10年以上前から先進国株と新興国株に投資ができるインデックスファンドとして、根強い人気がある三井住友DSアセットマネジメントの三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド。
今日は、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドとはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
「三三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドって投資対象としてどうなの?」
「三三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドって持ってて大丈夫なの?」
「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの基本情報
投資対象は?
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの投資対象は、日本を除く先進国株式と新興国株式です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み・円ベース)の動きに連動する運用を行います。
国別の投資比率を見てみると、アメリカが70%を占めており、残りの国は数%程度に収まっていることが分かります。
※引用:マンスリーレポート
業種別の構成比率をいると、ソフトウェア・サービスの比率が高くなっていますね。
※引用:マンスリーレポート
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの現在の組入銘柄数は1277銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。1つのインデックスファンドで1300銘柄近い世界の株式に分散投資ができるのは魅力的ですね。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの純資産総額は、現在約1721億円です。インデックスファンドとしてはかなり大きな規模のファンドであり、人気ぶりがよくわかります。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの実質コストは0.361%となっており、近年のインデックスファンドの中では、かなり割高です。0.1%台のインデックスファンドも出てきているので、乗り換えるのがおすすめです。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.275%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.361%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの評価分析
基準価額をどう見る?
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの基準価額を見てみましょう。
2022年は伸び悩みましたが、2023年に入り、また大きく上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは23.11%となっています。5年、10年平均利回りでも、10%を超えており、かなり好調のように見えます。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +23.11% |
3年 | +20.25% |
5年 | +12.60% |
10年 | +12.08% |
※2023年11月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは、国際株式・グローバル・除く日本カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは、一見優れた利回りに見えましたが、同カテゴリー内では平均以下のランキングでした。インデックスファンドであれば、妥当な水準です。
上位●% | |
1年 | 59% |
3年 | 63% |
5年 | 54% |
10年 | 53% |
※2023年11月時点
年別のパフォーマンスは?
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
マイナスの年もありますが、10%程度のマイナスで済んでいるので、これであれば、安心して投資をしやすいですね。
年間利回り | |
2023年 | +22.17%(1-9月) |
2022年 | ▲5.76% |
2021年 | +33.60% |
2020年 | +8.81% |
2019年 | +27.00% |
2018年 | ▲11.90% |
2017年 | +19.40% |
2016年 | +2.92% |
2015年 | ▲3.06% |
2014年 | +21.05% |
※2023年11月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドと同じベンチマークのeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
同じベンチマークなので、当然ほぼ同じ結果になりますが、信託報酬が安い分、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)のほうがパフォーマンスで上回っています。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)に投資ができる口座を持っているのであれば、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)を選択するほうがいいですね。
年平均利回り | 三井住友・DC・全海外株 | slim オールカントリー |
1年 | +23.11% | +23.71% |
3年 | +20.25% | +20.23% |
5年 | +12.60% | - |
10年 | +12.08% | - |
※2023年11月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、全世界の株式に投資ができるということで非常に人気の高いセゾン投信のセゾン 資産形成の達人ファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドのほうがパフォーマンスで上回っています。
より長期の利回りで比較をしても、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドが上回っていますので、これであれば、投資する価値があると言えますね。
年平均利回り | 三井住友・DC・全海外株 | 資産形成の達人 |
1年 | +23.11% | +20.46% |
3年 | +20.25% | +15.09% |
5年 | +12.60% | +9.75% |
10年 | +12.08% | +11.73% |
※2023年11月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲15.44% |
3カ月 | ▲22.10% |
6カ月 | ▲18.63% |
12カ月 | ▲19.73% |
※2023年11月時点
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの最大下落率は2020年1月~2020年3月で▲22.10%となっています。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの評判を見てみましょう。
2019年以降、毎月、資金が流入超過となっており、かつ流入額が増えていることからも評判はとても良いようです。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドはどちらの制度も利用可能ですので、投資をする際はうまく活用してください。
NISA | iDeCo |
〇 | 〇 ジブラルタ生命保険、住友生命保険、三井住友海上火災保険、三井住友銀行(標準コース) |
※2023年11月時点
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
インデックスファンドに投資をする際、重要となってくるのは実質コストです。同じ指数をベンチマークとしていても、実質コストに差があれば、その分、利益にも差がつきます。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)のような最近出てきた超低コストのインデックスファンドと比べて、コストの面では割高です。
ですので、投資をするのであれば、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)のようなインデックスファンドに投資をするのがおすすめです。結局、投資をする先は同じですので。
下手なアクティブファンドに投資をするよりは、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドに投資をしたほうがいいので、他に選択肢がないのであれば、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドに投資をしておくのも悪くありません。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点