投資基礎力UP

心に刻むべき、投資で結果を出すための10か条

投資でもビジネスでもスポーツでも何でもそうですが、
ある特定の分野で、すでに成果を出している人の名言や
助言というのは、成果を出す上で非常に役立ちます。

私も投資で成果をあげるために、世界の偉大な投資家の
著書を読み、彼らの格言や名言を自分の投資戦略に取り
入れたり、

すでにアーリーリタイアしている先輩方のアドバイスを
参考にしてきました。

今も昔も参考にしている名言・助言はいくつもありますが、
その中でも、私がいつも心がけている投資の10か条を紹介
したいと思います。

①まずは生き残れ

投資の世界には、毎年多くの人が足を踏み入れますが、
毎年多くの人が退場する世界でもあります。

投資というのは一種の麻薬のような性質があり、特に
投資経験が浅い人ほど、「早くセミリタイアしたい」
「月100万円の不労所得が欲しい」「1億円の資産を
すぐに作りたい」と、

とにかく「儲けたい儲けたい」という思いが先走ります。

その結果、この投資をすれば、どれくらい儲かりそうか
という点ばかりに目がいってしまい、その投資が失敗
するリスクを過小評価する傾向にあります。

リスクをしっかり考えずに投資をする人は必ずと言って
いいほど大失敗をして、市場から退場していきます。

そして、0から再スタートするというのは本当に大変です。

資産が1000万円ある人が年間で10万円のリターンを得る
ためには、年利1%で運用ができれば良いですが、

資産を失い、10万円しか手元にない人が10万円のリターン
を得るには年利100%で運用しなければいけません。

生き残ることをまず優先して考えれるようになると、「こ
の投資はどこで失敗するリスクがあるだろうか」と考える
ようになります。

そうすると、今まで見過ごしていたリスクにも気づける
ようになり、無駄に高いリスクをとって投資をすること
もなくなります。

「まずは生き残れ」ぜひ覚えておいてください。

②少額からはじめよ

投資を始めると、どうしても「もっと儲けたい。もっと
儲けたい」という欲張り心が出てきます。

そうすると、ほとんど経験がないにも関わらず、いきなり
大金を投資して、大失敗することになります。

私のところに相談に来た方は、投資経験がないにも関わ
らず、いきなり3000万円もの資金を投資して、投資詐欺に
遭い、1円も戻ってこないという悲惨な事件に巻き込まれた
ことがあります。

投資も、スポーツや語学と同じように経験を積めば積む
ほど、成果が出てきますが、初心者がいきなり大きな成果
を出せるほど甘い世界ではありません。

ですので、まずは少額で初めて経験を積み、経験値が貯ま
ってきたら、徐々に投資金額を増やしていくほうが実は投資
で成果を出すためには近道です。

③勝ちもあれば負けもある

自分が汗水垂らして稼いだお金を絶対に失いたくないと
考えている人がいます。

しかし、残念ながら、100%勝ち続けられる投資というの
は存在しません。

もし、そのような商品が存在しているとすれば、世界中の
投資家がこぞって投資をするでしょう。

ここで問題になってくるのは、絶対に負けたくないという
思いが強すぎることです。

そうすると、含み損を抱えた時に、気持ちを割り切って
損切りすることができず、

「もうすぐ上昇するに違いにない」「いつかかならず上昇
するはず」と考え続けて、結局塩漬けにするしかなくなり
ます。

もしくは、損失を抱えることが嫌なので、わずかにマイ
ナスになっただけですぐに売却してしまう人もいます。

思い当たる節がある人もいるのではないでしょうか。

そんな時はメジャーリーガーのイチロー選手を思い浮か
べてください。

世界的な名プレーヤーのイチローでさえ、3回に1回しか
ヒットを打てません。

つまり3回に2回は失敗をしているといいうことです。

それでも世界から偉大なプレーヤーとして賞賛されるのです。

どんな世界でも負けること、失敗することは必ずあります。

ですので、負けないことを前提にする投資というのは、
根本的にあり得ないと考えてください。

大事なのは、負けや失敗をそのままにせずに、なぜ負けた
のか失敗したのかを分析することです。

それが、大きな勝ちへと繋がります。

勝ちにこだわりすぎず、負けても最終的に勝てばよいという
くらいの余裕をもって投資をしたほうが必ずうまくいきます。

④自分のリスク許容度を把握せよ

一度、大きな暴落相場を経験したことがある人はわかる
と思いますが、保有しているポジションが大きな含み損
を抱えると、毎日相場の動向が気になって仕方なくなり
ます。

