15年前から運用されており、直近になって急激に人気を獲得しているのが、キャピタルインターナショナルのキャピタル日本株式ファンドです。
果たして、キャピタル 日本株式ファンドとはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
- キャピタル 日本株式ファンドって投資対象としてどうなの?
- キャピタル 日本株式ファンドって持ってて大丈夫なの?
- キャピタル 日本株式ファンドより良いファンドってある?
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
キャピタル 日本株式ファンドの基本情報
投資対象は?
キャピタル 日本株式ファンドの投資対象は、日本の株式です。
企業の収益性、成長性、安定性等を総合的に勘案し、銘柄選定を行うことを基本としています。運用にあたってはファンダメンタルズ調査に基づく銘柄選択により超過収益の獲得を目指すボトムアップ・アプローチをベースとしたアクティブ運用です。
複数のポートフォリオ・マネジャーで構成する運用体制を通じて、投資対象やアイデアの分散を図り、安定的かつ継続的な運用成果の獲得を目指します。
キャピタル 日本株式ファンドの業種別の構成比率をいると、情報・通信業の比率が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
キャピタル 日本株式ファンドの現在の組入銘柄数は82銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
ほとんど聞いたことのある大手企業が多いですね。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、キャピタル 日本株式ファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。早期償還のリスクもありますね。
また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
一方、純資産総額が大きく、直近も純資産が増え続けているファンドは、多くの投資家が継続的に投資をしていることになるので、ファンドの評判をはかる指標の1つになります。
500~1000億=人気、1000億円以上=かなり人気と考えていいです。
キャピタル 日本株式ファンドの純資産総額は、現在約713億円です。
2021年以降、パフォーマンスが好調になるにつれて、純資産もかなり大きく増えており、人気が出てきていることがわかります。規模としては十分な大きさです。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
キャピタル 日本株式ファンドの実質コストは1.67%となっており、後述しますが、インデックスファンド等と比べるとかなり割高になっています。普通であれば、まず選択肢に入らない水準ですね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.584%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.67%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
キャピタル 日本株式ファンドの独自評価と分析
基準価額をどう見る?
キャピタル 日本株式ファンドの基準価額を見てみましょう。
2022年は停滞ぎみでしたが、2023年、2024年と大きく上昇しています。日経平均40,000円突破の恩恵を受け、大きく高値を更新しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、キャピタル 日本株式ファンドの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは14.47%となっています。どの期間においても、8%以上の利回りとなっているので、これくらいの利回りであれば、今後も十分期待できそうです。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +14.47% |
3年 | +8.31% |
5年 | +13.59% |
10年 | +9.08% |
※2024年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
キャピタル 日本株式ファンドは、国内大型グロースカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
キャピタル 日本株式ファンドは、悪くないパフォーマンスに見えましたが、同カテゴリー内では、下位30%に入ってしまっています。他にもっと優れたファンドがあるということですね。
上位●% | |
1年 | 80% |
3年 | 72% |
5年 | 75% |
10年 | 80% |
※2024年9月時点
年別のパフォーマンスは?
キャピタル 日本株式ファンドの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
ここ数年は2桁プラスが当たり前になっており、マイナスの年もありますが、十分カバーできていますね。
年間利回り | |
2024年 | +14.87%(1-6月) |
2023年 | +20.63% |
2022年 | ▲8.62% |
2021年 | +11.42% |
2020年 | +19.13% |
2019年 | +20.01% |
2018年 | ▲18.57% |
2017年 | +24.60% |
2016年 | ▲1.61% |
2015年 | +8.54% |
※2024年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
キャピタル 日本株式ファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、キャピタル 日本株式ファンドと日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、ニッセイ 日経225インデックスファンドがアウトパフォームしています。
より長期の利回りではどうでしょうか。
年平均利回り | キャピタル 日本株式ファンド | ニッセイ日経 225 |
1年 | +14.47% | +20.41% |
3年 | +8.31% | +13.16% |
5年 | +13.59% | +15.19% |
10年 | +9.08% | +11.42% |
※2024年9月時点
5年、10年の期間でも、ニッセイ 日経225インデックスファンドの利回りのほうが高いので、これでは高いコストを支払ってまで投資をしようという気にはなれません。
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
キャピタル 日本株式ファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内大型株カテゴリーで非常に人気の高いスパークス・新・国際優良株ファンド(厳選投資)とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、かなり競ってはいますが、厳選投資のほうがパフォーマンスで上回っています。
さらに、5年、10年平均利回りでも、厳選投資のほうがはるかに利回りが高くなっており、あえて選ぶにしても長期のパフォーマンスが優れている厳選投資に投資をしたいものです。
年平均利回り | キャピタル 日本株式ファンド | 厳選投資 |
1年 | +14.47% | +32.12% |
3年 | +8.31% | +11.43% |
5年 | +13.59% | +15.94% |
10年 | +9.08% | +14.39% |
※2024年9月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、キャピタル 日本株式ファンドの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲11.84% |
3カ月 | ▲20.18% |
6カ月 | ▲19.93% |
12カ月 | ▲25.97% |
※2024年9月時点
キャピタル 日本株式ファンドの最大下落率は2015年7月~2016年6月で▲25.97%となっています。ちょうどリーマンショックの後からの運用だったこともあり、そこまで大きな下落は経験していないようですね。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
キャピタル 日本株式ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、キャピタル 日本株式ファンドの評判を見てみましょう。
2021年以降、パフォーマンスが改善したことにより、毎月流入超過が続いていましたが、2024年に入って、流出超過の月が出てきています。
2024年もパフォーマンスは好調なので、これは一部利益確定の売りが出ているのかもしれません。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
キャピタル 日本株式ファンドはNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
× | × |
※2024年9月時点
キャピタル 日本株式ファンドの個人的評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。
しかし、キャピタル 日本株式ファンドはそもそもパフォーマンスでインデックスファンドに負けてしまっています。
かつ同カテゴリーのアクティブファンドの中で比較をしても、パフォーマンスは平均以下となっており、高いコストを支払って投資をするにしても、あえて選ぶ1本にはなりづらいです。
中長期でみれば、年5~6%のリターンは期待できますが、他にもっと優れたファンドがある中で、あえて、キャピタル日本株式ファンドに投資をするのはもったいないですね。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点