日興アセットマネジメントがなかなか興味深いテーマファンドを
設定してくれました。その名もグローバル全生物ゲノム株式ファンド。

ひと昔前までは、自分の全遺伝子情報を解析するとなれば、数千万円
かかっていたのが、今や1万円程度で解析できるようになりました。

これにより、病気の早期発見が可能になり、希少疾患の治療も行える
ようになることが期待されています。

それ以外にもゲノム革命が進むことで、食糧問題やエネルギー問題までが
解決できると言われており、多くの新規企業が続々とこの分野に乗り込んで
います。

今日は、そんなゲノムをテーマにしたグローバル全生物ゲノム株式ファンドを
徹底分析していきます。

そもそもゲノムとは?

まずゲノムとは何なのか説明していきます。

よくヒトゲノムという言葉を聞くと思いますが、ゲノムというのは
DNAがもつすべての遺伝情報のことです。

人間の場合、1つの細胞に46本の染色体というものがあり、染色体は
以下の図のようにDNAが折りたたまれてできています。

このDNAはカセットテープのテープ部分だと思ってもらうとわかり
やすいかもしれませんが、人間を構成している情報がすべてDNAに
書き込まれています。

そして、そのDNAの中でも特に重要な部分というのが、遺伝子です。
この遺伝子部分を書き換えると突然変異体が生まれてきたり、希少疾患
にかかってしまったりします。

細かい話をし過ぎても仕方ないので、ゲノムというのは1つの細胞がもつ
DNAすべての遺伝情報のことだと覚えておいてください。

ゲノム革命とは?

では、ゲノム革命とは何なのか。それは2つのことを意味します。

1つ目はゲノム解析です。

2006年には人間1人のゲノムを解析するのに2000万ドルかかっていました。
それが、現在では100ドル程度金額で解析できるようになっています。

これにより膨大なゲノムのデータベースを作成できるようになり、
例えばある病気にかかった人とかかっていない人のゲノムを比較する
ことで、遺伝子レベルで問題を特定し、治療をすることが可能になります。

それ以外にも、病気に弱いトマトと、病気に強いトマトのゲノムを
比較することで、病気に強いトマトを栽培できるようになります。

このように、ゲノム解析の低コスト化は非常に重要なイノベーションと
言えるでしょう。

2つ目が、ゲノム編集です。

これは神のハサミと呼ばれることもありますが、DNA配列をハサミで
切って繋ぎ変えることで、遺伝子情報を書き換えるというものです。

これにより、例えば、免疫機能が弱っている人のゲノムを編集し、
免疫力を高めることで病気を治すという試みや、温暖化や環境に強い
作物を作ることで、人口増加や温暖化による不作などに対応すること
もできます。

もちろん倫理的な境界線をどこに引くのかという問題は常に残っています
が、非常に将来性があるということは感じてもらえたのではないでしょうか。

それでは早速ファンドの中身を見ていきましょう。

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの基本情報

投資対象は?

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの投資対象は世界の株式です。
ゲノム関連ビジネスを行う企業及びゲノム技術の恩恵を受ける企業の
株式に投資をしていきます。

組入銘柄数は50銘柄となっており、ファンドの国別構成比を見て
みると、アメリカが80%近くを占めており、次いで、中国・スイス
となっています。


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの運用を実質行っているのは、
アーク・インベストメントです。

このブログでもフィンテックや自動運転関連ファンドで紹介している
ので、もう名前は聞いたことがある人もいるでしょう。

アーク・インベストメントが優れているのは、その独特な調査方法です。

グローバル全生物ゲノム株式ファンドのアナリストはスタンフォード
大学でバイオを学び、研究所に勤めていた専門家です。

一般的な運用会社であれば、企業の財務分析が中心になりますが、彼らは
外部の専門家と意見交換しながら、自分たちの知見を深めていきます。

最新の論文を読み、自分たちでレポートを書いて、広くネット上で専門家
から意見を仰ぐことでさらに磨きをかけるわけです。

当然、このような方法で調査している運用会社はほぼ皆無ですので、
ゲノム技術に関連する知見については、ずば抜けていることになります。

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に
効率よく運用できますし、ファンドの運用で必ず発生する保管費用や
監査費用が相対的に低くなりますので、コストが相対的に低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので
注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの純資産総額は、約1000億円に
まで膨れ上がっており、非常に人気であることがわかりますね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

グローバル全生物ゲノム株式ファンドのコストは、購入時手数料も
しっかり3%かかりますし、信託報酬も高めの設定となっています。

まだ実質コストはわかりませんが、初年度は2%近くになってもおかしく
ありません。

高コストファンドですので、自分の中で確信が持てるまでは様子見
となりそうです

購入時手数料 3.24%(税込)※上限
信託報酬 1.7712%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト まだ不明

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの基準価額は大きく上下に動いて
いますが、そこまで優れたパフォーマンスとはなっていないことが
わかります。


※引用:モーニングスター

類似ファンドとのパフォーマンス比較

グローバル全生物ゲノム株式ファンドへの投資を検討するので
あれば、低コストのインデックスファンドよりもパフォーマンスが
優れているかは確認しておく必要があります。

医療系のファンドではありますが、米国株式の比率が80%程度
なので、先進国株式を代表するインデックスファンドである
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスとパフォーマンスを比較
してみましょう。

ほとんどの期間を通じて、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
のほうがパフォーマンスで勝っていることがわかります。

まだ運用期間が1年と経っていないので、これからのファンドでは
ありますが、現状インデックスファンドに投資をしておけば、
十分ということですね。


※引用:モーニングスター

評判はどう?

それでは、グローバル全生物ゲノム株式ファンドの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

グローバル全生物ゲノム株式ファンドは毎月資金が流入超過と
なっており、非常に人気が高いということがわかりますね。


※引用:モーニングスター

グローバル全生物ゲノム株式ファンドの評価分析

ゲノム分析が低コストで実用化したことと、狙った遺伝子情報だけを
ゲノム編集できるようになったことで、ビジネス的にも無限の可能性
が広がっています。

技術の進歩は急速に進んでいますが、一方で非常に専門的な分野である
ため、普通のアナリストでは詳細な分析が追いつきません。

ですので、いち早く将来性の高い銘柄を選定し、投資ができれば、
あとから他の運用会社が追随してくることになりますので、先行優位性
を発揮して、収益につなげることができるというわけです。

私個人としては非常に面白い分野だと思いますので、今後も継続的に
ウォッチしていきたいと思います。