野村アセットマネジメントが運用する野村インド債券ファンド(毎月分配型)。
2011年10月の設定来、幾度となく「リッパー・ファンド・アワード・ジャパン」や
「ファンド オブ ザ イヤー」などの賞を総ナメにした実績があります。

テーマ型ファンドとしては息が長く現在でも根強い支持があるようですが、
実際に中身はどうなのでしょうか?

野村インド債券ファンドには、毎月分配型と年2回決算型がありますが、
今日はより人気の高い毎月分配型を中心に見ていきます。
※年2回決算型を検討中の方にも役立つ内容となっています。

野村インド債券ファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

投資対象は、「インド現地通貨建債券マザーファンド」およびケイマン籍投資信託
「ノムラ・インディアン・ボンド・ファンド-クラスINR」を通じて、
インド関連の公社債に投資しています。

わざわざ外国籍投信を入れて二重構造にしている理由は、インドの現地口座で
購入可能なルピー建債券の投資枠に制限がある関係から、米ドル建債券も
購入できるようにせざるを得ないためと考えられます。

運用体制は?

運用はノムラ・アセット・マネジメント・シンガポール・リミテッドが行っており、
実質的に野村アセットマネジメントのインハウス運用です。

このタイプのファンドにありがちな外部への運用委託を行っていない点は、
さすが最大手です。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

販売会社は中小証券や地方銀行が中心であるにも関わらず、直近の純資産総額は
2,000億円を超えています。

他のインド債券ファンドと比較しても純資産額の大きさは群を抜いており、
商業的には成功していると言ってよいでしょう。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

野村インド債券ファンドの実質コストは1.5552%となっており、かなりコストが
高くなっています。購入時手数料と併せて5%近くになりますので、本当に良い
ファンドでないとおすすめできません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.5552%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.5732%(概算値)

野村インド債券ファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

野村インド債券ファンドの現在の基準価額は、7,750円です。
2018年6月より分配金を半額にしたにも関わらず、後述するマーケット要因で
基準価額はジリ下がりです。この基調は、しばらくの間続くと考えられます。

利回りはどれくらい?

好調なインドの経済環境を背景に、RBI(インド準備銀行)による
利上げの再開は引き続き警戒されています。

これに加えて、インド政府の財政赤字拡大が見込まれていることから、
インド債券市場は価格の下落が続いています。

これを受け、ここ1年間のトータルリターン▲6.82%と、
何とも寒い結果となっています。

ただ、他社のインド債券に投資するファンドではマイナス7%を
超えるものが多数あり、散々な結果となっています。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

分配金の推移は?

2016年12月決算で、月当りの分配金を従来の150円から100円に引き下げています。
そして運用成績悪化による分配原資の減少もあり、2018年6月決算より一気に
半分の50円まで引き下げました。

盲目的に分配金を信奉する投資家から不満の声が聞こえてきそうですが、
それまでの分配金の原資が40円程度ですから、50円に分配金を減らしたとしても
10円分のタコ足配当です。

依然として、過剰分配ファンドであることには変わりありません。
50円に減額したことで、分配金余力には余裕ができましたが、
安全圏にあるわけではないので、今後も分配金の減額は起こりえるので注意してください。

評判はどう?

野村インド債券ファンドの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけ野村インド債券ファンドを購入している人が
多いということなので、評判が良いということです。

野村インド債券ファンドは3年ほど前から再燃したインドブームに乗り、
ファンドの規模は順調に拡大してきました。しかし、2018年に入ってからは
流出超過が顕著になっています。

特に最近は後述のとおりインドをはじめとする新興国債券に対する見通しが
悪くなっていることから、解約が進んでいるようです。

野村インド債券ファンド(毎月分配型)の見通しは?

投資対象としてのインドはまだ伸びる余地があるものの、相次ぐアメリカの利上げや
EUの量的金融緩和策終了計画の発表は、インドをはじめとするエマージング諸国の
債券にとって完全にアゲインストです。

なぜなら、これまで先進国の低金利を嫌気してエマージング諸国債券に流入していた
機関投資家の資金が、エマージング諸国債券と比較してクレジットリスクの低い先進国債券に
還流することは容易に想像付くからです

もちろん、為替も同様で今後のルピーは先進国通貨に全体的に弱含むと考えられます。
ただ、日本については当面の間低金利が続く見通しですので、対円の影響は限定的かと
思われます。

これに加えて先述したインドの利上げ警戒感を考慮すると、
現時点ではインド債券ファンドに好材料は無いと言わざるを得ません。

インドは短期的な市況要因を除けば引き続き有望と思いますので、
コスト面で優良なファンドが出てくることを期待したい限りです。