近年では、大手運用会社が競って出している超低コストのインデックスファンド。
三井住友・225オープンも、一昔前は低コストインデックスファンドの最前線で競っていましたが、今では影を潜めています。
果たして、近年の超低コストファンドと比べてパフォーマンスにどの程度差が出てくるのか、今日は三井DSアセットの三井住友・225オープンを徹底分析したいと思います。
こんなことがわかる
- 三井住友・225オープンは投資対象としてあり?なし?
- 三井住友・225オープンより良いファンドはある?
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
三井住友・225オープンの評判や口コミは?
まず、皆さんが一番気になるであろう三井住友・225オープンの評判や口コミを見ていきます。
三井住友・225オープンの評判を知る上でいくつかの方法があります。
①純資産総額から見える評判
純資産総額とは、投資家から集めまっている資金の総額(運用益を含む)だと思ってください。
純資産総額が大きい=多くの投資家が将来性を感じて投資をしていることになるため、評判の良さを測る上での1つの指標になります。
あくまでも感覚値ですが、
ポイント
- 100億以下=評判よくない
- 100~500億=どっちつかず
- 500億円以上=評判いい
- 1000億円以上=かなり評判いい
と思っておけばいいです。
では、三井住友・225オープンの純資産総額がいくらかと言うと、2024年9月時点で約1850億円ですので、かなり評判のいいファンドだと判断できます。
※引用:マンスリーレポート
②月次の資金流出入額から見える評判
資金流出入額では、毎月ファンドに資金が流入しているのか流出しているのかがわかります。
純資産総額と併せて、資金流出入額を見ることで、純資産額が大きくても、評判が落ちてきているファンドに気づくことができます。
例えば、AIやDX、ヒトゲノム、モビリティなど、特定のテーマが非常に人気になり、資金が大量に流入し、純資産総額が1000億円をゆうに超えているファンドが多数あります。
ただ、中にはテーマの人気がなくなり、どんどん資金が流出しているファンドもあるのですが、それでも依然1000億円以上の純資産総額のファンドもあります。
こういったファンドはピークが過ぎており、お世辞にも評判が良いとは言えないわけですが、純資産総額だけを見ていても、判断ができません。
そのため、月次の流出入額を見ることで、資産規模が大きく今も流入を続けている評判の良いファンドなのか、資産規模が大きいが流出が続いており、評判は良くないファンドなのかを判断する役に立ちます。
三井住友・225オープンは、資金が流出している月もありますが、総じて資金が流入している月が多く、評判は良いことがわかります。
※引用:ウエルネスアドバイザー
③Yahoo!ファイナンス掲示板やXの口コミから見える評判
ここでは、Yahoo!ファイナンス掲示板やXでの口コミをまとめました。
口コミ①
日経平均に連動するインデックスファンドは多くの運用会社が運用していますが、指数の値動きはどこも同じですので、コストの差が、パフォーマンスの差に繋がります。
三井住友・225オープンは昔に設定されたファンドということもあり、最近組成されたインデックスファンドと比べると、信託報酬が4倍、5倍近く高いです。
長期で見れば見るほど、この差はパフォーマンスに大きく影響してくるので、今のままで良いかは検討の余地があります。
口コミ②
今まで日の目を見ることがなかった日本株ですが、2023年以降はかなり盛り上がっています。運用がうまくいかない時期があるからこそ、大きく伸びる可能性を秘めているので、10年、20年は運用するつもりで投資を継続するようにしてください。
さて、ここまで三井住友・225オープンの評判や口コミを見てきましたが、
要注意
投資において、よくわからないからという理由で、評判や口コミだけを信じて投資をする人は三流投資家です。
多くの投資家を見てきましたが、ほぼ100%どこかで大損します。
ですので、他人の評判だけをアテにするのではなく、自分でもちゃんと納得した上で投資をしたい人は、私が独自の切り口で、三井住友・225オープンを評価・分析していますので、参考にしてください。
投資はどこまでいっても自己責任です。評判だけを頼りに投資をしている人よりも1ランク2ランクは軽くレベルアップできるはずです。
三井住友・225オープンの独自評価と分析
投資対象は?
三井住友・225オープンは、国内株式のうち日経225採用銘柄を主要投資対象とし、原則として等株数投資することで同株価に連動する投資成果を目指します。
直近の組入上位業種と銘柄は以下の通りです。組入銘柄数は225銘柄なので、完全に日経平均株価と連動させるような組入れ方をしていることがわかります。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
純資産総額は投資信託を見極める際に大切なポイントとなります。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。早期償還のリスクもありますね。
また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。最低でも50億円、余裕を持って100億円はほしいところです。
三井住友・225オープンは1998年に設定されて以来、20年近く運用されています。直近では1850億円規模となっており、インデックスファンドとしては規模はかなり大きいです。
ただ、後述しますが、コスト面等を考慮すると、他のファンドへの乗り換えを検討したほうがいいでしょう。
※引用:三井DSアセットマネジメント HP
実質コストは?
投資信託には、目論見書に書かれている購入時手数料や信託報酬以外にも費用がかかっていることをご存知ですか?