そうすると、仕事中にも相場を頻繁に確認したり、家に
帰ってイライラしてしまったり、友人と飲みにいって
いてもあまり楽しめなかったりと私生活に影響が出て
きます。

このような状態になっていると、正常な投資判断ができる
状態ではありません。

何が問題かと言えば、自分のリスク許容度(受け入れら
れる損失額)をもとに投資をしていないということです。

結局、このような状況に陥った人がなぜ精神的に不安定に
なるかと言えば、自分の資産がどこまで減るかわからない
という恐怖があるからです。

下落相場が続いて、もし資産が30%減ったらどうしよう
とか50%減ったら500万円の損失だなど悪いことばかりを
想像してしまうのです。

だからこそ、投資をする前に自分のリスク許容度を把握し、
その許容度に収まる投資をすることを心がけてください。

例えば、自分が1年間で30万円程度の損失でないと、精神的
に辛いという人がいたとします。

投資信託で言えば、100万円投資をしようとしていたとする
と、標準偏差が15の商品であれば、1年間の最大損失はほぼ
間違いなく30%以内に収まります。

そうすると、最悪のケースでも30万円程度の損失ですむこと
になります。

一方で、標準偏差が30の商品であれば、一番最悪のケース
だと60%程度下落する可能性があります。

この場合、最悪60万円近く損をする可能性があるので、
この商品はリスクに見合っていないと判断ができます。

ただし、投資金額を50万円にすれば、標準偏差が30の商品
だったとしても、一番最悪のケースで30万円程度の損失で
済むようになります。

このように、自分のリスク許容度(最大損失額)を決め、
その後、商品のリスクの大きさ(標準偏差)に合わせて、

投資金額を調整していくと、最大損失額を超える損失を
出す可能性が限りなく低くなります。

そして、元々自分が覚悟している損失額なので、仮に相場
が下落していったとしても、冷静にマーケットと向き合う
ことができるのです。

⑤相場を予測できると思うな

投資で利益を出すには、安く買って高く売ることです。

非常にシンプルなルールではあるのですが、本質を忘れ
てしまう人が多々います。

多くの人は、分析をすればするほど、今後の株価を予測
できるものだと信じています。

そのため、株価が上昇していきそうなタイミングを、
ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析といった方法
を駆使して分析し、相場を予測できるような手法を開発
しています。

ただ、残念ながら、相場を予測するというのは、至難の技
です。

まず、相場に参加しているプレーヤーの数を見てみましょう。

まず、国内、海外という2つに区分ができます。

そして、銀行、証券会社、保険会社、運用会社、機関投
資家、年金基金、ヘッジファンド、個人投資家、仕手筋、
中央銀行といったプレーヤーがそれぞれの思惑を持って、
相場に参加しています。

そして、彼らは単純に売り買いをしているわけではあり
ません。

信用取引を活用してレバレッジをかけて取引したり、デリ
バティブを活用した特殊なポジションの持ち方をしている
投資家もいます。

市場の方向性を正確に予測するということは、このプレー
ヤーたち全ての思惑とポジションがわからなければ、正確
な予測はできないと言えます。

そう考えると、いかに短期の予測が難しいかというのが
わかったのではないでしょうか。

残念ながらあなたの予測は、予測している気にはなった
としても、精度のかなり低い予測でしかありません。

重要なのは、相場を予測することではなく、割安な投資
対象を見つけて、購入するということです。

割安な銘柄を購入することができれば、すぐには上昇しな
いかもしれませんが、中長期的には価格が上昇していきます。

あなたが投資判断をする基準は、今後上昇しそうか下落し
そうかではなく、割安か割安でないかを判断基準にすべき
です。

そうすると、高値づかみをしてしまう心配がなくなり、
相場が下落してきた割安なタイミングでエントリーを
することができるようになります。

相場は予測できないものだと心に刻んでおいてください。

⑥銘柄よりもメンタル

大抵の投資家はどの銘柄を選べば良いか、どの投資商品を
購入するべきかに注力しています。

しかし、投資の場数を踏めば踏むほど、銘柄以上にメン
タル(平常心で冷静な投資判断ができること)の方が重
要であることに気づきます。

例えば、あなたと世界3大投資家であるジム・ロジャーズ
が同じタイミングで同じ銘柄を購入したとしましょう。

さて、あなたとジム・ロジャーズは同じだけの利益を得る
ことができるでしょうか?

