近年、基準価額の変動幅を一定の範囲に限定したリスク
抑制型のファンドが非常に人気となっています。

 

今までのファンド運用はある意味、プロのファンドマネ
ジャーに運用をお願いするだけで、あとは放置の状態な
ので、相場状況によっては、思った以上にマイナスが大き
くなることが多々ありました。

 

そこで登場してきたのがあらかじめリスクを3%や4%以内
と限定することで、自分の資産の変動幅をある程度予測が
できるファンド達です。

 

今日は、三井住友DSアセットの先進国国債ファンド(リスク
抑制型)『愛称:未来のコツ』について独自目線で分析して
いきます。

 

 

『未来のコツ』先進国国債ファンド(リスク抑制型)の基本情報

投資対象は?

みらいのコツの投資対象は、日本を含む先進国の国債です。
投資魅力の高い残存年数の国債を選択肢し、安定性を重視した
運用を行います。

 

市場環境の変化に合わせて、ポートフォリオ全体のリスクを
調整することで、基準価額の変動幅を年率2%以内に収まる
ようにリスクをコントロールして運用していきます。

 

具体的にどの国の債券を組み入れているのか見てみましょう。

 

未来のコツではフランス国債の比率が約16%、次いで日本、
アメリカ、ドイツとなっています。ファンドのリスクを抑える
ために、通常ではあまり見ないフランスや日本の比率が高く
なっていますね。

 

また債券の平均格付もAA-ですので、信用リスクは気にしなくても
大丈夫でしょう。

 

コロナショックの影響で、短期金融商品の比率がなんと70%を
超えており、かなりリスクを警戒しています。


※引用:マンスリーレポート

 

以下のグラフを見るとよくわかりますが、直近ではかなり
短期金融商品の組入比率が高くなっています。

 

リスクを抑えるために仕方なくではあると思いますが、
投資家観点で見れば、この部分はただコストを取られる
だけですので、デメリットでしかありません。

純資産総額は?

続いて、みらいのコツの純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた
投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

 

インデックスファンドの運用において、純資産総額という
のも見るべきポイントです。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまう
リスクがあります。

 

また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

つみたて日本株式(日経平均)は下図のように2018年の新規
設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額
は約380億円となっています。

 

ファンドの規模としても100億円をすでに超えているので特に
気にする必要はないでしょう。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

特に、未来のコツの場合は、短期金融商品の比率が高く
なるほど、その分、コストだけが取られる構造となって
いますので、注意が必要です。

 

みらいのコツの実質コストは約0.543%となっており、
通常のアクティブファンドと比べると、かなりコストは
抑えられています。

 

しかし、短期金融商品部分はほぼリターンはゼロなので、
自動的にマイナスになるのが確定していると言えます。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 1.1%(税込)※上限
信託報酬 0.528%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.543%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

『未来のコツ』先進国国債ファンド(リスク抑制型)の評価分析

基準価額の推移は?

みらいのコツの基準価額は、2018年はほぼ変動しませんでしたが、
2019年に入り大きく上昇しています。

 

コロナショックの影響で2%ほど下落はしていますが、リスク抑制
型というだけあって、下落幅がかなり抑えられています。

 

株式ファンドに投資をしていて大きく損失を出している人に
とっては魅力的に映るかもしれません。


※引用:モーニングスター

 

利回りは?

つづいて、みらいのコツの運用実績を見てみましょう。

 

直近1年間の平均利回りは1.19%となっており、国債債券
カテゴリーの中でも上位5%程度に入っています。

 

コロナショックの直後ということもあり、リスク抑制
をして運用したファンドが軒並み上位にランクイン
しています。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解
しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 1.19% 5%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

 

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅を見る上で役に立つ指標です。

 

みらいのコツの標準偏差を見てみると、2.65%とかなり
抑えられていることがわあります。カテゴリー内でも
上位に位置しており、優秀な成果を残せています。

 

コロナショックで実際にリスクを抑えて運用ができて
いるファンドは今後注目を集めてくると思います。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

 

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 2.65 15%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

 

年別のパフォーマンスは?

つづいて、みらいのコツの年別のパフォーマンスを見て
みましょう。

 

まだ運用期間が短いですが、2020年のコロナショックを
受けても、未だトータルはプラスとなっており、安定感
が非常にあります。

年間利回り
2020年 0.03%(1-3月)
2019年 3.81%
2018年

※2020年4月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

 

類似ファンドとのパフォーマンスの差は?

高いコストを支払ってまでアクティブファンドに投資を
するのであれば、低コストで投資ができるインデックス
ファンドとパフォーマンスを比較してから投資をしても
遅くはありません。

 

今回は、超低コストで先進国債券ファンドに投資ができる
eMAXIS Slim先進国債券インデックスとパフォーマンスを
比較してみました。

 

見てわかる通り、未来のコツが上回っている時期もあるの
ですが、コロナショック前後で、eMAXIS Slim 先進国債券
インデックスが追い抜いています。

 

まだもう少し長期間のパフォーマンスで判断したいところ
ではありますが、ほぼパフォーマンスが同じなのであれば、
より低コストのインデックスファンドに投資をしておく
ほうが賢明ですね。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が
気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性がある
のかという点です。

 

まだ設定来の期間が短くデータが少ないですが、最大下落率を
見てみましょう。

 

未来のコツは運用期間が短いというのもあるのですが、最大
下落率は異常に小さいです。

 

当然、今後大きな下落相場が来ると最大下落率は大きくなると
思いますが、リスクを抑えた運用しているので、そこまで
大きな下落率にはならないでしょう。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲1.30%
3カ月 ▲1.19%
6カ月 ▲0.80%
12カ月 +1.19%

※2020年4月時点

 

評判はどう?

続いて、みらいのコツの評判を見ていきましょう。

 

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

 

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを
購入しているということなので、評判がいいということになり
ます。

 

2018年の新規設定以来、毎月資金流入しており、評判も上々
であるようです。直近ではコロナショックの影響でわずかに
流出していますが、パフォーマンスにはそこまで大きな影響
が出ていないので、また流入超過となっていくと思います。

 


※引用:モーニングスター

 

『未来のコツ』先進国国債ファンド(リスク抑制型)の評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

リスク抑制型のファンドというのは、基準価額の変動幅が非常に
小さいので、初心者の投資家の方には、メリットが大きいように
感じます。

 

ただ、リスクを抑えるために、キャッシュポジションを高めたり、
利回りの低い債券を組み入れるというのは正しい選択なのか
甚だ疑問が残ります。

 

特に、未来のコツは投資している資産の70%を短期金融
商品(キャッシュ)で保有していますので、投資家はただ
手数料が取られるのを見ていくだけの状態です。

 

手数料を支払っているのであれば、しっかりと運用に
資金を回してほしいものです。

 

また先進国債券インデックスと比較をすると、現時点では
未来のコツよりパフォーマンスが優れていますので、あえて
未来のコツに投資をしなくても、より低コストで投資ができる
eMAIXS Slim 先進国債券インデックスに投資をしておくのが
おすすめです。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点