これを実質コストと言います。
実質コストには、株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれており、信託報酬だけを頼りに投資判断をしていると、あとから痛い目を見ることがあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
三井住友・225オープンの実質コストは0.664%です。近年の低コストのインデックスファンドだとこのコストの3分の1、4分の1で投資ができますので、この実質コストの高さでは戦えません。
購入時手数料がかかるのも、いま時のファンドではありえないので、評価が下がりますね。
購入時手数料 | 1.1%(税込)※上限 |
信託報酬 | 0.66%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3% |
実質コスト | 0.664%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
基準価額をどう見る?
それでは、三井住友・225オープンの基準価額の推移を見てみましょう。
2022年はほぼ横ばいでしたが、2023年、2024年は日経平均が絶好調であることもあり、基準価額が大きく伸びています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
三井住友・225オープンの利回りを見てみましょう。
平均利回り | |
1年 | +20.03% |
3年 | +12.89% |
5年 | +14.97% |
10年 | +11.27% |
※2024年9月時点
直近の1年間は+20.03%となっており、3年、5年、10年平均利回りでは約10%以上のリターンを安定的に出しています。
一見すると、十分なパフォーマンスに感じますが、やはり他のファンドと比較をしてからでも投資は遅くありません。
同カテゴリー内での利回りランキングは?
三井住友・225オープンは、国内大型グロースカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
三井住友・225オープンは10年のパフォーマンスこそ上位30%内にしますが、それ以外は平均的な水準となっていますので、まだまだ上がいることがわかります。
上位●% | |
1年 | 42% |
3年 | 36% |
5年 | 46% |
10年 | 27% |
※2024年9月時点
年別の運用利回りは?
続いて、三井住友・225オープンの年別の運用利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
三井住友・225オープンの年間パフォーマンスを見てみると、2018年・2022年は優れませんでしたが、それ以外の年ではしっかりとプラスのリターンを維持することができています。
年間利回り | |
2024年 | +19.43%(1-6月) |
2023年 | +30.43% |
2022年 | ▲7.99% |
2021年 | +6.07% |
2020年 | +17.86% |
2019年 | +20.20% |
2018年 | ▲10.75% |
2017年 | +20.86% |
2016年 | +1.93% |
2015年 | +10.64% |
2014年 | +8.69% |
※2024年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略類似ファンドとの利回り比較
三井住友・225オープンへ投資をするのであれば、他のインデックスファンドとパフォーマンスを比較してからでも遅くはありません。
実質コストを込みで考えると、信託報酬が安くても、パフォーマンスが優れないといったことが時々起こります。
今回は、日経225に連動するインデックスファンドの中でも、信託報酬が最安値クラスのニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較をしてみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
結果は信託報酬分、ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうが勝ちました。
長期運用を前提とした場合、年間数%の差が大きな差を生むことになりますので、できる限りコストは安いファンドを選ぶようにしてください。
三井住友225 | ニッセイ225 | |
1年 | +20.03% | +20.41% |
3年 | +12.89% | +13.16% |
5年 | +14.97% | +15.19% |
10年 | +11.27% | +11.42% |
※2024年9月時点
アクティブファンドとの利回り比較
三井住友・225オープンのようなインデックスファンドに投資をするのであれば、コストは高くなるものの高い利回りが期待できるアクティブファンドと利回りを比較してから投資をしても遅くはありません。
今回は、国内のアクティブファンドで有名なスパークスの新・国際優良日本株ファンド『厳選投資』と比較をしました。
※引用:ウエルスアドバイザー
かなり競った時期もありましたが、直近3年はほとんどの期間で、三井住友・225オープンがリードしています。
ただ、10年平均利回りでみると、厳選投資のほうがパフォーマンスで差をつけていますので、こういうファンドであれば、インデックスファンド以外へも投資を検討してみてもよいと思います。
三井住友225 | 厳選投資 | |
1年 | +20.03% | +32.12% |
3年 | +12.89% | +11.43% |
5年 | +14.97% | +15.94% |
10年 | +11.27% | +14.39% |
※2024年9月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲24.04% |
3カ月 | ▲35.65% |
6カ月 | ▲41.93% |
12カ月 | ▲48.29% |
※2024年9月時点
三井住友・225オープンの最大下落率は、2007年11月~2008年10月の1年間で▲48.29%です。
この時期国内株式に投資するファンドは、だいたい50%ほど下落していましたので、回避することのほうが難しかったですが、その後長期で保有すればしっかりプラスのリターンとなっていますので、くれぐれもすぐ売却しないようにしてください。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
三井住友・225オープン の個人的評価まとめと今後の見通し
今までは証券マンや銀行員に勧められて投資信託を買っていた時代でしたが、今後は投資家が投資対象・運用実績などに加えコストなども自分で比較して、投資する時代になってきています。
少し前であれば、三井住友・225オープンも低コストのファンドに含まれていましたが、今では高コストの部類に入ります。
それでも、中長期で年5%程度のリターンは期待できると思いますが、せっかく投資をするのであれば、より低コストのインデックスファンドに投資をするに越したことはありません。
また低コストではなくても運用利回りが高いアクティブファンドというものが、数はかなり少ないですが、存在しています。ですので、高い利回りを求めるのであれば、アクティブファンドに投資をするというのお決して悪い選択肢ではありません。
ぜひいろいろな視点からファンドを分析、比較してみてください。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点