米国で圧倒的な人気を得ている米国フィデリティの旗艦
ファンドと同じ手法で運用されるファンドが、満を持して
日本市場に投入されました。

その名も、フィデリティ・米国株式ファンド。

50年以上の運用実績があり、年平均利回りが10%を超えて
いる旗艦ファンドと同じ方針で運用されるということで
非常に注目が集まっています。

フィデリティ・米国株式ファンドには為替ヘッジあり/なし、
資産成長/分配重視の組み合わせでA~Dの4コースがあり
ますが、今日は一番に人気のBコースを中心にA~Dコース
と比較もしながら、独自目線で分析していきます。

「フィデリティ・米国株式ファンドって投資対象としてどうなの?」

「フィデリティ・米国株式ファンドって持ってて大丈夫なの?」

「フィデリティ・米国株式ファンドより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、
悩みは解消すると思います。


フィデリティ・米国株式ファンドBコースの基本情報

投資対象は?

フィデリティ・米国株式ファンド の投資対象は
セクターや規模で制約せず、すべての米国株式です。

EPS成長を加速させるファンダメンタルズ(新しい経営陣、
コスト削減、新製品、買収・合併等)の変化をとらえ、
優れた企業に投資していきます。

現在は323銘柄で構成されており、そのうち情報技術・
コミュニケーション・サービスの比率が最も高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

具体的に組入られている上位銘柄を見てみると、米国企業
の有名どころがランクインしていることがわかります。

米国の大手企業が多く組入られている場合はS&P500に連動
するようなファンドとパフォーマンスをしておくとよいですね。


※引用:マンスリーレポート

つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?

フィデリティ・米国株式ファンドのつみたてNISAと
iDeCoの対応状況を確認しておきましょう。

残念ながら、どちらも対応していません。

つみたてNISA iDeCo
× ×

※2021年4月時点

運用体制は?

フィデリティ・米国株式ファンド は米国で75万世帯
が保有している人気の「フィデリティ・コントラ・ファンド」
と同じ投資哲学で運用されます。

コントラ・ファンドは1967年に設定されて以来、50年以上の
運用実績があり、年率12.57%と非常に高いリターンを実現
しています。

現在、コントラ・ファンドを運用しているのがウィル・
ダノフ氏で、本ファンドの運用も担当しています。

フィデリティの伝説的ファンドマネージャー、ピーター・
リンチのアシスタントを務めた経験もあり、市場平均以上
の高い成長性が期待できる企業の発掘を得意としています。

新規設定されたファンドの場合は、ファンドマネージャーが
他のファンドの運用で出したパフォーマンスを参考にする
しかないのですが、ウィル・ダノフ氏は他のファンドで
しっかり実績を出しているので安心材料になりますね。

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するように
してください。

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を
運用する際に効率よく運用できますし、ファンドの運用で
必ず発生する保管費用や監査費用が相対的に低くなります
ので、コストが相対的に低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその
投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなる
こともありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

フィデリティ・米国株式ファンド Bコースの純資産総額は、
現在400億円程度です。

規模としては全く問題ありません。

Aコース~Dコースまで合わせると、1000億円をこえる
大規模ファンドですので、とても人気は高いです。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用が
かかっていることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買
手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コスト
がかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

フィデリティ・米国株式ファンド Bコースの実質コストは
1.72%となっており、アクティブファンドの中でも割高の
部類に入ります。

初年度は購入時手数料も3.3%かかってきますので、1年目
はほぼプラスにならないでしょう。

Aコース~Dコースで実質コストはほとんど変わりません
が、為替ヘッジコスト分、Aコース、Cコースはわずかに
実質コストが高くなります。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.65%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.72%

※引用:最新運用報告書

ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?
と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

フィデリティ・米国株式ファンドBコースの評価分析

基準価額の推移は?

