2019年12月以降、私は投資信託の運用金額を大きく減らしました。
なぜ?と思われている方もいるかもしれませんが、実は、何年も前から投資信託の運用金額はタイミングを見て、減らすことを考えていました。
なぜ私が投資信託の運用金額を減らそうと思ったのか。
それは、ほとんど語られることがない投資信託の弱点に気づいてしまったからです。
(決して、投信での運用を一切やめたわけではなく、つみたてNISAや一部の資金は引き続き投信で運用しています。)
今日、ここでお話しする内容は、巷で言われている机上の空論ではなく、多くの投資家の相談に乗ってきた経験と私の実体験をもとにした話です。
投信運用している、もしくは今後、投信運用しようと考えている人は、必ず一読しておいてほしいと思います。
10年以上、投信運用を続けてわかった投資信託の弱点
投信運用というのは長期で見れば、プラスのリターンが期待できるのですが、短期で見るとプラスもあれば、マイナスの年もあり、マイナスが何年か続くときもあります。
資産形成期(まだ現役でバリバリ働いていて、毎月貯蓄ができている時期)においては、長期でプラスのリターンが期待できるのであれば、運用でマイナスの年が何年か続いても、特に問題になりません。
むしろ、毎月、積み立てることができるのであれば、相場が大きく下がったときは、絶好の買い場になりますので、チャンスとも言えます。
しかし、年金生活が始まったり、セミリタイアをした人のように、資産活用期(毎月、給料のような入金はなく、今までに積み上げてきた資産をやりくりして暮らす時期)に入ると、状況が全く変わってきます。
例えば、年平均5%の利回りで運用ができる投資信託があったとします。
直近6年間の運用利回りは▲10%、▲10%、+15%、▲5%、+20%、+20%だったとしましょう。
あなたは6年前に戻って、この投資信託を2000万円購入しました。
今年から年金生活(資産活用期)が始まり、年金の補填として、毎年100万円を取り崩しながら、生活する予定だと仮定します。
リタイア生活初年度。
投信運用で▲10%(200万円の評価損)が出ました。
資産活用期における10%の損失というのは、かなり痛手ですが、「まぁ翌年にはプラスが出るだろう」と思い、そこまで不安にもならず保有を続けます。(初年度は100万円を生活費として取り崩しました。)
さらに翌年。
株式市場は不調で、さらに▲10%(170万円の評価損)が出ました。(1年目の運用評価損200万円と100万円の取り崩しをしているため、1700万円の10%として計算)
そうすると、リタイア後わずか2年で、あなたの資産の評価額は1430万円になります。(2年目も生活費として年間100万円を支出想定)
さて、あなたは2年目終了時点で、「来年はきっとプラスになるから大丈夫!」と心穏やかに投資信託を保有し続けられるでしょうか?
結果だけ見れば、▲10%、▲10%、+15%、▲5%、+20%、+20%とその後の運用は好調だったので、我慢して保有を続けられた人は、そのあと資産が増えたことがわかります。
しかし、資産活用期では、今ある資産で老後の生活をやりくりしなければいけないので、大きな損失は老後生活が破綻することを意味しています。
そうすると、長期で運用すれば年平均5%程度で運用できる頭ではわかっていたとしても、そうそう正常な投資判断ができなくなってしまうのです。
たいていの人は「もっと下がるかもしれない・・」「これ以上損失を抱えたらどうしよう」「いつまで経っても元の水準まで戻らないかもしれない・・」と悲観的に悲観的に考えるようになっていき、「これ以上損失は膨らませられない」と判断し、売却してしまう人がほとんどなのです。
「いやいや、私は長期保有するから大丈夫」と思っている人も、実際にその相場を目の当たりにすれば、耐えられない人がほとんどです。
たいていの人は自分の感情の影響力を過小評価しています。
いくら頭ではわかっていてもどうにもならないのが投資なのです。
結局、何が問題なのかと言えば、投資信託は、市場の値動きに追随する投資だということです。
中長期ではプラスのリターンが期待できても、来年、再来年の短期間の市場は、上がるか下がるか予測することはできません。
また、その相場が上向くように、あなたの力で動かすこともできません。
つまりは、あなたがどうこうできるものは何もなく、唯一できることは神頼みしかないのです。
これが投信運用の弱点です。
資産活用期の理想的な運用とは?
では、あなたに改めて、考えてほしいのですが、資産活用期においては、どのような運用が一番理想的でしょうか?
