あなたは投資で「無の境地」と聞いて、イメージが湧く
でしょうか?
無の境地というのは、目の前に困難が立ちはだかっても
パニックに陥ることなく、平常心を保つことができる状態
を指します。
よくプロスポーツ選手が無の境地に意図的に入ることで、
緊張するような場面でもいつも通りの高いパフォーマンス
を実現していたりします。
投資とスポーツは違うと言う人もいるかもしれませんが、
私は投資もメンタルの影響を強く受けると考えており、
投資にも無の境地が存在すると考えています。
投資行動で言う無の境地とは、相場が大きく急落しても、
自分が保有している投資信託の値動きはあまり気になら
ないとか、保有している株式の株価を毎日チェックは
しないなどです。
自分の投資行動を思い出してみてほしいのですが、相場が
大きく急落したときに、慌ててしまい、いつもと違う行動
を取ってしまったことはないでしょうか?
例えば、インターネットで今後相場が上がるか下がるか
予測をする記事を必要以上に読んだり、慌てて売却して
しまったり、他の投資家のコメントを読んで一喜一憂し
たりなどです。
このような状況に陥った投資家はまず間違いなく平常時と
同じ投資判断はできません。
焦って損切りをしたり、強気でホールドを続けたりして
しまいます。
つまり、何か特定の状況に追い込まれると、普通の人は
平常心を保てなくなり、適切な対処ができなくなるという
点でスポーツと類似しています。
だからこそ、どのような相場の状況におちいったとしても、
平常心を保ち、適切な行動がとれる精神状態でいられること
は、投資においても非常に重要です。
投資のメンタルコントロールという話はあまり今まで聞いた
ことがなかったかもしれませんが、多くの著名な投資家が
メンタルコントロールの重要性を本で述べており、
資産運用で今後、成果を出していきたいのであれば、間違い
なく身に付けなければいけないスキルの1つでしょう。
無の境地に至るには
では、どうすれば、投資で無の境地に達することができる
のでしょうか。
私は大きく2つの方法があると思っています。
1つ目はリスク許容度を調整することです。
大きく相場が下落したとき、あなたが精神的な不安を
感じたことがあるのであれば、それは、あなたのリスク
許容度に対して、運用資産額が大きすぎることを意味
しています。
ですので、運用資産額を半分にするとか、3分の1にする
とか、投資する金額を減らすことで、大きな暴落相場が
来ても、安心して構えていられる状況を作ることができます。
リスク許容度は投資の経験を積めば積むほど、大きく
なっていきますので、初めは少額の投資でも全く問題
ありません。
2つ目は投資の知識を増やすことです。
なぜ知識をつけると、無の境地に至るのか。
例えば、あなたは目隠しをされて、何も見えないとします。
その状態で
A:自宅から最寄りのコンビニまで向かう
B:見知らぬ場所から最寄りのコンビニまで向かう
という選択肢があった場合、どちらのほうが目的地に
たどり着けそうでしょうか?
Bは今自分がどこにいるかもわかりませんので、コンビニに
向かうにもあてずっぽうで進むしかありません。
向かう途中で溝にはまったり、物にぶつかったりすると、
不安で仕方なくなります。
一方でAであれば、もちろん怖いのは変わりませんが、
何となく進むべき方向がわかりますし、仮に溝にはまっ
ても、どのあたりに溝がつづいているのかわかるので、
Bの人よりは、不安なくコンビニに向かうことができます。
何がここで言いたいのかで言うと、たいていの人は投資の
知識がないまま、ただ投資をはじめていますので、ある
意味、暗闇の中を方向もわからず突き進んでいるのと
変わりません。
途中で、相場の大暴落のような大きな溝にはまると、恐怖が
増して動けなくなります。
一方で、投資の知識は、正しい方向に進むため、正しい判断
をするためのマイルストーンになります。
知識を身に付けることは、どこに溝があって、どこに電柱が
あって、どこに道があるのかを知るのと同じことであり、
知識が増えれば増えるほど、暗闇の中でも、安心して進める
ようになるはずです。
投資も知識を増やすことで、どういうことをやってしまうと
大損する可能性があるのかわかるようになりますので、大き
な暴落相場が来たとしても、冷静に対処ができるようになり
ます。
ぜひ自分の投資行動を振り返って、無の境地にはいって、
投資判断ができていたか振り返ってみてください。
そして、普段と違う行動をとってしまったことがあるなと
思い当たる節がある人は、リスク許容度を調整すること、
投資の知識を増やしていってください。