世界三大投資家の一人であるジョージ・ソロスをご存知
でしょうか?
イングランド銀行をつぶした男と言われており、ヨーロッパ
諸国で共通の通貨であるユーロが導入された際に、イギリス
がポンドを使い続けることになる理由を作った人物です。
2020年時点の純資産は8300億円で、世界的に成功した
投資家として有名です。
ジョージ・ソロスのような偉大な投資家の発言や考えは、
現在でも参考になることが多く、私も彼の発言を参考に
させてもらっています。
今日は、その中でも、私達の常識を覆すような興味深い
発言を紹介したいと思います。
良い投資は退屈?
ジョージ・ソロスの名言の一つに
『もし投資が楽しいもので、あなたも楽しんでいるよう
なら、おそらくあなたはお金を稼げていないだろう。
良い投資とは退屈なものだ。』
というものがあります。
イングランド銀行をつぶした男にしては、ずいぶんと淡々
とした言葉だと感じませんか?
私もジョージ・ソロスのこの名言を知るまでは、あまり
考えたこともありませんでしたが、ここには投資の真実
が2つ隠されていると思います。
まず、1つ目の真実は、最終的にパフォーマンスが高くなる
投資というのは、1年で2倍3倍になるようなワクワクする
ような投資ではなく、
年間数%~良くて10%台のリターンを安定的に積み上げら
れる投資だということです。
実際に、ジョージ・ソロスがなぜ巨額の資産を築き上げる
ことができたかと言えば、割安株を購入し、ただ長期保有
をするという方法でした。
ソロスの実績を知らなければ、「そんな当たり前のこと誰
でも知っている」と一蹴されてしまいそうな、シンプルで
退屈な方法です。
どうしても投資というと、頻繁に買って売ってを繰り返すと
一番リターンが大きくなりそうな気がしてしまいますが、
実際は長期でただただ保有を続けたほうが良い結果が出るのです。
毎日毎日せかせかとポジションを入れ替えるような投資では
なく、やることがなくて退屈だと思えるくらいの気持ちで投資
をしているほうが、実は正しい投資行動であると言えます。
この退屈な投資は、決してジョージ・ソロスだけが成果を
出している方法ではありません。
世界三大投資家であるジム・ロジャーズやウォーレン・
バフェットも、どうやって莫大な財産を築いたのかと言えば、
株式をただただ長期保有していただけでした。
かなり高いリターンが期待できる投資の話を聞いて、どう
しても投資をしたいと思ったときは、改めてソロスの言葉
を思い出してほしいと思います。
2つ目の真実は、絶好の買い場というのは、毎日訪れる
ようなものではなく、年に数回しか訪れないということ
です。
さきほども例にあげましたが、投資というとどうしても、
頻繁に売買をしたほうが利益が出る気がします。
しかし、実際はここぞというタイミングまではひたすら
我慢をして待ち続け、待ちに待ったタイミングが来て
はじめて投資をしていく方法が利益が最大化します。
そのため、なかなか投資をするタイミングが来ないので、
退屈をしてしまうというわけですが、この我慢代として、
大きなリターンを得ることができるのです。
楽しい投資はしてはいけないのか
では、楽しい投資はしてはいけないのでしょうか?
私個人の意見としては、投資は自己責任ですので、楽しい
投資も悪くないと思っています。
ただ、過去の自分の投資を振り返ってみると、私がワクワク
しながら投資をしたときは、最終的にうまくいかないことが
ほとんどでした。
野球グッズの製造委託案件や海外セレブのチャリティ・ウォ
ーター製造委託案件、海外アーティストの版権ビジネスなど、
普通に生活していたら、まず話が入ってこないような投資
案件だったので、当時の私はワクワクしっぱなしだったと
言っても過言ではありません。ただ、その結果は散々でした。
それ以外にも、私は年間かなりの数の投資の話を聞いてい
ますが、話を聞いたときに、目新しくて面白そうだとか凄く
儲かりそうだと心が揺さぶられるような案件は
結局、最後には何かしらの問題が勃発し、たいして利益が
出ないどころか、マイナスで終わってしまうことのほうが
多いです。
デイトレードなども一応は投資の分野に入ってはいますが、
デイトレードは実質的にギャンブルのようなものです。
私の認識では、パチンコやパチスロとあまり変わらない
部類だと思っています。
楽しい投資に挑戦することを私は否定するつもりはありません
が、少なくとも退屈な投資で資産を手堅く増やす土台ができて
からにするのがおすすめです。
そうすれば、万が一その投資がうまくいかなかったとしても、
土台となる資産は退屈な投資で着実に増やしていますので、
大きなダメージにはなりません。
まずは、絶好の買い場が来るまでは我慢をし、買った後は退屈
になるくらい長期保有を続けることが、王道の成功パターンです。
ジョージ・ソロスの言葉にある通り、「少しやることがなくて
退屈だ」と思えるくらいの余裕をもった投資ができるようになり
たいものですね。