米国株の代表的な指数の1つであるNYダウ。2020年以降は非常に優れたパフォーマンスであることからも、さらに多くの投資家から注目を集めています。
今日は、その中でもアセットマネジメントOneが提供するOne NYダウ・インデックス・ファンドについて徹底分析していきます。
「One NYダウ・インデックス・ファンドって投資対象としてどうなの?」
「One NYダウ・インデックス・ファンドって持ってて大丈夫なの?」
「One NYダウ・インデックス・ファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
One NYダウ・インデックス・ファンドの基本情報
投資対象は?
One NYダウ・インデックス・ファンドの投資対象は、米国の株式です。ダウ・ジョーンズ工業株価平均(円換算ベース、為替ヘッジなし)に連動する投資成果を目指して運用を行います。
業種別の構成比率をみると、資本財の比率が高くなっていますね。
※引用:マンスリーレポート
One NYダウ・インデックス・ファンドの現在の組入銘柄数は30銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、One NYダウ・インデックス・ファンドの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
One NYダウ・インデックス・ファンドの純資産総額は、現在約510億円です。毎年着実に純資産を増やしており、人気ぶりがわかります。規模としても問題ありません。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
One NYダウ・インデックス・ファンドの実質コストは0.678%となっており、インデックスファンド中では、かなり割高です。購入時手数料も2.2%かかるのはかなりマイナス評価です。
購入時手数料 | 2.2%(税込)※上限 |
信託報酬 | 0.66%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.678%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
One NYダウ・インデックス・ファンドの評価分析
基準価額をどう見る?
One NYダウ・インデックス・ファンドの基準価額を見てみましょう。
2021年~2023年まで、順調に右肩上がりで上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、One NYダウ・インデックス・ファンドの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは20.55%となっています。3年平均利回りも20%を超えており、かなり優れたパフォーマンスに見えます。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +20.55% |
3年 | +21.48% |
5年 | ー |
10年 | ー |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
One NYダウ・インデックス・ファンドは、国際株式・北米カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
One NYダウ・インデックス・ファンドは、高い利回りのように見えましたが、実際は平均程度のパフォーマンスでした。
上位●% | |
1年 | 54% |
3年 | 40% |
5年 | ー |
10年 | ー |
※2023年10月時点
年別のパフォーマンスは?
One NYダウ・インデックス・ファンドの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2022年は多くの株式ファンドがマイナスになる中で、プラスになっているのは高評価です。安定してプラスの運用ができているファンドは良いですね。
年間利回り | |
2023年 | +15.12%(1-9月) |
2022年 | +6.26% |
2021年 | +34.90% |
2020年 | +1.40% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
One NYダウ・インデックス・ファンドに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、One NYダウ・インデックス・ファンドと北米株で構成されているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較してみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、かなり競っていますが、直近では、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のパフォーマンスが上回っています。
ただ、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はインデックスファンドの中では、かなり優秀な部類のファンドですので、競っていれば十分優れたファンドと言っていいですね。
年平均利回り | One NYダウ・インデックス | slim 米国株式 |
1年 | +20.55% | +23.68% |
3年 | +21.48% | +23.72% |
5年 | ー | +15.80% |
10年 | ー | ー |
※2023年10月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
One NYダウ・インデックス・ファンドに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、北米ファンドで何度も優秀ファンド賞を受賞をしたことがあるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコースと比較をしてみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
2022年以降、One NYダウ・インデックス・ファンドのパフォーマンスが上回っています。もう少し長期の利回りでも比較をしたいところですが、直近3年の結果を見る限りは、高いコストを支払ってアクティブファンドに投資をせずとも、十分ということがわかります。
年平均利回り | One NYダウ・インデックス | 米国成長株投信 |
1年 | +20.55% | +25.71% |
3年 | +21.48% | +18.31% |
5年 | ー | +16.72% |
10年 | ー | +18.21% |
※2023年10月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、One NYダウ・インデックス・ファンドの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲13.71% |
3カ月 | ▲22.25% |
6カ月 | ▲15.42% |
12カ月 | ▲5.47% |
※2023年10月時点
One NYダウ・インデックス・ファンドの最大下落率は2020年1月~2020年3月で▲22.25%となっています。まだ運用期間が短いこともあり、大きな下落は経験していません。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
One NYダウ・インデックス・ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、One NYダウ・インデックス・ファンドの評判を見てみましょう。大きくはないですが、毎月資金が流入しており、評判は良いことが分かります。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
One NYダウ・インデックス・ファンドは、残念ながらどちらも対応していません。
NISA | iDeCo |
× | × |
※2023年10月時点
One NYダウ・インデックス・ファンドの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
NYダウは指数として、かなり優秀なので、NYダウに連動するインデックスファンドに投資をしていれば、大きな失敗はないです。
ただ、注意点として、NYダウに連動するインデックスファンドは各運用会社から登場しています。
ベンチマークが同じ場合、基本は信託報酬の差がパフォーマンスの差になりますので、0.6台のOne NYダウ・インデックス・ファンドはかなり高いです。
今だと、信託報酬が0.2%台のiFree NYダウインデックスやたわらノーロード NYダウなどがありますので、取り扱いがあるのであれば、これらのインデックスファンドを選ぶべきです。
まだOne NYダウ・インデックス・ファンドの場合は購入時手数料がかかりますので、購入時手数料がかからないファンドを選択しましょう。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点