日興アセットマネジメント力を入れて販売しているスマート・ファイブ。

初心者投資家に人気のあるバランス型ファンドであり、モーニングスター
のファンド・オブ・ザ・イヤー2016、2017を2度も受賞しているので、
優秀なファンドに違いないと思ってしまいがちですが、実際のところは
どうなのでしょうか?

今日はスマート・ファイブについて徹底的に分析していきます。

スマート・ファイブ(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

スマート・ファイブの投資対象は、中長期的に収益が期待できる
5つの資産(日本国債、海外債券、グローバル株式、グローバルREIT、
金)となっています。

現在の組入比率は以下のようになっており、日本債券の比率が45%
とかなり高くなっています。

このブログをよく読んでいただいている方はすぐ気づくと思いますが、
アクティブファンドで日本国債が組入られている場合、この部分の
収益はマイナスが確定しています。

実際、現在組入られている日本国債の最終利回りは0.52%となっています
ので、実質コストから考えると、1%ほどもマイナスになっていまっている
わけです。この時点で私から見ると、投資対象からはずれますね。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

運用の特徴は?

スマート・ファイブの運用の特徴として、値動きの異なる5つの
資産に分散投資をすることで、基準価額の変動を抑えながら、
収益の獲得を目指すというものがあります。

一般的には、景気の良し悪しで各資産クラスは以下の図のように
動くとされています。

これは良い見方をすれば、リスクが分散できるといえますが、
結局どの要因で上がるのか下がるのか非常に把握しづらく
なってしまうというデメリットもあります。


※引用:交付目論見書

もう一つの特徴は、リスク・パリティ戦略といって、各資産クラス
のリスクに応じて、リスクの大きい資産は保有する比率を下げ、
リスクの低い資産は保有する比率を上げるという戦略をとっています。

これにより市場変動に左右されにくい運用を行っています。

ただ、これは私のブログで常に言っていますが、市場変化に合わせて、
ファンドを入れ替えるのはプロでも相当難しく、そう簡単にうまくは
いきません。

もしこれができるのであれば、どのファンドも非常に優秀な結果を
出せるでしょう。


※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、スマート・ファイブの純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

スマート・ファイブ(毎月決算型)の純資産額は現在2,800億円
程度まで積みあがっています。

2016年、2017年とファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞したことと、
ゆうちょが力を入れて販売していることが大きな要因と言えるでしょう。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

スマート・ファイブ(毎月決算型)の実質コストは1.459%と
なっており、バランスファンドのカテゴリーの中では、平均的な
水準です。

さきほども指摘しましたが、スマート・ファイブの45%を占める
日本国債部分の利回りは0.52%ですので、約1%ほどマイナスリターン
が確定していることになります。

ゆうちょ銀行でスマート・ファイブを購入している投資家は
投資初心者が多いのでカモにされているとしか思えません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.16%(税込)
信託報酬 1.4479%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.459%(概算値)

※引用:第63期 運用報告書(決算日2018年10月9日)

実質コストを加味しても、スマート・ファイブよりはるかに優れたバランス型ファンドランキング

スマート・ファイブ(毎月決算型)の評価分析

基準価格をどう見る?

2013年にファンドを設定して以来、10000円~11000円の基準価額
の間をほぼ推移しています。

これだけ毎月分配型の投資信託は買わないほうがいいと叫ばれている
中で、純資産額が増えているのは、毎月の分配金が40円と適切な金額
に設定されており、基準価額が大きく下落していないというのも大きい
と思います。

ただ、直近で言うと、運用がうまくいっていないため、タコ足配当に
なってしまっていますね。

この分配利回りであれば、今後も基準価額は10000円前後を推移する
ものと思われます。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

スマート・ファイブ(毎月決算型)の直近1年間の利回りは、▲1.43%
となっており、3年平均利回りは+2.67%、5年平均利回りは3.32%と
バランス型ファンドとしては、手堅い運用ができていると言えます。

同カテゴリーランキングを見ても、3年、5年では、上位1割に入って
いますので、カテゴリー内では優れて結果を残していると言えるでしょう。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲1.43% 30%
3年 2.67% 8%
5年 3.21% 11%
10年

※2018年12月時点

標準偏差は?

スマート・ファイブ(毎月決算型)の標準偏差を見てみると、
同カテゴリー内では平均以下となっています。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 3.30 61%
3年 3.76 71%
5年 4.43 73%
10年

※2018年12月時点

年別のパフォーマンスは?

つづいて、スマート・ファイブの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

2015年はマイナスとなっていますが、それ以外の年ではプラスの
リターンが出ており、安定的な運用ができているようです。

年間利回り
2018年 ▲3.07%(9月末時点)
2017年 4.33%
2016年 6.77%
2015年 ▲3.83%
2014年 12.42%

※2018年12月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

スマート・ファイブに投資をするのであれば、バランス型の
インデックスファンドとパフォーマンスを比較しておきたいところです。

今回は、株式、債券、リートに分散できることで人気の高いeMAXIS
Slim バランス(8資産均等型)
と比較をしてみました。

スマート・ファイブ(黄線)は常にeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
に負けてしまっていることがわかります。

この差は、日本国債の比率がかなり高くなっているというのが大きな
要因ではありますが、スマート・ファイブに投資するくらいであれば、
50%の資金は貯蓄しておいて、残り50%でeMAXIS Slim バランス(8資
産均等型)を購入したほうがよほど高いリターンを得ることができます。


※引用:モーニングスター

分配金の推移は

スマート・ファイブは2014年に配当金が30円から40円に引き上げられ、
それ以降40円を維持しています。

配当利回りも5%弱ですので、利回りとしては適正な水準となっており、
かつ、分配金余力も33か月ありますので、当面、配当金が減額される
ことはないと思います。

分配金 当期収益以外 繰越対象額
58期 40円 1,367円
59期 40円 1,387円
60期 40円 1,405円
61期 40円 1,426円
62期 40円 1,451円
63期 40円 1,464円

評判はどう?

スマート・ファイブ(毎月決算型)の評判はネットでの書き込みなど
で調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけスマート・ファイブ
(毎月決算型)を購入している人が多いということなので、評判が
良いということです。

スマート・ファイブは、毎月資金が流入超過となっており、直近で
流入金額が増加しています。

つまり、このファンドが良いと思って投資をしている人が増えている
ということなので、評判はあがってきているということがわかります。

ただ、注意しなければいけないのは、この上昇の要因はゆうちょが
積極的に販売していることによります。

ですので、投資知識のない投資初心者が窓口の販売員にすすめられて
購入しているのが大半なので、本当に人気がある良いファンドなのか
でいうと、私はそうではないと思っています。


※引用:モーニングスター

スマート・ファイブ(毎月決算型)の今後の見通し

まず、販売会社であるゆうちょ銀行の販売員が何も考えず、販売し
続けているので、リスクは取らずに運用したいという投資家がカモ
となり、純資産自体はどんどん増加をしていくでしょう。

一方で、リスクを抑えた運用をしていることから、高い利回りは
期待できず、そうすると配当利回り約5%を超える運用を続けるのは
難しいでしょう。

ですので、基準価額はなだらかに下降していくと思います。

この手の毎月決算型の投資信託は、販売用資料も力を入れて作られて
おり、つい良い商品だと思ってしまいがちですが、手を出したが最後、
あなたの資産が増えることはほぼありません。

もし、真に優れた投資信託で着実に資産を形成していきたいと考えて
いるなら、こちらのファンド一覧を参考に銘柄を選定してください。

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