20年以上前から運用されていて、多くの投資家から資金を集めているニッセイアセットマネジメントのニッセイ日本株ファンド。
果たして、ニッセイ 日本株ファンドとはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
- ニッセイ 日本株ファンドって投資対象としてどうなの?
- ニッセイ 日本株ファンドって持ってて大丈夫なの?
- ニッセイ 日本株ファンドより良いファンドってある?
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
ニッセイ 日本株ファンドの基本情報
投資対象は?
ニッセイ 日本株ファンドの投資対象は、国内の株式です。
TOPIX(配当込)をベンチマークとし、中長期的にベンチマークを上回る成果を目指します。
銘柄選定にあたっては、TOPIX構成銘柄をスクリーニングに賭けて絞り込み、最終的に150~300銘柄に絞り込んでいます。
ニッセイ 日本株ファンドの組入銘柄は150銘柄超となっており、銘柄をかなり絞り込むことはしていないようです。
ちなみに組入上位10銘柄は以下のようになっており、超有名企業が上位にランクインしていますね。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、ニッセイ 日本株ファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。早期償還のリスクもありますね。
また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
一方、純資産総額が大きく、直近も純資産が増え続けているファンドは、多くの投資家が継続的に投資をしていることになるので、ファンドの評判をはかる指標の1つになります。
500~1000億=人気、1000億円以上=かなり人気と考えていいです。
ニッセイ 日本株ファンドの純資産総額は、現在約1640億円です。20年以上かけて、着実に純資産を増やしている点は評価に値します。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ニッセイ 日本株ファンドの実質コストは0.885%となっています。アクティブファンドの割には割安にはなっていますが、インデックスファンドと比較をするとまだまだ割高な水準ですね。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.88%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.885%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
ニッセイ 日本株ファンドの独自評価と分析
基準価額をどう見る?
ニッセイ 日本株ファンドの基準価額を見てみましょう。
2022年は伸び悩んでいましたが、2023年に入り、日経平均が40,000円を突破した恩恵を受け、大きく上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、ニッセイ 日本株ファンドの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは16.95%となっています。他の期間においても9%以上の利回りとなっており、悪くない利回りに見えます。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +16.95% |
3年 | +14.08% |
5年 | +14.53% |
10年 | +9.02% |
※2024年9月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ニッセイ 日本株ファンドは、国内大型ブレンドカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
ニッセイ 日本株ファンドは、5年・10年の長期のパフォーマンスは下位25%に位置しているので、もっと中長期のパフォーマンスが優れたファンドが多数あるということがわかります。
上位●% | |
1年 | 81% |
3年 | 35% |
5年 | 72% |
10年 | 82% |
※2024年9月時点
年別のパフォーマンスは?
ニッセイ 日本株ファンドの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2018年、2022年はマイナスとなっていますが、それ以外の年では2桁プラスの年も多くなっています。こうみると、直近10年は日本株が相当強かったことがよくわかりますね。
年間利回り | |
2024年 | 19.15%(1-6月) |
2023年 | +28.81% |
2022年 | ▲2.50% |
2021年 | +15.15% |
2020年 | +1.85% |
2019年 | +15.09% |
2018年 | ▲18.00% |
2017年 | +17.85% |
2016年 | +1.32% |
2015年 | +12.79% |
2014年 | +8.30% |
※2024年9月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
ニッセイ 日本株ファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、ニッセイ 日本株ファンドと日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近、3年間においては、ほぼ全期間でニッセイ 日本株ファンドのパフォーマンスが上回っています。
ただ、5年、10年の期間でみると、ニッセイ 日経225インデックスファンドのパフォーマンスが上回っています。この結果を見る限りは長期で優れた運用ができているニッセイ 日経225インデックスファンドに投資をするほうがおすすめですね。
年平均利回り | ニッセイ 日本株 | ニッセイ日経 225 |
1年 | +16.95% | +20.41% |
3年 | +14.08% | +13.16% |
5年 | +14.53% | +15.19% |
10年 | +9.02% | +11.42% |
※2024年9月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
ニッセイ 日本株ファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内の大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、ニッセイ 日本株ファンドのパフォーマンスが上回っています。
ただ、長期のパフォーマンスでみると、5年、10年平均利回りでは厳選投資が上回っています。どちらかのアクティブファンドに投資をするのであれば、厳選投資を選ぶのが無難でしょう。
年平均利回り | ニッセイ 日本株 | 厳選投資 |
1年 | +16.95% | +32.12% |
3年 | +14.08% | +11.43% |
5年 | +14.53% | +15.94% |
10年 | +9.02% | +14.39% |
※2024年9月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、ニッセイ 日本株ファンドの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲19.68% |
3カ月 | ▲32.14% |
6カ月 | ▲38.99% |
12カ月 | ▲44.24% |
※2024年9月時点
ニッセイ 日本株ファンドの最大下落率は2007年11月~2008年10月で▲44.24%となっています。ただ、2008年以降大きな下落はありません。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
ニッセイ 日本株ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、ニッセイ 日本株ファンドの評判を見てみましょう。
流出超過の月もありますが、総じて流入超過が続いています。パフォーマンスもそこまで悪くないので、評判は良いと言えますね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
ニッセイ 日本株ファンドはどちらも取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | ゆうちょ銀行、池田泉州銀行 |
※2024年9月時点
ニッセイ 日本株ファンドの個人的評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。
今回は、日経平均に連動するインデックスファンドと比較をしたため、TOPIXに連動するニッセイ 日本株ファンドとの比較では、厳密には正しい比較にはなっていません。
しかし、中長期で見ると、ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうがパフォーマンスで上回っており、あえて高いコストを支払ってまで、ニッセイ日本株ファンドに投資をするメリットを感じません。
中長期でみれば、年5~6%のリターンは期待できますが、他にもっと優れたファンドがある中で、あえて、ニッセイ 日本株ファンドに投資をする理由はないですね。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点