未来の世界は一見、誰にも予測不可能に見えますが、注意深いリサーチによって、すでに世界に潜在している大きな変化の兆候をつかむことができます。

そこで、今後、大きなメガトレンドとなるであろう投資テーマとして設定されたのが三菱UFJ国際のGRAN NEXT モビリティです。

モビリティ系のファンドは数年前にブームとなっていたので、今更感はありますが、はたしてどのような特徴があるのでしょうか。

今日は、GRAN NEXT モビリティを独自目線で徹底分析していきます。

「GRAN NEXT モビリティって投資対象としてどうなの?」

「GRAN NEXT モビリティって持ってて大丈夫なの?」

「GRAN NEXT モビリティより良いファンドってある?」

といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。


GRAN NEXT モビリティの基本情報

投資対象は?

GRAN NEXT モビリティの投資対象は日本を含む世界の株式で、主に、世界の輸送関連企業の株式に投資をしていきます。

ここで言う輸送関連企業というのは、輸送に使用・適用されるテクノロジーの研究、開発、テクノロジーを利用した製品・サービスの製造、販売の分野で経済活動を行う企業を指します。

国別でみると、アメリカが約30%、次いで、フランス、韓国となっています。


※引用:マンスリーレポート

こういったテーマ型のファンドだと、米国株の比率がかなり高くなる傾向にあったのですが、GRAN NEXT モビリティは今までのモビリティをテーマにしたファンドとは一線を画していると言えますね。

GRAN NEXT モビリティは銘柄選定において、ESGに関連する評価項目を設けており、近年流行りのESGを取り入れたファンドとなっています。(ただ、どこまで評価項目として、しっかりと入っているかはわかりません。)

現在の組入れ銘柄は40銘柄となっており、上位10銘柄を見てみると、アメリカ以外の国がかなり上位に食い込んできていることがわかります。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

GRAN NEXT モビリティの純資産は約133億円ですので、規模としては十分ですが、パフォーマンスがあまり優れないため、100億円台から大きく躍進出来てはいない状況です。

※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

GRAN NEXT モビリティの実質コストは1.817%とかなり割高な水準です。さらに購入時手数料もしっかり3%取られますので、簡単には投資できないですね。

GRAN NEXT モビリティは実質的にブラックロックが運用しているのですが、そこへの支払いが0.68%/年含まれているのが大きいですね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.813%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.817%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

GRAN NEXT モビリティの評価分析

基準価額をどう見る?

GRAN NEXT モビリティの基準価額を見てみましょう。かなり大きく上下に変動していますが、あまり上昇はしていませんね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

続いて、GRAN NEXT モビリティの利回りを見ていきます。

直近1年間の利回りは▲5.17%となっています。

投資信託は長期保有が前提になりますので、あまり短期の利回りは参考になりません。そういう意味で、GRAN NEXT モビリティの場合、運用期間がまだ短く、もう少し運用期間を長く取らないと、どちらにしても良いファンドか判断は難しいですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り
1年 ▲5.17%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

同カテゴリー内での利回りランキングは?

GRAN NEXT モビリティは日本株を含むグローバル株式カテゴリーに属しています。

パフォーマンスが良く見えても、実はもっと優れたファンド見つかることもありますので、同カテゴリー内でのパフォーマンスは必ず比較するようにしてください。

GRAN NEXT モビリティのパフォーマンスは平均的ですので、他にもっと優れたファンドが多数あるということです。

上位●%
1年 52%
3年
5年
10年

※2022年10月時点

年別の運用利回りは?

GRAN NEXT モビリティの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

まだ運用期間が短いためあまり参考になりません。

年間利回り
2022年 ▲12.2%(1-9月)
2021年 +17.25%(4-12月)

※2022年10月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略

インデックスファンドとの利回り比較

GRAN NEXT モビリティに投資を検討しているのであれば、より低コストのインデックスファンドとのパフォーマンスは比較しておいて損はありません。

GRAN NEXT モビリティは世界の株式に分散投資ができるので、今回は、世界の株式に分散できるインデックスファンドとして非常に人気の高いeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較をしました。


※引用:モーニングスター

競っている時期もありますが、基本的にeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のほうがパフォーマンスで上回っています。

現状、高いコストを支払って、GRAN NEXTモビリティに投資をするメリットが見当たらないですね。

GRAN モビリティ Slim 全世界
1年 ▲5.17% +3.04%
3年 +14.91%
5年
10年

※2022年10月時点

アクティブファンドとの利回り比較

GRAN NEXT モビリティに投資を検討しているのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

そこで、今回はGRAN NEXT モビリティと同じくモビリティ関連企業に投資をしている岡三アセットの次世代モビリティオープンと日興アセットのグローバル・モビリティ・サービス株式ファンドを比較しました。


※引用:モーニングスター

他のモビリティ系のファンドと比較をすると、GRAN NEXTモビリティはまだパフォーマンスが悪くないようです。

ただ、さきほどの通り、インデックスファンドと比べてパフォーマンスで後れを取っているので、これでは厳しいですね。

GRAN モビリティ 次世代モビリティ グローバル・モビリティ
1年 ▲5.17% ▲5.93% ▲26.44%
3年 +21.44% +21.03%
5年
10年

※2022年10月時点

最大下落率は?

投資をするにあたって、気になるのが「このファンドはどの程度下落することがあるのか」という点でしょう。標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際の下落幅をみたほうが心構えができます。

それではGRAN NEXTモビリティの最大下落率を見てみましょう。

期間 下落率
1カ月 ▲15.55%
3カ月 ▲14.92%
6カ月 ▲11.75%
12カ月 ▲5.17%

※2022年10月時点

まだ運用期間が短いこともあり、15%程度の下落しか経験していませんね。

評判はどう?

続いて、GRAN NEXT モビリティの評判を見てみましょう。

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判がいいということになります。

GRAN NEXT モビリティは募集開始して数か月は資金流入が続いていましたが、それ以降はパフォーマンスも大したことがないので、資金の流出が続いています。当然と言えば、当然の結果ですね。


※引用:モーニングスター

GRAN NEXT モビリティの評価まとめと今後の見通し

いかがでしょうか?

モビリティ関連のファンドというのは、2018年頃に一番流行ったファンドで、正直、2021年このタイミングでなぜGRAN NEXTシリーズとしてファンドを新規設定したのか理解に苦しみます。

コスト面で優位性があるのであれば検討する余地もあると思いますが、実質コストベースで2%近い信託報酬と3.3%の購入時手数料がかかる中で、あえてGRAN NEXT モビリティに投資をするメリットは感じません。

唯一あるとすれば、米国株の組入れ比率が低く、他の国の組入れ比率が高くなっていることから、今後、パフォーマンスで差がついてくる可能性はあります。

ただ、現状はeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)にもパフォーマンスで負けてしまっており、高いコストを支払ってまで投資をするメリットを感じません。

また、パフォーマンスを判断する上では、最低でも3年は運用を見てみないことには、良い悪いかが判断できませんので、あえて今から投資をする必要はないと言えます。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点