米国債とともに投資家から人気のある豪ドル建ての債券。
その波に乗って作られたのが大和住銀投信投資顧問の
短期豪ドル債オープン(毎月分配型)です。

設定当初は非常に人気があり1兆円をこえる規模まで膨れ上がったのですが、
現在はやや落ち目となっています。

今日は、短期豪ドル債オープン(毎月分配型)について徹底的に分析していきます。

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

投資対象は主として、高格付けの豪ドル建ての公社債及び短期金融商品へ
投資していきます。

格付というのは、債券などの元本及び利息が当初の契約の定め通りに返済される
確実性を示すもので、信用力の高い格付けをもつ債券ほど、元本及び利息が
当初の予定どおり償還されます。

一般的に長期格付けでBBB以上の債券が投資適格債と呼ばれており、多くの
機関投資家も投資対象とするのですが、短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の
場合は、長期格付けでA以上の債券を対象としており、安心できる材料の
ひとつと言えます。

そして、オーストラリアの国債利回りを下に示しますが、格付がAAAで
アメリカより利回りが高いということで、実は世界的にみても、
非常に優良な投資先として、注目を集めています。

豪ドル建て債券と聞くと、ほとんどがオーストラリア国債なのではと
思ってしまいがちですが、組入銘柄の国別の構成を見てみると、
オーストラリア国債はあくまで3割となっており、残りの7割は
それ以外の債券ですので、勘違いしないように注意が必要です。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)は一時期1兆円をこえる人気ファンドでしたが、
現在では、2000億円ほどとなっています。

毎月分配型のファンドは風当たりが強くほとんどのファンドで純資産が減っていますが、
短期豪ドル債オープン(毎月分配型)も例外に漏れず影響を受けています。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の実質コストは1.011%となっており、
カテゴリーの中ではかなり低いのですが、利回りが低いことを考えると、取り過ぎです。

購入時手数料 2.16%(税込)
信託報酬 0.972%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.011%(概算値)

※第179期 運用報告書より(決算日2018年4月9日)

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

現在の短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の基準価額は約3700円となっています。
分配金再投資の基準価額(青線)の推移を見ても、運用がうまくいっていませんし、
タコ足配当が続いているため、基準価額が下がり続けています。

利回りはどれくらい?

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の直近1年間の利回りは▲6.18%で、
3年平均利回りが+0.67%、5年平均利回りが▲0.26%となっています。

この程度のパフォーマンスしか出せないのであれば、直接オーストラリアの
国債に投資をしたほうがプラスのリターンが期待できます。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法


※2018年10月時点

四半期別のパフォーマンスは?

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の四半期別のパフォーマンスを見てみると、
直近5年くらいは、苦戦している様子がうかがえます。

最大下落率はどれくらい?

投資をするにあたって、気にあるのがどの程度下落するかでしょう。
標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際に下落したかは
気になります。

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)では、2008年2月~2009年1月の間に
最大▲34.31下落しています。

リターンが全く望めない中で、このような下落が起こり得るファンドは
恐くて投資ができません。

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見ていきましょう。
分配金は2016年に毎月50円ありましたが、2017年には30円になり、
直近では20円まで下落しています。

分配金余力は18カ月しかありませんので、近々また減額が行われる
可能性が高いです。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配利回りは8.22%と高くはないのですが、
ファンドの収益力が低すぎるため、タコ足配当が続いています。

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約している人が
多いということなので、評判が悪いということです。

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)は2015年以降毎月資金が流出しており、
評判はこよなく悪いと言えます。

短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の今後の見通し

今後、短期豪ドル債オープン(毎月分配型)は、同水準の配当を続けるようであれば、
ますます基準価額は下がり、分配金余力も心許ないことから、減配されることが
予想されます。

10年平均利回りを見ても、当ファンドのパフォーマンスが大きく改善することは
期待できません。現時点で、短期豪ドル債オープン(毎月分配型)を保有する
メリットは何もなく、購入するならオーストラリア国債を直接購入したほうが
よほど利回りも高く安定するでしょう。