1991年6月設定と実に30年運用し続けている、歴史の長い
利益還元成長株オープン『愛称:Jグロース』。

30年超の運用期間がある割に純資産総額は300億円程度
なので、パッとしませんが、それなりの成績を残しています。

今日はこの『Jグロース』について徹底分析していきたいと思います。


利益還元成長株オープン 『Jグロース』の基本情報

投資対象は?

Jグロースの投資対象は、名前の通り日本に上場されている株式の
うち今後の成長が期待できる企業、自己資本利益率が高い企業、
株主への利益還元が期待できる企業を厳選し投資します。

企業の厳選には豊富な知識を持つファンドマネージャーとアナリスト
が直接企業を訪問し収集した情報・データをもとに行います。

Jグロースを運用する会社は日興アセットマネジメントですが、
日本株担当のアナリストとファンドマネージャーそれぞれ十数人
ずつと体制はしっかりしています。

※引用:交付目論見書

組入銘柄は124銘柄となっており、ベンチマークはTOPIXです。

組入銘柄の上位を見てみると、電気機器や情報・通信業等の
業種の比率がTOPIXと比較して高くなっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで
売買できなかったり、コストが嵩みますので、事前に確認
すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

Jグロースの純資産総額は283億円程度とそれほど大きい
ファンドではありません。

ですが、じわじわと純資産を増やし続けていることが
わかります。

こういった息の長いファンドが増えると投信業界も
変わってくる気がします。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

Jグロースの実質コストは0.974%です。アクティブファンドの
中では、割安ですが、インデックスファンドと比べると、
どうしても見劣りします。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.902%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 0.974%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

利益還元成長株オープン 『Jグロース』の評価分析

基準価額の推移は?

Jグロースの基準価額は2018年10月から大きく下落しましたが、
2019年はその下落を取り戻すほどの上昇をみせており、2018年
の高値を更新する勢いで上昇しています。

あとは、TOPIXを上回る成果を目指しているファンドですので、
パフォーマンスの比較は必須ですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

Jグロースの直近1年間の利回りは7.54%、3年、5年、10年
平均利回りも国内大型株ファンドのカテゴリー内で、上位10%
前後の高い成果を残しています。

なかなかTOPIXや日経平均に連動するインデックスファンドの
パフォーマンスを越えられるファンドがない中で、この成果は
非常に評価できますね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 7.54% 19%
3年 10.71% 15%
5年 8.82% 10%
10年 12.20% 8%

※2019年12月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差は年間の基準価額の変動幅を把握するのに役立ちます。

Jグロースの標準偏差を見てみると、日経平均やTOPIXに連動
するインデックスファンドと変動幅はほとんど変わりません。

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 18.96 72%
3年 14.03 27%
5年 15.00 18%
10年 16.99 23%

※2019年12月時点

年別の運用パフォーマンスは?

Jグロースの年別のパフォーマンスを見てみると、2018年は
20%近いマイナスとなってしまいましたが、トータルで
見れば、十分好成績を収めています。

ここだけ見ると、決して悪くはないですね。

年間利回り
2019年 13.79%(1-9月)
2018年 ▲17.62%
2017年 30.57%
2016年 ▲1.82%
2015年 16.99%
2014年 12.53%

※2019年12月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

TOPIXを上回るパフォーマンスを目指すのであれば、TOPIXを
ベンチマークとするインデックスファンドとの比較は必須です。

また国内大型カテゴリーで優秀な成績を収めているスパークス・
新・国際優良日本株ファンド『厳選投資』とも比較してみましょう。

黄色線がJグロースですが、TOPIXよりはパフォーマンスで
上回っていますが、厳選投資に負けてしまっています。

少なくともTOPIXに連動するインデックスファンドよりは、
Jグロースに投資をするほうがリターンが大きいということですね。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

Jグロースに投資をするのであれば、最大でどの程度下落する
可能性があるのかは知っておきたいところです。

Jグロースの最大下落率は、2007年11月~2008年10月の1年間で
最大▲50%となっています。

やはり株式ですので下落するときは大きく下落します。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲21.21%
3カ月 ▲35.72%
6カ月 ▲43.79%
12カ月 ▲50.00%

※2019年12月時点

分配金は?

Jグロースの分配金は、毎年6月に1度分配金を出しています。

2018年、2019年は100円以上の分配金を出しています。ただ、
分配金利回りでは数%でしかないので、はたしてこの程度の
分配金にどれだけの人が興味があるのか甚だ疑問です。

それよりも全部投資にまわして、よりリターンを追求して
ほしいものです。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情が
ない限りは、分配金を受けとることはおすすめしません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2019年 130円
2018年 200円
2017年 10円
2016年 10円

※2019年12月時点

評判はどう?

評判がどうなのかを判断するうえで資金の流出入額が役に
立ちます。

資金が流出超過になっているということは、それだけ解約
している人が多いということです。

つまり評判が悪くなっているということですね。

Jグロースはどうでしょうか?

5年間ほぼ毎月資金が流出超過となっていますので、とにかく人気が
落ちていることがわかります。

※引用:モーニングスター

利益還元成長株オープン 『Jグロース』の今後の見通し

最後にJグロースの今後の見通しはどうでしょうか?

先にこのファンドの償還日が2021年6月25日までと
言うことをおしらせします。

まだ信託期間を延ばす可能性も十分にありますので
なんとも言えませんが、終わるのを前提に言いますと、
あと1年とちょっとしか運用期間がないのです。

パフォーマンスはインデックスファンドを上回っており、
悪くはありませんが、ベストとも言えません。

そうすると、あえてJグロースを選択する理由はないと
思います。国内大型株のアクティブファンドに投資を
したいのであれば、厳選投資を選択するのが無難ですね。