20年以上前から運用されており、非常に人気の高いインデックスファンドの1つである三菱UFJアセットマネジメントの三菱UFJ インデックス225オープン。
最近のファンドと比べると間違いなく手数料が高くなっていますが、実態はどうなっているのか、今日は独自の目線で徹底分析していきます。
- 三菱UFJ インデックス225オープンって投資対象としてどうなの?
- 三菱UFJ インデックス225オープンって持ってて大丈夫なの?
- 三菱UFJ インデックス225オープンより良いファンドってある?
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
三菱UFJ インデックス225オープンの基本情報
投資対象は?
三菱UFJ インデックス225オープンの投資対象は、日本の株式です。日経225(配当込み)に連動する投資成果を目指すファンドですので、典型的なインデックスファンドです。
業種別の構成比率をいると、電気機器の比率が高くなっていますね。
※引用:マンスリーレポート
三菱UFJ インデックス225オープンの現在の組入銘柄数は225銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、三菱UFJ インデックス225オープンの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。早期償還のリスクもありますね。
また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
一方、純資産総額が大きく、直近も純資産が増え続けているファンドは、多くの投資家が継続的に投資をしていることになるので、ファンドの評判をはかる指標の1つになります。
500~1000億=人気、1000億円以上=かなり人気と考えていいです。
三菱UFJ インデックス225オープンの純資産総額は、現在約1485億円です。純資産はかなり増減していますが、それでもかなり規模は大きいので、人気の高いファンドの1本と言えます。規模の大きさとしても問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
三菱UFJ インデックス225オープンの実質コストは0.552%となっており、近年登場した超低コストのインデックスファンドと比較をすると、かなり割高となっているので、あえてこの1本を選ぶ理由がありません。
購入時手数料 | 0.55%(税込)※上限 |
信託報酬 | 0.55%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.552%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
三菱UFJ インデックス225オープンの独自評価と分析
基準価額をどう見る?
三菱UFJ インデックス225オープンの基準価額を見てみましょう。
22年は横ばいでしたが、2023年、2024年は、日経平均が30,000円、40,000円を大きく超えてきたので、その恩恵を受けています。今後、こんなに上昇を続けることは早々ないでしょうね。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、三菱UFJ インデックス225オープンの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは19.99%となっています。どの期間においても、10%以上の利回りとなっているので、悪くないパフォーマンスではあることはこの時点でわかります。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +19.99% |
3年 | +12.82% |
5年 | +14.87% |
10年 | +11.19% |
※2024年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
三菱UFJ インデックス225オープンは、国内大型グロースカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
三菱UFJ インデックス225オープンは、どの期間においても平均的な水準となっており、インデックスファンドとしては及第点といったところです。
上位●% | |
1年 | 47% |
3年 | 42% |
5年 | 54% |
10年 | 34% |
※2024年9月時点
年別のパフォーマンスは?
三菱UFJ インデックス225オープンの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2018年と2022年以外はプラスで、2桁プラスの年も多くなっており、この10年の日本株の好調さを物語っていますね。
年間利回り | |
2024年 | +19.40%(1-6月) |
2023年 | +30.24% |
2022年 | ▲7.92% |
2021年 | +5.94% |
2020年 | +17.68% |
2019年 | +20.10% |
2018年 | ▲10.69% |
2017年 | +20.90% |
2016年 | +1.86% |
2015年 | +10.48% |
2014年 | +8.60% |
※2024年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
三菱UFJ インデックス225オープンに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、三菱UFJ インデックス225オープンと日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ互角のパフォーマンスです。ベンチマークになっているのが、同じ日経225なので、当然の結果ですが、信託報酬の分だけニッセイ日経225インデックスファンドが上回っています。
5年、10年の期間でも、三菱UFJ インデックス225オープンとニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマンスを比較してみても同じ結果ですので、あえて手数料が高い三菱UFJ インデックス225オープンを選ぶ理由がありません。
年平均利回り | 三菱UFJ 225 | ニッセイ日経 225 |
1年 | +19.99% | +20.41% |
3年 | +12.82% | +13.16% |
5年 | +14.87% | +15.19% |
10年 | +11.19% | +11.42% |
※2024年9月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
三菱UFJ インデックス225オープンに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内の大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、三菱UFJ インデックス225オープンのパフォーマンスが上回っています。
ただ、5年、10年の中長期のパフォーマンスでみると、厳選投資が上回っており、インデックスファンドの利回りでは物足りないという人は、自分のポートフォリオの一部に厳選投資を組み入れてみるのも面白いと思います。
年平均利回り | 三菱UFJ 225 | 厳選投資 |
1年 | +19.99% | +32.12% |
3年 | +12.82% | +11.43% |
5年 | +14.87% | +15.94% |
10年 | +11.19% | +14.39% |
※2024年9月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、三菱UFJ インデックス225オープンの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲23.73% |
3カ月 | ▲35.38% |
6カ月 | ▲41.58% |
12カ月 | ▲48.02% |
※2024年9月時点
三菱UFJ インデックス225オープンの最大下落率は2007年11月~2018年10月で▲48.02%となっています。リーマンショック時がもう一度来ると、これくらいは資産が目減りしますので、その覚悟をもって投資をしないといけませんね。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
三菱UFJ インデックス225オープンの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、三菱UFJ インデックス225オープンの評判を見てみましょう。
流入超過となっている月もありますが、思った以上に流出超過となっている月も多く、評判はよくありません。わざわざ高いコストを支払って、インデックスファンドに投資をするのも馬鹿らしいので、当然と言えば、当然の結果です。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
三菱UFJ インデックス225オープンはNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2024年9月時点
三菱UFJ インデックス225オープンの個人的評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
インデックスファンドに投資をするのであれば、コストが最安値ではなかったとしても、ある程度、同じレベルの信託報酬になっているファンドを選択するべきです。
特に近年ではインデックスファンドの低コスト化が進み、日経平均をベンチマークとするインデックスファンドでも、emaxis slim 国内株式(日経平均)を始め、0.1%台の信託報酬のファンドがいくつも出てきています。
三菱UFJ インデックス225オープンとの差は0.4%以上あることになりますので、1年では大した差にはなりませんが、5年、10年と運用すれば、大きな差になってきます。
ですので、三菱UFJ インデックス225オープンに投資をしている人は、より低コストのインデックスファンドに乗り換えることを検討するのがよいと思います。
証券会社や運用会社にたくさん手数料を支払ってあげたいという人は、そのまま運用を継続してください。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点