答えは「いいえ」です。

重要なのは、同じ銘柄を購入したとしても、売却するタイ
ミング次第で、利益は大きく変わるということです。

行動経済学の研究結果から、人間は生まれつき、損失をと
にかく嫌うことがわかっています。

そのため、少し利益が出たタイミングで、市場が下落をし
始めると、損失を抱えるのが嫌になり、慌てて保有してい
た銘柄をすぐ売却してしまう人が多いのです。

しかし、その人間の特性を理解している人たちは、売却を
せずに保有を続けます。

その結果、超過収益を得ることができ、最終的には同じ
銘柄を同じタイミングで買ったにも関わらず大きな差と
なってしまうのです。

このように、いくら良い銘柄を選んでも、平常心で冷静に
投資判断ができるメンタルが養われていなければ、利益を
伸ばすことはできません。

逆に平常心で冷静に投資判断ができるメンタルがあれば、
銘柄選定はそこそこだったとしてもしっかりと利益を伸ば
すことはできます。

なので、あなたが優先して身に付けるべきは、いかに平常
心で投資ができるかということです。

⑦リスク(損失)は自分でコントロールせよ

多くの人が、自分は投資について詳しくないから、運用
はプロにお任せしたいと思っています。

しかし、投資で成功も失敗も繰り返すうちに、だんだん
運用を他人に任せることが怖くなってきます。

投資信託を例に出すと非常にわかりやすいのですが、
ファンドマネジャーはファンドの運用で成果を出すために
一生懸命頑張ってくれます。

しかし、成果に対して何らコミットしていませんので、
仮に大きなマイナスを出したとしても、ファンドマネジ
ャーが責任を追求されて辞めさせられるようなことは
ありません。

実際に投資をしたことがある人で、下落相場を経験した
ことがある人であればわかると思いますが、実質的には
「もうこれ以上下がるな」「幾ら何でも下げすぎだ」

「もうそろそろ反発するに違いない」と上昇し始める
ことを神頼みすることしかできないのです。

自分の大切な資金がこのように丁半博打のような状態に
なっていては、適切に資産運用ができているとは言えま
せん。

もっと自分で損失をコントロールできるようにしておか
なければ、投資をしていてもいつも不安になりますし、
安定した運用の実現は難しいと思った方が良いでしょう。

リスク(損失)をコントロールするということがどういう
ことなのかもう少しわかりやすく説明します。

例えば、株式の運用でも、何のルールもなく、何となく
割安だから買ってみたですとか、企業業績が思ったより
も好調だからとりあえず買ってみたといった場合は
リスクをコントロールができていない投資です。

一方、割安だったので購入し、20%上昇したら利益確定、
10%下げたら損切りといったようにマイルールを決めて
投資をできている場合は、コントロールができていると
言えます。

他にも不動産投資であれば、賃貸人の募集や部屋のクリー
ニング、家賃設定、販売図面の作成など、全て不動産業者
にお任せしている場合は、自分でリスクをコントロール
できているとは言えません。

一方で、上述した内容を自分で決めて不動産投資をして
いる場合は、自分でリスクをコントロールできていると
言えます。

このように自分でリスク(損失)をコントロールできる投資
が増えると、想定外のリスク(損失)というのがどんどん
減っていきます。

予期せぬ損失が少ないということは、冷静に投資判断が
できますので安心感がありますし、間違った投資判断を
するリスクも下がりますので、利益の取りこぼしも防ぐ
ことができます。

初めはプロに頼ってもよいと思いますが、少しずつ自分
でリスク(損失)をコントロールできる投資を増やしていく
と、安心・安全・安定の資産運用の実現ができると思います。

⑧目標をもって運用せよ

あなたは資産やキャッシュフローの目標を持って、運用
をしているでしょうか?

