最近では当たり前となった米国株投資ですが、20年以上から米国株式に注目し設定されたのが、フィデリティ投信ののフィデリティ・米国優良株・ファンドです。
北米カテゴリーの中でも、かなりパフォーマンスが優秀なファンドなので今日紹介していきます。
「フィデリティ・米国優良株・ファンドって投資対象としてどうなの?」
「フィデリティ・米国優良株・ファンドって持ってて大丈夫なの?」
「フィデリティ・米国優良株・ファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
フィデリティ・米国優良株・ファンドの基本情報
投資対象は?
フィデリティ・米国優良株・ファンドの投資対象は、米国の取引所に上場している株式です。個別企業分析により国際的な優良企業や将来の優良企業に投資をしていきます。
フィデリティは企業調査・運用を専門とするプロフェッショナルが世界各国に在籍しており、彼らの能力がファンドのパフォーマンスの源泉となります。
米国の代表的な指数であるS&P500をベンチマークとして、長期的にベンチマークを上回ることを目指すアクティブファンドなので、S&P500に含まれる銘柄が多く採用されています。
業種別でみると、情報技術やヘルスケアの比率が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
現在のフィデリティ・米国優良株・ファンドの組入銘柄数は45銘柄となっています。米国の超大型銘柄を中心に投資をしており、ポートフォリオに珍しさはないですね。
※引用:マンスリーレポート
つみたてNISAとiDeCoの対応状況は?
フィデリティ・米国優良株・ファンドのつみたてNISAやiDeCoの対応状況ですが、残念ながら、どちらも対応していません。
つみたてNISA | iDeCo |
× | × |
※2022年10月時点
純資産総額は?
続いて、フィデリティ・米国優良株・ファンドの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。
フィデリティ・米国優良株・ファンドは2020年頃から急激に純資産を伸ばしており、現在は680億円程度までになっています。パフォーマンスが好調であることもあり、人気が出てきていますね。規模としては十分なサイズです。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
フィデリティ・米国優良株・ファンドの実質コストは1.699%とかなり高くなっています。購入時手数料も高いので、なかなか投資しづらいファンドであることは間違いありませんね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.639%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.699%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
フィデリティ・米国優良株・ファンドの評価分析
基準価額をどう見る?
続いて、フィデリティ・米国優良株・ファンドの基準価額の推移を見てみましょう。
コロナショック以降は、2021年末まで、かなり堅調に推移しており、2022年も多くのファンドが下落している中で、何とかプラスのパフォーマンスを維持できている点は評価に値します。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
続いて、フィデリティ・米国優良株・ファンドの利回りを見ていきます。
直近1年間の利回りは5.77%となっています。3年、5年。10年平均利回りは、13%を超えていますので、かなり優秀なパフォーマンスのように見えます。
ただ、この時点でいいか悪いか判断しないようにしてください。他のファンドと比較をしてから投資判断するようにしましょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +5.77% |
3年 | +18.48% |
5年 | +13.18% |
10年 | +16.38% |
※2022年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している米国株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
フィデリティ・米国優良株・ファンドは北米株式カテゴリーに属しています。
パフォーマンスが良く見えても、実はもっと優れたファンド見つかることもありますので、同カテゴリー内でのパフォーマンスは必ず比較するようにしてください。
フィデリティ・米国優良株・ファンドは、直近1年と10年平均利回りは平均より少し良い程度で、3年平均、5年平均利回りは上位20%に入っています。
悪くはないですが、圧倒的に優秀なパフォーマンスのファンドとも言いづらいですね。
上位●% | |
1年 | 44% |
3年 | 22% |
5年 | 18% |
10年 | 44% |
※2022年10月時点
年別運用パフォーマンスは?
