バランス型ファンドは投資初心者から常に人気がありますが、
最近よく目にする8資産均等型バランスファンドも非常に人気が
あるようです。

ただ、気を付けなければいけないのが、バランス型ファンドで
あれば、分散効果もあるし、リスクも低いであろうと何も考えずに
投資をしていると痛い目を見る可能性があるということです。

今日はその点にも触れながら、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim
バランス(8資産均等型)について徹底的に分析したいと思います。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の基本情報

投資対象は?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の投資対象は、国内・海外の
株式、債券およびREITとし、下図のように8つの資産クラスに
均等配分を目標にします。

アクティブファンドのようにアセットクラスを機動的に変更しない
ことがひとつの特徴ですね。


※引用:交付目論見書

そして、それぞれの資産クラスごとに、下記のようにベンチマーク
を設定し、それぞれ連動するように運用成果を目指します。

ここで、注意が必要なのが、ベンチマークに採用されている指数が
まともな指数であるかという点です。

多くの人がベンチマークに何が採用されているかについて、何も考えず
に投資をしてしまっていますが、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に
おいて、一番確認すべきポイントは、この点だと言っていいでしょう。


※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の純資産総額はどう
なっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

インデックスファンドの運用において、純資産総額は必ずチェック
しておきたいポイントです。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまう
リスクがあります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、下図のように2017年の
新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は
約190億円となっています。

毎月、安定的に純資産総額を伸ばしており、さすがの人気と言えます。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

特にスマート・ベータ指数といって、FTSE RAFI エマージング
インデックス(円換算)のようなベンチマークが使われていると、
実質コストが上がりやすいので、必ず確認するようにしましょう。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の実質コストは0.217%程度
となっています。

バランスファンドでこの低コストは魅力的と言えますね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 0
信託報酬 0.1728%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.217%(概算値)

※引用:第1期 運用報告書(決算日2018年4月25日)

類似ファンドの実質コスト比較

類似ファンドの実質コストを比較をしてみましょう。

8資産均等型のインデックスファンドの場合、組入られているインデックス
ファンドによってコストにも差が出てきます。

近年、新規設定されたファンドが多いため、まだ実質コストがわからない
ファンドも多いですが、現状はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型) が
一番最安値になっているようです。

とは言っても、まだ信託報酬から比べると、だいぶ割高になっています
ので、純資産総額が増えて、コストが下がることに期待したいですね。

ファンド 実質コスト(概算値)
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.217%
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 0.320%
iFree8資産バランス  0.343%
ニッセイ・インデックスバランス(8資産)  まだ不明
Smart-i 8資産バランス まだ不明

※2018年12月時点

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価分析

基準価額の推移は?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の基準価額は2018年1月までは
順調に伸びていましたが、2018年1月末の暴落以降は、なかなか苦戦
しています。

バランス型ファンドはよくも悪くもリスクをと取りませんので、一度
基準価額が下がると元の水準まで戻すにに時間がかかるのが難点ですね。


※引用:モーニングスター

利回りは?

つづいて、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の運用実績を見てると、
直近1年間の利回りは▲0.19%となっています。

マイナスのリターンではありますが、カテゴリーランキングでは
上位13%に入っていますので、健闘していると言えるでしょう。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の前身であるeMAXIS バランス
(8資産均等型)を見てみると、3年、5年平均利回りで5%を超えてきて
いるので、中長期でみれば安定的な収益が期待できそうです。

Slimシリーズはコストがより安いので、もう少し利回りが高くなりそうですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲0.19% 13%
3年
5年
10年

※2018年12月時点

標準偏差は?

