim 新興国株式
インデックスと比較しました。

結果はわずかではありますが、未来の世界(新興国)のほうが勝って
いるようです。運用期間が短いので、もう少し長期間で比較をしたい
ところではありますが、この程度の差しかないのであれば、インデックス
ファンドでも十分です。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

未来の世界(新興国)に投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここで未来の世界(新興国)の最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は3カ月間で▲19.08%となっています。運用期間が短い
ので、今後もっと大きな下落をする可能性はありますが、新興国株式
ファンドに投資するのであれば、最低でもこの程度は下落することが
あると心に刻んでおきましょう。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.80%
3カ月 ▲19.08%
6カ月 ▲16.90%
12カ月 ▲17.30%

※2019年2月時点

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判がいいということです。

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』は
2017年12月に設定されたタイミングで資金が大きく流入しましたが、
それ以降パフォーマンスが優れないため、資金の流入量が5分の1程度に
なっています。

つまり2017年12月時点ではかなり期待されて多くの投資家が投資を
しましたが、その後の実績が伴っていないため、人気に陰りが見えて
いるということになります。


※引用:モーニングスター

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の今後の見通し

アクティブファンド全体に言えることですが、このファンドの運用チームが
どの程度能力があるかを見極めるのは非常に重要なことです。

テーマ型ファンドの場合は、そのテーマが今後伸びるかどうかを優先的に
考えるべきですが、特にテーマがなく、新興国全体の経済成長に期待して
投資をするような場合は、特に銘柄の選定が肝となります。

ちなみに過去10年の運用実績を見ると、新興国型のアクティブファンドで
10年平均利回りがプラスなのは、半分ほどしかありません。

つまり、何の根拠もなく購入すると50%の確率で、マイナスになってしまう
可能性があるわけです。

そのため、1年、2年は運用がうまくいくかまず運用チームの運用能力を
確認する必要があります。

「未来の世界」では、運用がうまく行っていますが、新興国でうまく行くか
どうかは別問題です。

未知のものに高いコストをかけるのはばからしいので、新興国の
アクティブファンドに投資をしたいのであれば、すでに長期で運用実績が
でているファンドのほうが安心です。

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