それは、毎月、毎年安定してプラスのリターンを生み出す運用です。
年別の利回りが▲10%、▲10%、+15%、▲5%、+20%、+20%で平均して年5%程度の運用ではなく、+3%、+3%、+3%、+3%、+3%、+3%のような、毎年安定してプラスのリターンを生み出す運用です。
なぜ、このような安定したリターンが一番求められるのか。
それは私たちの大半が昔から毎月毎月お給料をもらって生活することに慣れているからです。
この染みついた感覚があるため、年金のように毎月、毎年、お金をもらえると一番安心できるのです。
毎月分配型の投資信託はこれだけ世間ではたたかれていますが、6000本以上ある投資信託のうち、純資産総額トップ10の中に、4本も毎月分配型ファンドがランクインしていることからも、毎月の収入を得たいという人が多いことがわかります。
結局のところ、人は論理ではなく感情で動く生き物です。
いくら頭では「毎月分配型の投資信託はいまいちである」とわかっていても、「毎月、給料のように受け取れるお金が欲しい」という感情には勝てないということです。
なので、投資信託のように市場の動きによっては、何年か連続でマイナスになるような運用というのは資産活用期には適していません。
もちろん、証券会社や銀行の窓口の販売員を中心に、世間一般で言われているように、投資信託のリスクを抑えて運用すれば、資産活用期でも投資信託での運用はできます。
しかし、繰り返しになりますが、毎月、毎年安定してプラスのリターンを生み出す投資とは安心感が雲泥の差なのです。
資産活用期に向けた投信運用の出口戦略についてこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方は読んでみてください。
投信運用の出口戦略はどうするべき?最終的に行き着いた私の出口戦略とは。
突き詰めると、投資信託の弱点は何なのか?
投資信託の弱点は長期でプラスのリターンが期待できるが、来年・再来年の運用がうまくいくかは予測できず、神頼みでしかないというお話をしました。
ここで、もう1歩踏み込んで、突き詰めると投資信託の弱点はどういうことなのでしょうか。
それは、「自分で何もコントロールができない」ということです。
ですから、毎年毎年の運用がプラスになるかマイナスになるかはすべて神頼みになってしまいます。
では、「自分でコントロールできる投資」を身につけるとどうなるのでしょうか。
コントロールできる投資というのは色々あるのですが、今回は一例として株式トレードを例にしてみましょう。
あなたは3年前から毎年+5%程度のトレードができるようになったとします。
さて、来年はどの程度のリターンが期待できそうでしょうか。
少なくとも直近3年間毎年+5%の運用ができているのであれば、来年も+5%の運用ができると思うのが自然です。
一方で、投信運用した場合の過去3年間の運用は+5%、▲10%、+20%で年平均+5%だったとして、あなたは来年何%程度のリターンが期待できそうでしょうか。
自信をもって+5%は期待できるとはまず言えません。
これが自分でコントロールできている投資とコントロールできていない投資の大きな違いです。
自分でコントロールできる投資を身に着けると安心感が違います。
そして、資産活用期においては、自分でコントロールできる投資の比率を増やし、お金の不安なく、幸せに暮らすのが最善の方法なのです。
まとめ
いかがでしょうか?
今日のような話は、たいてい証券会社や銀行はしたがりません。
そもそも投資信託の弱点を理解していないというのもありますが、彼らからすれば、自分たちの口座で引き続き運用をしてもらったほうが、信託報酬が入るから都合がいいのです。
資産形成期では、投資信託で運用をしていたからと言って、資産活用期でも投資信託で運用を続けなければいけない理由もありません。
資産活用期において、あなたが一番考えるべきは、年金のように、毎月・毎年安定して得られる収入をいかに作るかです。
そして、この問題は、市場任せの神頼みの運用ではなく、自分でコントロールする投資という考え方を身に着けることで解決できます。
こちらで投信運用の出口戦略や自分でコントロールできる投資の具体性を紹介していますので、興味のある人は読んでみてください。
投信運用の出口戦略はどうするべき?最終的に行き着いた私の出口戦略とは。
最後に紹介になりますが、「資産活用期における投資方法を教えてほしい。」という声を多数いただいたことがきっかけで、日経225オプションという商品をトレードするスクールをやっています。
相場頼みの運用ではなく、自分で毎月コツコツ安定した収益を得られるトレードで、オプション未経験者の方でも初月から利益を出しています。
興味のある人はこちらから情報を取ってみてください。