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の標準偏差を見てみましょう。
同カテゴリー内では平均以上であり、基準価額の変動幅は比較的
小さいことがわかります。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 7.62 39%
3年
5年
10年

※2018年12月時点

年別のパフォーマンスは?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の年別のパフォーマンスを見て
みましょう。

まだ1年目なので実績はわずかですが、2018年は±0近辺で着地しそうです。

ファンド全体でみれば、マイナスリターンで終わるファンドが多いはず
なので、最低限のラインをクリアできていると言えますね。

年間利回り
2018年 ▲0.29%(9月末時点)
2017年
2016年
2015年
2014年

※2018年12月時点

「インデックスファンドのほうが儲かる!」は嘘!私のファンド運用実績を㊙公開

類似ファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に投資するのであれば、同じく
8資産均等型のバランスファンドとパフォーマンスを比較してからでも
遅くはありません。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)(黄線)を見てみると、ニッセイ
インデックスバランスやたわらノーロード バランスに大きく差を
つけられています。

これはコストの問題というより組入られているファンドの違いによる
のですが、唯一、新興国債券のインデックスファンドが異なることが
原因です。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)では、JPモルガン・ガバメント・
ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・
ディバーシファイド(円換算ベース)を採用しており、これが
パフォーマンスの差を分けました。

ここまでパフォーマンスに差が出てしまうと、eMAXIS Slimバランス
(8資産均等型)を選択する理由が見当たりませんね。

※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になる
のが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点だと
思います。

まだ運用期間が短いためそこまで大きな下落は経験していませんが、
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)では2018年の10月に最大▲4.48%
下落しました。

1年超の保有では最大▲1.70%しか下落していませんので、焦って売らず
に長期で保有したほうがメリットが大きいことがわかります。

ただし、何も考えず保有し続けるのも厳禁です。

考えなしの長期保有が自分の首を絞める理由とは?

期間 下落率
1カ月 ▲4.48%
3カ月 ▲3.96%
6カ月 ▲2.93%
12カ月 ▲1.70%

※2018年12月時点

ベンチマークとの乖離率は?

インデックスファンドの運用においては、ベンチマークとの乖離率
というのが運用の巧拙を見極める一つのポイントとなります。

2018年4月25日までの期間で見ると、eMAXIS Slimバランス
(8資産均等型)とベンチマークは0.4%ほど乖離しています。

バランス型ファンドの場合、それぞれのマザーファンドについて
乖離要因が書かれているため、非常にわかりにくいのですが、
組入比率や銘柄選定における乖離というよりは配当・利子収入に
よる影響ですので、特に気にしなくてよいでしょう。

ファンド ベンチマーク
5.1% 4.7%

※2018年12月時点

評判はどう?

続いて、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評判を見てみましょう。

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入している
ということなので、評判がいいということになります。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、2017年の新規設定以来、
毎月資金流入しています。

毎月大きく金額にブレがなく流入していますので、評判は上々と
いうことがわかります。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

積立NISAとiDeCoの対応状況は?

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) の積立NISAとiDeCoの対応状況を
確認しておきましょう。

iDeCoでも徐々に取り扱い会社が増えてきています。実質コストは
最安値なので、8資産均等型のバランスファンドをを自分のポート
フォリオに組入れたい人はこのファンドがおすすめです。

積立NISA iDeCo
SBI証券(セレクトプラン)
松井証券
マネックス証券

※2018年12月時点

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価まとめ

ファンドの運用ではアセットアロケーションが重要だ。ということを
聞いたことがある投資家の方も多いかと思います。

そうするとeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)のような、初めから
8つの資産に分散してあるファンドはお手軽で魅力的に見えるでしょう。

しかし、現状あなたが思っているほどバランス型ファンドにメリットが
あると私は思えません。

バランス型ファンドの本当のデメリット。なぜ私はおすすめしないのか

また、国内債券型のファンドに投資をする魅力はほとんど皆無ですし、
ベンチマークとしてTOPIXやMSCIエマージング・マーケット・
インデックスもそこまで優秀なベンチマークとは思えません。

何となく8資産に分散して、様々な資産クラスに投資をしている安心な
気になりますが、S&P500やNYダウ、FTSEグローバル・オールキャップ
・インデックス等、優秀なベンチマークにのみ投資をしていったほうが
高パフォーマンスになると思います。

本当に自分で調べてみた?eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)をはるかに上回る圧倒的パフォーマンスを出すアクティブファンド特集