いちよしアセットマネジメントが設定・運用する、
いちよし・中小型成長株ファンド『愛称:あすなろ』。

親会社のいちよし証券・グループ会社のいちよし経済研究所とともに伝統的に
中小型・割安・成長株のリサーチに定評があり、それは大手金融機関のアナリストや
ファンドマネージャーたちも一目置くところです。

そのような同社の旗艦ファンドである本ファンドはどのようなものか、みていきましょう。

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の基本情報

投資対象は?

投資対象はいちよし中小型成長株マザーファンドを通じて、日本の中小型株式に
投資しています。企業の成長性、株価水準の割安度合などをもとに銘柄を
発掘していきます。

現在は、78銘柄に投資をしており、上位の企業を見てみると、
1位のシーイーシーは業務改善や品質向上に必要なICTサービスを
提供する会社です。

2位のアンリツは電子計測器などを作る会社で、
3位のKHネオケムは化学品メーカーです。

あまりなじみのない企業が上位にランクインしているので、
逆に面白いと言えるかもしれません。

※2018年9月時点

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の純資産額は978億円と、
ピーク時の1,000億円台を割れ込んでしまいました。

それでも、中小証券や第二地銀が販売会社の割には立派な水準と言えます。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

中小型成長株ファンド『あすなろ』の実質コストは1.747%とカテゴリー内では
かなり高いです。購入時手数料と合わせると、初年度は5%程度取られますので、
購入には慎重にならざるを得ません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.555%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.747%(概算値)

※第2期 運用報告書(決算日2018年6月28日)より

中小型成長株ファンド『あすなろ』の評価分析

基準価額をどう見る?

いちよし 中小型成長株ファンド『あすなろ』の直近の基準価額は、14,319円です。
優れたファンドだと、2018年1月末の水準をすでに上回ってきているので、
今年に入っての運用はいまいちですね。

利回りはどれくらい?

直近1年のトータルリターンは、9.71%です。まずまずの数値に見えますが、
同じ小型株グロースのカテゴリーでみると68ファンド中53位と奮いません。

国内の中小型株式は非常に好調なファンドが多いため、比較検討することが
とにかく重要です。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法


※2018年9月時点

四半期別運用パフォーマンス

毎年のパフォーマンスがどうだったのかも気になるところだと思いますので、
載せておきます。参考にしてください。

評判は?

中小型成長株ファンド『あすなろ』の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法も
ありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけ中小型成長株ファンド『あすなろ』を
解約している人が多いということなので、評判が悪いということです。

2017年10月ごろまでは毎月資金が流入超過で好調でしたが、それ以降は
出たり入ったりしています。

評判が悪いとも言えませんが、いいとも言えないような状況です。

中小型成長株ファンド『あすなろ』の今後の見通し

日本の株式市場において、大型株は短期・中期的にはすでに割高圏内に入っていると
考えられる一方で、小型株はまだ割安感があり優位と言えます。
また、2010年以降は割安株と成長株を比較すると成長株のほうが良好なパフォーマンスを
維持しており、相対比較では今後もこの傾向が続くと思われます。

したがって、大型株に比べて小型株・成長株優位のトレンドであると結論付けられることから
本ファンドはまだ投資する余地があると言えます。

また、日本の中小型株は新年度入りが強く、夏から秋にかけて売られる傾向があります。
これは一種のアノマリーに過ぎませんが、しばらくは売りが先行したとしても
そのタイミングで購入する価値はあるでしょう。

先述しましたがいちよし証券グループの中小型株のリサーチ力は業界でも有数です。
実質コストが高くなっていることと、もう少し時間をかけてパフォーマンスを
見たいところですが、運用状況を見守っていきたいファンドのひとつではあります。