世界のリートに分散投資ができる世界家主倶楽部。

一時期は5千億円超もある巨大ファンドでしたが、リーマン
ショックの時にとてつもない下落を記録したことで、純資産
総額が一気に5分の1程度にまで下落したファンドです。

今日は、DIAM ワールド・リート・インカム(毎月決算)
『愛称:世界家主倶楽部』について独自の目線で分析して
いきたいと思います。


DIAM ワールド・リート・インカム『世界家主倶楽部』の基本情報

投資対象は?

世界家主倶楽部の投資対象は、DIAM US・リート・オープン・
マザーファンドおよび、DIAM インターナショナル・リート・
インカム・オープン・マザーファンドへの投資を通じて、日本を
除く世界各国の証券取引所に上場するリートに投資していきます。

リートの魅力は、少額から不動産に投資ができること、多種多様な
不動産に分散投資できること、高い分配金利回りといった点が
挙げられます。

国債よりは高い利回りがほしいけれど、株式みたいなリスクを
取りたくないといった投資家に人気がありますね。ただ、実際
には相場暴落時などは株式並みに相場が下落しますので、注意
が必要です。

世界家主倶楽部の組入銘柄の国別構成比率を見てみると、米国が
約40%、カナダが約13%、オーストラリアが約10%となっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、世界家主倶楽部の純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
売買できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認
すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

世界家主倶楽部の純資産総額は、現在490億円となっており、
毎年純資産額は減っているものの、未だに人気があるファンド
です。

それにしてもリーマンショックあたりの基準価額の下落がとん
でもないことになっていますね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

世界家主倶楽部の実質コストは1.81%となっており、手数料は
かなり割高です。これだけ低コストファンドが出てきている
中でこのコストは高すぎます。

分配金が出ているからということでコストのことはほとんど
何も知らずに投資をしている投資家も多いのでしょう。

運用会社から見れば、収益源となるファンドですが、投資家
から見れば、デメリットしかありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.738%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.81%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

DIAM ワールド・リート・インカム『世界家主倶楽部』の評価分析

基準価額の推移は?

世界家主倶楽部の基準価額は、分配金を出しながらも、
右肩上がりに上昇しており、まさに理想的な分配を
続けられていました。

しかり、コロナショックで一時は40%近く基準価額が
下落し、ここ数年で積み上げてきた利益をすべて、
吹き飛ばされました。

リートは平常時の値動きは株式と比較してもかなり
小さいのですが、コロナショックなどの大暴落が
起きるときは株式以上に下落することがあるので、
特に注意が必要です。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

世界家主倶楽部の利回りを見てみましょう。

直近1年間の利回りは▲23.10%となっています。この利回り
でもグローバルREITカテゴリーでは、上位30%の位置に
いますので、いかにREIT市場のダメージが大きかったかを
物語っていますね。

3年平均、5年平均もマイナスとなっており、かなり厳しい
結果となっています。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲23.10% 30%
3年 ▲3.72% 28%
5年 ▲3.46% 31%
10年 +5.59% 80%

※2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外REIT ランキング

標準偏差はどう?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するときに
役立ちます。

世界家主倶楽部の標準偏差を見てみると、27まで上昇
しており、平常時は15前後であることを考えると、コロナ
ショックでいかに大きく上昇したかがわかります。

このように暴落相場で大きく標準偏差が上昇する銘柄は
基準価額の下落幅も大きいので注意が必要です。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておい
てくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 27.58 81%
3年 18.49 22%
5年 17.01 27%
10年 16.74 27%

※2020年4月時点

年別のパフォーマンスは?

世界家主倶楽部の年別の運用パフォーマンスも見てみま
しょう。

プラスの年は2桁以上のリターンを出していますが、直近
5~6年間で積み上げてきた利益はコロナショックですべて
なくなりました。

リスクの大きいファンドというのは、長期でコツコツ積み
上げてきた利益を一瞬で失いますので、それを理解した上
で投資をするようにしてください。

年間利回り
2020年 ▲27.92%(1-3月)
2019年 +20.99%
2018年 ▲9.42%
2017年 +12.13%
2016年 ▲1.82%
2015年 ▲1.64%
2014年 +32.74%

※2020年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

世界家主倶楽部への投資を検討するのであれば、インデック
スファンドよりもパフォーマンスが優れていなければ、投資
する価値がありません。

そこで、今回はグローバルREITの代表格であるS&P 先進国
REIT指数に連動するニッセイ Gリートインデックスファンド
と比較しました。

結果は終始、世界家主倶楽部のほうが優れた結果を残して
います。これであれば、高いコストを支払ってでも、世界家主
倶楽部に投資をする価値があると言えます。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性が
あるのかは知っておきたいところです。

もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、
やはり過去にどの程度下落したことがあるのかを調べるの
がよいでしょう。

世界家主倶楽部は2008年3月~2009年2月までの間に最大
▲61.49%下落しています。コロナショックの影響はリーマン
ショックの影響と比べるとかなり抑えられていますね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲36.02%
3カ月 ▲51.72%
6カ月 ▲59.34%
12カ月 ▲61.49%

※2020年4月時点

分配金の推移は?

つづいて、世界家主倶楽部の分配金の推移を見てみましょう。

2014年以前から毎月15円の分配金を出しています。基準価額に
対する分配金の割合を示す分配金利回りは3~4%程度となっており、
ファンドの収益力からみて適正な範囲に収まっています。

適正な範囲に収まっているファンドは久々に見た気がします。

ただ、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情が
ない限りは毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
181期 15円 1,017円
182期 15円 13 1,003円
183期 15円 3 999
184期 15円 1円 998
185期 15円 998
186期 15円 7円 997

評判はどう?

世界家主倶楽部の評判はネットでの書き込みなどで調べる
方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけ世界家主倶楽部を
解約している人が多いということなので、評判が悪くなっている
ということです。

世界家主倶楽部は、この5年間毎年資金が流出しており、評判は
よくないことがわかります。リートの中では分配金利回りが
低いため、投資家から敬遠されているのでしょう。


※引用:モーニングスター

DIAM ワールド・リート・インカム『世界家主倶楽部』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

繰り返しになりますが、REITというのは間接的に不動産
に投資ができるので、株式とは異なり、リスクの低い
投資対象のように感じます。

一般的な不動産投資であれば、株式相場とは全く性質の
異なる資産であるため、分散投資の意味が出てきますが、
REITの場合は話が変わります。

REITは平常時の値動きは株式の半分程度で非常に安定
しているのですが、暴落相場がくると、株式並みかそれ
以上に大きな暴落を引き起こします。

これは、リーマンショックやコロナショックでの値動き
からも明らかです。

世界家主倶楽部は分配金もかなり健全な水準で払い出し
ていますので、その点は好感が持てますが、コロナショック
で基準価額が暴落したことで、分配金利回りが大きく
上昇しています。

そのため今後はファンドの収益力では分配金を賄いきれず
いよいよタコ足配当や基準価額の下落に歯止めがかからな
くなる可能性もあります

インデックスファンドと比べてパフォーマンスが優れて
点は評価できますが、総じて投資をするべき投資対象
ではないと思いますね。