8つの資産のインデックスファンドに分散投資をしていくスマート・クオリティ・オープン
『スマラップ』。近年では、8つの資産に分散投資できるインデックスファンドが複数
出てきているので、シェアを奪われつつあるかと思いきや、未だ一定の人気があるようです。

スマラップは資産の構成比別に安定型、安定成長型、成長型の3種類があります。
今日は、その中でも一番人気のが高いスマラップ(安定型)について徹底分析していきます。
安定成長型、成長型を検討している方も参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。

スマート・クオリティ・オープン『スマラップ(安定型)』の基本情報

投資対象は?

スマラップ(安定型)の投資対象は、「国内株式」「国内債券」「国内リート」
「先進国株式」「先進国債券」「先進国リート」「新興国株式」「新興国債券」の8資産で、
インデックスファンドに投資していきます。

安定型の場合は年間目標リスクが5.0%以内に収まるように投資をしていきます。

スマラップ(安定型)の各資産の組入比率は以下のようになっており、国内債券比率が
60%とかなり高くなっています。この時点で気づく人は気づきますが、アクティブファンドで
国内債券を組み込んでいる場合、ほぼ間違いなく手数料負けしますので、あなたが投資した
資産のうち60%については、ほぼ負けが確定してしまいます。

私からみると、この時点で投資対象外ですね。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

純資産総額は?

続いて、スマラップ(安定型)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができなかったり、
純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

スマラップ(安定型)は、現在950億円程度となっており、以前人気の高い
ファンドとなっています。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

スマラップ(安定型)の実質コストは1.738%となっており、カテゴリー内でも割高です。
インデックスファンドに投資をしているだけなのにこのコストはさすがにあり得ません。

購入時手数料 3.24%(税込)※上限
信託報酬 1.704%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.738%(概算値)

※第15期 運用報告書(決算日2018年8月13日)より

スマート・クオリティ・オープン『スマラップ(安定型)』の評価分析

基準価額の推移は?

スマラップ(安定型)の基準価額は、ここ3年間10000円から±5%以内の間を
うろうろしています。分配金再投資後の基準価額(青線)を見ると、2018年は
下落トレンドが続いていることがわかります。

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

利回りはどれくらい?

スマラップ(安定型)の利回りを見てみましょう。直近1年間の利回りは▲2.11%、
3年平均利回りは+0.43%となっており、かなり厳しい結果となっています。
これでは投資したいと思いませんね。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

四半期別運用パフォーマンスは?

スマラップ(安定型)の四半期別の運用パフォーマンスを見てみましょう。
毎年、プラスのリターンが出ていると言えば、出ているのですが、1%未満の
年もあり、果たしてこれで良いのかと思ってしまうような水準です。


※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

今回のように投資対象がインデックスファンドであるアクティブファンドの場合、
バランス型のインデックスファンドとパフォーマンスを比較することは必須です。

そこで、バランス型のインデックスファンドで非常に人気の高いeMAXIS Slimバランス
(8資産均等型)と比較を行いました。その結果を以下に示しますが、直近3年間の
パフォーマンスはスマラップ(安定型)が圧倒的に低いことがわかります。

結局、安定運用ができているように見えますが、その実、損失が確定している
国内債券の比率が高いため、本来もっとリターンを得るチャンスがあるべきところを
機会損失しているというわけです。

もともと私はバランスファンドはおすすめしませんが、まだ投資するなら、
スマラップ(成長型)のほうがましでしょう。

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

分配金の推移は?

スマラップ(安定型)は年4回の分配を行います。直近では、2017年に分配金が
出ていますが、それ以外の年では、パフォーマンスが優れなかったため、分配金は
ありませんでした。

※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

評判はどう?

スマラップ(安定型)の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけスマラップ(安定型)を解約している人が
多いということなので、評判が悪くなっているということです。

スマラップ(安定型)は、2016~2017年にかけて毎月資金が流出しましたが、
2018年に入り、流入超過の月が増えているので、人気を取り戻しつつあると言えます。


※引用:モーニングスターWEBサイト2018年11月時点

スマート・クオリティ・オープン『スマラップ(安定型)』の今後の見通し

冒頭でも述べましたが、国内債券というのは期待利回りは1%程度です。
そうすると実質コストが1.7%程度ありますので、毎年0.7%程度はマイナスになることが
確定しています。

スマラップ(安定型)の利回りは1~2%あるので、手堅く運用できているとつい思ってしまい
がちですが、この国内債券の分だけリターンが減少していることに気づかなくてはなりません。
(販売会社と運用会社だけが儲かっている)

8資産に分散できるインデックスファンドであれば、コストが0.2~0,3%程度ですむので、
国内債券を持っていても悪くはないですが、アクティブファンドで国内債券を保有するのは
悪手です。

今後も1~2%のリターンであれば、継続的に増やせると思いますが、8資産に分散投資を
したいというのであれば、スマラップ(安定型)にこだわらず、コストが現在一番安い
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に投資するべきです。

ただ、何度も繰り返しますが、私個人としては、バランス型ファンドへの投資は
あまりおすすめしていません。