日常生活に不可欠な情報・身体・移動などの安全を支える製品・サービスに投資をしていくアセット・マネジメントOneのグローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)。
果たして、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)とはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
「グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)って投資対象としてどうなの?」
「グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)って持ってて大丈夫なの?」
「グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の基本情報
投資対象は?
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の投資対象は、日常生活に不可欠な「情報・身体・移動等」の安全を支える製品・サービスを提供する企業の株式です。
「セキュリティ」と聞くと、サイバーセキュリティをイメージする方が多いかもしれませんが、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)では、サイバーセキュリティ以外に、ライフセキュリティやモビリティセキュリティも投資対象としていきます。
国別の構成比を見てみると、米国が役70%、次いで、イスラエル、イギリスとなっています。
※引用:マンスリーレポート
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の現在の組入銘柄数は49銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の純資産総額は、現在約440億円です。2021年ごろまでは順調に資産が増えていましたが、20222年以降はほぼ横ばいとなっています。ただ、規模としては問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の実質コストは1.979%となっており、かなり割高です。購入時手数料も3.3%かかるので、投資をする際は慎重に投資判断をしてください。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.950%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3%(税込) |
実質コスト | 1.979%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の評価分析
基準価額をどう見る?
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の基準価額を見てみましょう。
分配金を受け取らずに運用にまわした場合の基準価額は、右肩上がりに順調に上昇しています。出た利益の大半を分配金に回しているようですね。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは2.84%でいまいちですが、3年、5年平均利回りは2桁のプラスとなっており悪くないように見えます。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +2.84% |
3年 | +15.13% |
5年 | +12.96% |
10年 | ー |
※2023年11月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)は、国際株式・グローバル・除く日本カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)は、残念ながら、どの期間においても平均以下となっています。
上位●% | |
1年 | 83% |
3年 | 80% |
5年 | 67% |
10年 | ー |
※2023年11月時点
年別のパフォーマンスは?
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2022年はマイナスとなっていますが、それ以外の年は2桁プラスとなっており、好調ぶりがわかります。
年間利回り | |
2023年 | +20.98%(1-9月) |
2022年 | ▲10.63% |
2021年 | +29.06% |
2020年 | +16.8% |
2019年 | +30.54% |
※2023年11月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)に投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、MSCIコクサイ・インデックスを採用しているeMAXIS Slim 先進国株式インデックスとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスのほうが上回っています。
より長期の利回りで比較をしても、同じ結果となっているので、これではあえて高いコストを支払ってまで、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)に投資をするメリットがありません。
年平均利回り | グローバル・セキュリティ | slim 先進国株式 |
1年 | +2.84% | +9.96% |
3年 | +15.13% | +21.91% |
5年 | +12.96% | +15.25% |
10年 | ー | ー |
※2023年11月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)に投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、先進国株式に投資をするアクティブファンドで非常に優れた成果を残している大和住銀DC海外アクティブファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、2022年以降、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)が大和住銀 DC海外株式アクティブファンドを大きく引き離す展開となりました。
ただ、より長期のパフォーマンスでは、大和住銀 DC海外株式アクティブファンドのほうが上回っており、長期目線で投資をするなら、大和住銀 DC海外株式アクティブファンドのほうがおすすめです。
年平均利回り | グローバル・セキュリティ | 大和住銀DC海外アクティブファンド |
1年 | +2.84% | +13.18% |
3年 | +15.13% | +12.17% |
5年 | +12.96% | +16.14% |
10年 | ー | +14.20% |
※2023年11月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲13.34% |
3カ月 | ▲18.44% |
6カ月 | ▲15.08% |
12カ月 | ▲10.63% |
※2023年11月時点
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の最大下落率は2018年10月~2018年12月で▲18.44%となっています。まだあまり大きな下落は経験していませんが、株式ファンドなので、30~40%程度の下落はありえると思っておいたほうがよいでしょう。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
分配金の推移は?
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の分配金の払い出し状況はどうでしょうか。
分配金利回りにして10%近い分配金を出している月が多いので、投資家としては嬉しいですね。パフォーマンスも悪くないので、タコ足配当になっていない点も安心です。
分配金 | |
2023年 | 1,190円(残1回) |
2022年 | 600円 |
2021年 | 2,910円 |
2020年 | 1,220円 |
2019年 | 1,080円 |
※2023年11月時点
評判はどう?
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の評判を見てみましょう。
2020年、2021年は毎月資金が流入しており順調でしたが、2022年以降流出超過の月が増えています。
直近のパフォーマンスが優れませんので、このまま資金の流出が続き、当面評判はよくなる兆しはありません。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)はNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2023年11月時点
グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
セキュリティと聞くと、サイバーセキュリティのことをイメージする人も多いと思いますが、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)の投資対象はライフセキュリティやモビリティセキュリティも含まれています。
正直、こじつけ感が否めませんが、投資をする際に、ファンドの中身をある程度見ておかないと、思っていたのと投資先が違うということもありえますので、注意してください。
またアクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インデックスファンドにパフォーマンスで勝っていることが条件です。そうでなければ、わざわざ高いコストを支払って投資をするメリットもありません。
その点、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)はeMAXIS Slim先進国株式インデックスに常にパフォーマンスで劣後しており、これでは高いコストを支払ってまで、グローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型)に投資をするメリットはないでしょう。
分配金の支払いが健全と言う点だけは評価できますが、インデックスファンドに投資をしたほうが多くの利益を受け取ることができますよ。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点