何の目標も持って投資をしていない人は、今の自分が取る
べきリスクを取っているのか、不必要に高いリスクを取っ
ていないか判断がつきません。

もしあなたが具体的な目標を持って投資をする場合、どう
いったメリットがあるのか具体例を交えて紹介します。

あなたが現在40歳だとして、60歳までに月20万円(年間
240万円)のキャッシュフローが安定して入ってくる状態
を目標にしているといます。

そうすると、年間240万円のキャッシュフローをいかに
作るかというが焦点になります。

不動産投資など、年4%程度で手堅く運用するという前提に
すると、60歳までに約6000万円の資産があれば、年240万円
のキャッシュフローは実現できる計算になります。

つまり、あと20年間でいかに6000万円の資産をつくるか
という点に焦点がさらに絞り込めます。

仮に今、3000万円の資産をもっているとすれば、残り
3000万円を20年間で作ればよいことになります。

1年あたり150万円です。

これが普通の貯蓄で行えるというのであれば、あなたは
あえてリスクをとって投資をする必要がなくなります。

なぜなら貯蓄をするだけで目標の金額まで到達できるから
です。

しかし、今時点で資産が0円だとして、20年間で6000万円
を貯めるとなると、1年あたり300万円の貯蓄が必要に
なります。

ここで1年間に200万円しか貯められないとすると、20年間
で4000万円しかたまりません。

これでは60歳までに目標の資産を築くのが難しいことに
なります。

ですので、ここではじめてリスクを取って運用をすること
を考えます。

だいたい年4%の利回りで20年間複利運用ができれば、
6000万円を超えてきますので、この4%のリスクは目標
達成のために取るべきリスクとわかるわけです。

このように目標を定めると、具体的にどの程度のリスク
をとって運用をしなければならないのかが明確になり
ます。

そうすれば、年20%のハイリスクの投資案件を友人に紹介
されたときでも、あえてハイリスクの投資をする必要がない
と判断できるわけです。

ぜひ目標を決めて運用をするようにしてください。

⑨損失は最小限に抑えろ

投資は100%勝てるものではありませんので、負けること
も想定して運用をしなければなりません。

そして、仮に負けた場合、損失額を極力抑えることが
非常に重要となります。

例えば、下図のように100万円を投資して、1年で資産が
50万円まで目減りした場合、もとの水準にまで戻すには
翌年100%の運用利回りが必要となります。

投資元本 下落時の資産額 元本回復に必要な利回り
10%下落 100万円 90万円 約11%
30%下落 100万円 70万円 約42%
50%下落 100万円 50万円 約100%

もし、この損失を抑えて、1年で30万円の損失だったと
すると、翌年元の水準に戻すには、+42%の運用利回り
が必要です。

もし、1年の損失を10万円におさえることがでいたら、
翌年もとの水準に戻すには+11%の運用利回りで済みます。

このように、損失を出すにしても、損失額を抑えること
ができれば、すぐに元の水準まで戻すことができるという
わけです。

損失額を抑えて運用をすると当然、リターンも小さくは
なります。

しかし、リターンが大きい運用というのは、損失額も大き
くなりますので、最終的にはコツコツ資産を積み上げてい
ったほうが、大きな成果につながりやすいです。

こう書くと、ハイリスクの投資商品には投資ができない
ように思ってしまう人もいると思います。

しかし、ハイリスク商品に投資をしてはいけないという
わけではなく、ハイリスクの投資商品に投資をする場合は、
投資金額を減らしてください。

そうすれば、あなたの資産全体に対する損失の割合を減ら
せますので、最小限に損失を抑えることができるというわけ
です。

⑩投資の幅を増やせ

投資というと、多くの人が株や投資信託からスタートし
ます。

場合によってはFXや不動産投資、外貨預金もあるかもし
れません。

ただ、世の中には、数多くの投資方法があり、まだあなた
が知らない投資手段がいくつもあります。

例えば、私であれば、長期目線での投資として、不動産
投資、つみたてNISA、海外積立、米国債、投資信託を保有し
ており、中期目線で複数の事業投資と金、原油CFDに投資
をしています。

そして短中期目線でVIXトレードやオプショントレード、
IPO等をしています。

投資の幅が増えると、あえて1つの投資商品にこだわる
必要がなくなります。

例えば、コロナショックのような暴落相場であれば、投資
信託しか保有していなかった人は気が気でなかったと思い
ます。

あまりに急速に相場が暴落していったので、大半の人は
何もできず神頼みになっていたはずです。(今回は運よく
戻しましたが)

そのとき、他の投資手段を知っていると、例えば、金CFD
の保有ポジションを増やしたり、プットオプションのポジ
ションを増やしたり、VIX関連銘柄に投資をしてみたり、
機動的に自分のポートフォリオを調整することができます。

また投資商品を色々と比較をすることで、どの方法がどの
場面で強みを発揮するのかというのがより具体的にイメー
ジできるようになります。

少額からスタートできる商品も最近は増えてきましたので、
ぜひ色々な投資に挑戦し、自分の持ち玉を増やす工夫をして
みてください。

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  • この記事を書いた人

ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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