分散投資の重要性や、インデックスファンドの優位性が巷で叫ばれる
ようになり、運用のプロがアセットクラスを最適な形に組み替えて
くれるバランス型ファンドが近年非常に人気です。

特に初心者の投資家はバランス型のファンドを好む傾向がありますが、
安易にこういったインデックスファンドに投資をすることはおすすめ
しません。

世界経済インデックスファンドには、株式シフト型や債券シフト型など
も出てきていますが、一番初めに設定された世界経済インデックス
ファンドを独自の切り口で徹底分析していきます

世界経済インデックスファンドの基本情報

投資対象は?

世界経済インデックスファンドの投資対象は、国内、先進国及び新興国の
公社債及び株式に分散投資をすることでリスクの低減をはかります。

実際の組み入れ資産は、各投資対象の代表的な指数(インデックス)に
連動するように運用します。

今回のファンドで使われているインデックスは下記になります。
採用されているインデックスは近年一番使われているインデックスが
並んでいます。


※引用:交付目論見書

世界経済インデックスファンドの現在の資産構成比は以下のように
なっています。基本組入比率と比べると、外国株式と外国債券の
比率が高くなっているようです。


※引用:マンスリーレポート

未だ多くの方が勘違いされていますが、株式と債券に投資をすれば
分散になるという時代はすでに終わっています。

実際、先進国株式と先進国債券では、相関が0.6以上となっており、
一般的に相関があるといわれるレベルです。

なので、株式が下がれば、債券も下がってしまいますので、一概に
分散できているとは言えません。

今回は債券部分が国債中心のインデックスファンドだったため、
まだマシですが、ハイリスクな債券が組み込まれているファンドだと、
本来の目的を達成できなくなりますので注意してください。

純資産総額は?

続いて、世界経済インデックスファンドの純資産総額を見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だ
と思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

世界経済インデックスファンドは2017年に純資産が300億円ほど増やし、
現在は600億円程度となっています。純資産の規模としては全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

インデックスファンドにおいては、コストが最も注意しなければ
ならないポイントです。

また目論見書に載っているような表面コストではなく、実際にかかる
実質コストで比べなければ、あなたの資産が実際にどれだけ増えるのか
わかりません。

世界経済インデックスファンドの実質コストは0.623%となっており、
近年のバランス型ファンドの低コスト競争の中では出遅れています。

また今の時代に購入時手数料を3%も取っているのはあり得ないですね。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 0.54%(税込)
信託財産留保額 0.1%
実質コスト 0.623%(税込)

※第9期 運用報告書より(決算日2018年1月22日)

世界経済インデックスファンドの評価分析

基準価格の推移は?

世界経済インデックスファンドは2016年末から大きく成長しましたが、
2018年の1月末の相場の大暴落時に下落したあとは、下降トレンドに
入っており、いまだ復調の兆しは見当たりません。

バランス型ファンドは良くも悪くもリスクが小さいので、大きく
下落してしまったときに、元の水準まで戻すのに時間がかかって
しまいます。


※引用:モーニングスター

利回りは?

つづいて世界経済インデックスファンドの利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲9.23%となっています。3年、5年平均利回りは
プラスになっていますが、バランスファンドで10%近く下落するのは、
投資家側からするとかなり大きな下落のように感じるでしょう。

上述しましたが、いまや株式と債券に分散投資をしても、どちらも
同じタイミングで下落してしまうのが一般的です。ですので、安易に
アセットクラスを分散させれば、リスクを下げられるとは考えない
ようにしてください。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲9.23% 47%
3年 1.71% 13%
5年 2.50% 75%
10年

※2019年1月時点

標準偏差は?

世界経済インデックスファンドの標準偏差を見てみると、同カテゴリー内
では、平均的な水準となっています。

バランスファンドなので、基準価額の変動幅は小さいに越したことは
ありませんが、平均レベルなのであっれば及第点です。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 9.98 54%
3年 9.81 58%
5年 10.24 56%
10年

※2019年1月時点

年別のパフォーマンスは?

では、世界経済インデックスファンドの年別のパフォーマンスを見て
みましょう。

株式ファンドの比率が50%なので、ある程度利回りは変動しますが、
バランスファンドと言う割にはかなりボラティリティは大きいように
感じます。

もう少しリスクを小さくして安定できるバランスファンドのほうが
投資初心者にとってはありがたい気がしますね。

年間利回り
2018年 ▲9.23%
2017年 14.24%
2016年 1.46%
2015年 ▲6.22%
2014年 14.65%

※2019年1月時点

「アクティブファンドは儲からない」は嘘!私のファンド運用実績を㊙公開

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

世界経済インデックスファンドに投資を前に、より低コストで運用
できるインデックスファンドとパフォーマンスを比較しておいて損は
ありません。

今回は、三菱UFJ国際投信のeMAXIS バランス(8資産均等型)と
パフォーマンスを比較してみました。リートが入っているいないの
違いはありますが、バランス型ファンドを検討する人にとっては、
どちらも似たようなカテゴリーとなります。

直近3年間の実績では、ほとんどどちらも変わらない結果となっています。

ただ、eMAXISバランス(8資産均等型)は最近eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
という超低コストファンドを出しましたので、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
と比較すると、もう少しパフォーマンスに差が出てくると思います。

またeMAXIS Slimシリーズは購入時手数料がかかりませんので、3%の
差がつくというのも忘れてはいけないポイントです。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を検討する上で、最大どの程度下落する可能性があるのかは
知っておきたいところです。

標準偏差から導くこともできますが、やはり実際に下落した幅を
見たほうがイメージがわくでしょう。

世界経済インデックスファンドは、2015年7月~2016年6月までの
1年間で-16.56%下落しています。

他のファンドと比べると分散効果を発揮して、下落幅は抑えられて
いますね。

期間 下落率
1カ月 ▲9.16%
3カ月 ▲13.38%
6カ月 ▲15.12%
12カ月 ▲16.56%

※2019年1月時点

評判は?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判がいいということです。

世界経済インデックスファンドは毎年ずっとプラスの流入が続いて
おり、2017年には資金が大きく流入しました。

直近でも毎月資金が流入していますので、一定の人気は維持していますね。


※引用:モーニングスター

世界経済インデックスファンドの今後の見通しと個人的評価

インデックスファンドを選ぶときの重要なポイントとして、
①コストが安いか②ベンチマークが長期的に右肩上がりに成長しているか
というこの2点を押さえなければなりません。

多くの人が、「インデックスファンドであれば、コストも安いし良いだろう」と
安易に選択してしまっているので、個人的に危機感を感じています。

もしあなたが世界経済インデックスファンドが保有している
6つのインデックスファンドすべてが気に入ったということであれば、
購入に値すると思いますが、良く調べもしないうちは購入してはいけません。

また6つの中にいくつかイマイチなファンドがあると思うのであれば、
無理に保有する必要はないと思います。

私の場合、信頼しているベンチマークはS&P500とNYダウですので、
このインデックスファンドは保有しようと思いません。

購入するにしても、ほぼ似たようなファンドである
eMAXIS slim バランス(8資産均等型)のほうが超低コストなのでお勧めです。