最近流行りの8資産への分散投資だけでなく、リスクも一定
範囲内に抑えることで、投資初心者の心を鷲づかみにして
いる『しあわせの一歩』。

正直、私個人としては、リスクを抑えて高いコストを支払う
ことに対して批判的な目で見てきました。

しかし、今回のコロナショックでの運用を見て考え方を
変えざるを得ませんでした。

今日は、リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの
一歩』について徹底的に分析していきます。


リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、国内外の8資産に分散投資を行い、中長期的
に安定的なリターンの獲得を目指します。

ファミリーファンド方式を採用しており、下記のように
パッシブファンドで構成されています。


※引用:交付目論見書

運用の特徴は?

運用の大きな特徴として、ポートフォリオの変動リスクを
年率2%程度に抑えた安定的な運用を行います。

どのように抑えるのかということですが、下図のように、
各アセットクラスごとに、価格の変動要因が違いますので、
価格変動の要因となる事象を均等に配分することで、分散
効果が最大化するように比率を調整しています。


※引用:交付目論見書

リスク2%ということなので実際は下図のように国内債券や
先進国債券、現金のポジションで約7割程度の運用がされま
す。

ただ、直近コロナショックでリスクがかなり高まったこと
からキャッシュポジションを30%にまで高めて、株式の
ポジションを相当抑えています。

なかなか機動的な運用ができずに大きく損失を出して
しまうバランスファンドも多い中で、機動的な組み換え
に成功しており、後述しますが、パフォーマンスも
素晴らしいです。

正直、ここまでリスクパリティ戦略をうまく活用して
リスクを抑えた運用ができるとは思っていませんでした。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』は
すでに1300億近く集まっており、リスクを敬遠しがちな日本
の投資家にとても人気が高いようです。

今回のコロナショックで確かに影響は受けたものの、影響を
極限までに抑えれたということで、今後資金流入が加速する
と思います。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』の
実質コストは0.792%となっており、通常のアクティブファン
ドよりコストは低いですが、

実際このファンドが購入しているのは、超低コストのインデ
ックスファンドなので、それを考慮すると決して安いとは
言えません。

ただ、コロナショックを大きな損失を出さずに切り抜けて
いる点を考慮すると、この程度のコストなら支払ってでも
投資する価値があると言えます。

購入時手数料 1.10%(税込)※上限値
信託報酬 0.759%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.792%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』の評価分析

基準価額をどう見る?

リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』の
現在の基準価額は10,500円程度となっています。

2019年に入ってから、運用がとても好調で、5%以上の
プラスを出しています。そして、注目すべきはコロナ
ショックによる下落幅です。

後述しますが、標準偏差も通常の相場とほとんど変わらず
の水準でしたので、運用戦略にもとづき、リスクを抑えた
運用を継続できていることがわかります。

もともとリスクの低い運用をしているからというのも
当然ありますが、バランスファンドでも10%近いマイナス
を出しているファンドもいくつもあります。

そのなかで、この程度の下落幅に抑えられていると
いうのは、評価すべきポイントです。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

しあわせの一歩の直近1年間の利回りは4.44%です。

同カテゴリー内では上位5%程度に入っており、3年平均
利回りで見ても、上位5%以内にランクインしています。

アセマネOneのリスク抑制型ファンドは色々と登場して
いましたが、同じチームが運用を担当しているはずなので、
どのファンドもかなり好成績を収めているはずです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 4.44% 5%
3年 2.53% 5%
5年
10年

※引用:2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年平均利回りランキングで見る圧倒的に優れた投資信託まとめ

標準偏差は?

しあわせの一歩の基準価額の変動が大きいかを調べるには
標準偏差を確認しましょう。

標準偏差が2.46ということで、日経平均に連動するような
株式ファンドと比較すると約5分の1、J-REITなどと比べる
と約半分程度のリスクで運用していることになります。

何より、コロナショック前後で標準偏差がほとんど変化
していないことからも、かなりリスクを抑えた運用が徹底
されていることがわかります。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 2.46 11%
3年 2.26 6%
5年
10年

※引用:2020年4月時点

年別のパフォーマンスは?

しあわせの一歩の年別のパフォーマンスも見てみましょう。

驚くべきは2020年の1~3月の3カ月でプラスのリターンで
収まっているということです。ほぼすべてのファンドが
この期間ではマイナスのパフォーマンスとなっている中で
これは素晴らしいの一言です。

年間利回り
2020年 +0.51%(1-3月)
2019年 +7.01%
2018年 ▲2.18%
2017年 +2.46%

※引用:2020年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

しあわせの一歩への投資を検討する上で、インデックス
ファンドとのパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、超低コストで8資産に分散投資ができるeMAXIS
Slim バランス(8資産均等型)
とパフォーマンスを比較
しました。

しあわせの一歩はリスクを抑制しているので、単純な比較
とはなりませんが、面白い結果となりました。

大きな下落相場では、リスクを2%に抑えて運用できる
しあわせの一歩に軍配が上がりましたが、それ以外の
期間ではほとんどeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
が勝っています。

コロナショックの後、1年程度でこの2ファンドがどの
ような成績を収めるかによって、極力リスクを抑えた
運用をとるべきか、ある程度リスクを抑えてバランス
投資をすべきか答えが出ると思います。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

しあわせの一歩に投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでしあわせの一歩の最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は2017年12月~2018年11月の1年間で▲2.44%と
なっています。これだけ下落率が小さいと確かに魅力的で
すね。

何より、直近でコロナショックがあったにもかかわらず、
それをものともしない運用は素晴らしいです。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲1.08%
3カ月 ▲1.65%
6カ月 ▲1.60%
12カ月 ▲2.44%

※引用:2020年4月時点

分配金の内訳と余力は?

しあわせの一歩では、年6回分配金を出しています。

現在は10円の分配金となっており、分配金余力等から
みても、30カ月程度は余裕がありますので、減額される
心配はほとんどしなくてもよいでしょう。

ただ、このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年 20円(1-3月)
2019年 60円
2018年 60円
2017年 40円

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを
購入している人が多いということなので、評判が良いという
ことです。

リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』は
一時的に資金が流出した時期がありましたが、2019年後半以降
はまた資金が毎月流入し始めています。

コロナショックをうまく切り抜けたことも今後評価されて
くると思いますので、流入量はますます増えるでしょう。


※引用:モーニングスター

リスク抑制世界8資産バランスファンド『しあわせの一歩』の今後の見通し

いかがでしたでしょうか?

正直、リスク抑制ファンドについては、投資効率が悪く
なるだけだと思い、あまり良いイメージがありませんで
した。

相場状況に合わせてポートフォリオを組み替えるという
のは言葉でいうほど簡単なことではありません。

そのため、たいした期待はできないのではないかとずっと
思っていましたが、コロナショックでの対応をみて、
評価を変えました。

リスクを抑えて運用したい初心者の方であれば、とても
使い勝手のよいファンドだと思います。

また運用金額が増えてきて、一部はリスクを取って運用
をしたいが、残りの資金の置き場に困っているような
投資家はしあわせの一歩のようなリスクを限定して
運用できるファンドに投資をするのもよいと思います。

しあわせの一歩は明らかに守りの運用ですが、コストも
まあ許容範囲です。ですので、守りの運用として、
こういったファンドを活用し、攻めの運用で株式ファンド
などに投資をする戦略はとてもよいと思います。