フィデリティ・米国株式ファンド Bコースの基準価額は
コロナショックで一時は10,000円を割り込む水準まで
下落しました。

その後は、順調に上昇しており、3年間で50%以上成長
しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

フィデリティ・米国株式ファンド Bコース の直近1年間の
利回りは49.90%です。

コロナショックで大きく下落した後からの1年間の利回り
なので、高く見えますね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 49.90%
3年
5年
10年

※2021年4月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

フィデリティ・米国株式ファンドは、北米株式カテゴリーに
属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀な
パフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、
同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは
事前に調べておいて損はありません。

フィデリティ・米国株式ファンドは利回りだけを見ると、
とても優れているように見えますが、実際には平均
以下の順位です。

この水準だとインデックスファンドにもパフォーマンス
で負けている可能性が高いです。

上位●%
1年 74%
3年
5年
10年

※2021年4月時点

年別の運用利回りは?

フィデリティ・米国株式ファンドの年別のパフォーマンスも
見てみましょう。

新規設定時期が良かったこともあり、2019年、2020年と
20%以上の利回りとなっています。

年間利回り
2021年 6.30%(1-3月)
2020年 +22.73%
2019年 +29.84%

※2021年4月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

類似ファンドとのパフォーマンス比較

フィデリティ・米国株式ファンド Bコースへの投資を検討する
のであれば、低コストのインデックスファンドよりもパフォ
ーマンスが優れているかは確認しておきましょう。

今回は、米国の主要500銘柄の合成指数であるS&P500に
連動するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを
比較してみましょう。


※引用:モーニングスター

コロナショック前まではフィデリティ・米国株式のほうが
パフォーマンスで上回っていましたが、コロナショック後は
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がパフォーマンスで
上回っています。

これでは、あえて高いコストを支払ってまでアクティブファンド
に投資をするメリットはありませんね。

フィデリティ米国株式 slim米国株式
1年 49.90% 55.49%
3年
5年
10年

※2021年4月時点

Aコース、Bコース、Cコース、Dコースどれがいいの?

フィデリティ・米国株式ファンドに投資をする上で、
Aコース、Bコース、Cコース、Dコースのどれがよいのか
悩む人も多いでしょう。

そのため、4つのファンドのパフォーマンスを比較して
みました。


※引用:モーニングスター

結果、一番パフォーマンスが高いのは、Bコースです。
つまり、為替ヘッジ無の分配金無のファンドですね。

前々からこのブログでは言っていますが、分配金が
支払われるとその分、パフォーマンスが落ちます。

今回、BコースとDコースは0.5%ほどパフォーマンス
に差が出ていますが、これは分配金が原因です。分配が
大きくなればなるほど、この差は開きます。

そして、直近の3年間では為替ヘッジ無しのほうが、ファンド
のパフォーマンスに有利に働きましたが、この期間はたまたま
ヘッジ無が良かっただけなので、為替ヘッジは自分が為替の
変動の影響を気にしたくない人は、為替ヘッジ有を選べばよい
と思います。

評判はどう?

それでは、フィデリティ・米国株式ファンド Bコースの評判
はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が
悪くなっていれば、資金が流出超過になります。

フィデリティ・米国株式ファンド Bコースは毎月資金が流入
していましたが、2019年2月以降は資金が流出超過となって
しまいました。

パフォーマンス自体は決して悪くはないのですが、やはり
コストが高いというのが要因かもしれません。


※引用:モーニングスター

フィデリティ・米国株式ファンドBコースの今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

米国株式自体は非常に魅力的な投資対象であり、自分の
ポートフォリオの中に米国株式が対象になっているファンド
はぜひ組入れたいものです。

ただ、米国株式ファンドの多くがS&P500に連動するイン
デックスファンドにパフォーマンスで勝てていないという
こともあり、S&P500をはるかに上回るパフォーマンスを残
せていないのであれば、わざわざ高コストのアクティブファ
ンドに投資する理由がありません。

フィデリティ・米国株式ファンド Bコースも今後に期待したい
ファンドではありますが、あえて今すぐ投資するような銘柄
ではありませんね。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点