よく投資の相談にのっていると、「まだ勉強中なので・・・」「まだ投資資金が少ないので・・・」という方がいます。
厳しい言い方をすれば、判断をしないことで、リスクを先延ばしにしているだけなのですが、こういう人達は相当大きな機会損失をしていることに気が付いていません。

今回は、積立投資を例にあげながら、投資を始めるタイミングが3年遅れたとしたら、どれくらいの機会損失になるのか数値で計算してみます。
3年遅く投資を始めた場合のシミュレーション
まず、あなたが今投資を始めずに3年先延ばしにした場合、あなたが運用できる期間が3年も短くなることを意味します。
例えば、次のような条件で積立投資を始めたとします。
投資条件
- 年齢:40歳
- 運用期間:25年
- 投資対象:全世界株式ファンド
- 運用利回り:年5%
そうすると、下の表のように、25年間の積立金額が1500万円に対して、25年後の利益も含めた資産総額は2941万円になります。
積立額 | 積立期間 | 積立総額 | 資産総額 |
5万円/月 | 25年(300カ月) | 1,500万円 | 2,941万円 |
つまり25年間、5万円を積立つづけると、積み立て総額1,500万円に対して、資産総額が2,941万円なので、1441万円の利益が出ることになります。
では、あなたが3年遅れの43歳から65歳まで運用した場合どうなるのか見てみましょう。
積立額 | 積立期間 | 積立総額 | 資産総額 |
5万円/月 | 22年(264カ月) | 1,320万円 | 2,373万円 |
22年間、5万円を積立つづけると、積立総額1,320万円に対して、資産総額2,373万円なので、利益は1053万円になってしまいました。
なんと、3年遅れて積み立てを始めると、約400万円も利益が減るということです。
この数値だけを見ても、早く行動に移さない手はないことがわかります。
65歳以降の運用の影響
さらに65歳以降は、積立を停止し、貯まった資産を元本として、リスクを抑えて債券中心の運用に切り替えて、男性の平均寿命の81歳まで、年2%程度で運用を続けたとします。
25年間の積立総額 | 65歳時での資産総額 | 81歳時点での資産総額 | 最終利益 |
1500万円 | 2,941万円 | 4,037万円 | 2,537万円 |
1320万円 | 2,373万円 | 3,257万円 | 1,937万円 |
81歳まで手堅く運用を続けたとすると、なんと600万円も差がつくのです。
3年間遅く始めたときのインパクトの大きさがわかったでしょうか?
もし、これが5年10年と始める時期が変わってこれば、その分だけあなたは投資で本来得ることが可能だった利益をみすみす逃すことになります。
今回は、積立投資の例を出しましたが、株式、不動産、債券、事業投資、FXどれをとっても同じことが言えます。

あなたの周りで、「もっと遅く投資を始めればよかった!」と言っている人はいますか?
少なくとも僕の周りには、「もっと早く投資を始めればよかった!」と後悔している人しか見たことがありません。
今日の話は、「頭ではわかるけれども、なかなか行動に移せない」という人も多いと思います。
ただ、今日検証したように、あなたのスタートが遅れれば遅れるほど、早く行動を始めた人に差をつけられていることを忘れないでください。