フィデリティ・米国優良株・ファンドの年別の運用パフォーマンスを見てみましょう。
2018年、2022年はマイナスとなっていますが、他の年では2桁プラスを続けており、しっかり長期保有をすることができれば、かなり高いリターンが期待できそうです。
年間利回り | |
2022年 | ▲6.22%(1-9月) |
2021年 | +42.65% |
2020年 | +11.05% |
2019年 | +32.25% |
2018年 | ▲11.90% |
※2022年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとの利回り比較
フィデリティ・米国優良株・ファンドへの投資を検討するのであれば、少なくとも低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが優れていなければ投資する価値がありません。
フィデリティ・米国優良株・ファンドは、米国株に投資をしていきますので、米国の代表的な指数であるS&P500に連動するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較をしました。
※引用:モーニングスター
S&P500をベンチマークとしているだけあって、パフォーマンスはかなり競っています。2022年入ると、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のほうが差を広げていますね。
ほぼ同じパフォーマンスとなると、あえて高いコストを支払て、フィデリティ・米国優良株・ファンドに投資するメリットはないですね。
ただ、パフォーマンス的にはそこまで大きな差があるわけではありません。
フィデ米国優良株 | Slim 米国株式 | |
1年 | ▲5.77% | +9.42% |
3年 | +18.48% | +19.72% |
5年 | +13.18% | - |
10年 | +16.38% | - |
※2022年10月時点
類似ファンドとの利回り比較
アクティブファンドに投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。
今回は、フィデリティ・米国優良株・ファンドと同じように米国株に投資をしているアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコースとパフォーマンスを比較しました。
※引用:モーニングスター
こちらは2021年末までは米国成長株投信が大きくリードしていましたが、2022年以降は米国成長株投信のパフォーマンスが悪化したことで、フィデリティ・米国優良株・ファンドと並ぶ水準にまでなりました。
ただ、より長期のパフォーマンスで見ると、米国成長株投信のほうがパフォーマンスでは上回っています。あえて1本選ぶなら、フィデリティ・米国優良株・ファンドを選ぶことはないと思いますが、十分優れたパフォーマンスのファンドではありますね。
フィデ米国有料株 | 米国成長株B | |
1年 | ▲5.77% | ▲2.18% |
3年 | +18.48% | +19.77% |
5年 | +13.18% | +16.49% |
10年 | +16.38% | +20.33% |
※2022年10月時点
最大下落率はどれくらい?
投資をするにあたって、気になるのが「このファンドはどの程度下落することがあるのか」という点でしょう。標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際の下落幅をみたほうが心構えができます。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲22.64% |
3カ月 | ▲42.02% |
6カ月 | ▲48.74% |
12カ月 | ▲56.79% |
※2022年10月時点
フィデリティ・米国優良株・ファンドは2008年1月~2008年12月の1年間で最大56.79%下落しました。リーマンショック級の暴落が来たときは、これくらい下落することもありますので、株式ファンドに投資をするのであれば、最悪これくらいのことはあり得ると思って投資をするようにしてください。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
フィデリティ・米国優良株・ファンドの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。
資金が流入しているということは、それだけフィデリティ・米国優良株・ファンドを購入している人が多いということなので、評判が良くなっているということです。
フィデリティ・米国優良株・ファンドは2021年以降、毎月、資金流入しており、評判がよくなってきていますね。パフォーマンスが向上しているので、当然の結果と言えば、当然でしょう。
※引用:モーニングスター
フィデリティ・米国優良株・ファンドの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
2022年は米国市場も数年ぶりに下落トレンド入りしており、最近投資を始めた人はアタフタしている人もいると思います。
しかし、米国市場は過去何回も大きく下落した後も、必ずそれを乗り越え、高値を更新してきました。
そういう意味では、やはり米国株は底堅い投資先の1つだと思います。
その点、フィデリティ・米国優良株・ファンドは直近10年のパフォーマンスで見ても、優秀ですし、eMAXIS Slim米国株式のような超低コストのインデックスファンドや米国成長株投信のようなアクティブファンドとも対等に戦える程度のパフォーマンスとなっています。
ですので、高いコストを支払ってでも投資価値のある数少ないファンドの1つだと思います。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点