日興アセットマネジメントが力を入れて販売しているスマート・ファイブ。

初心者投資家に人気のあるバランス型ファンドであり、モーニングスター
のファンド・オブ・ザ・イヤー2016、2017を2度も受賞しているので、
優秀なファンドに違いないと思ってしまいがちですが、実際のところは
どうなのでしょうか?

今日はスマート・ファイブについて徹底的に分析していきます。


スマート・ファイブ(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

スマート・ファイブの投資対象は、中長期的に収益が期待できる
5つの資産(日本国債、海外債券、グローバル株式、グローバルREIT、
金)となっています。

現在の組入比率は以下のようになっており、日本債券の比率が50%
とかなり高くなっています。

このブログをよく読んでいただいている方はすぐ気づくと思いますが、
アクティブファンドで日本国債が組入られている場合、手数料負け
する可能性がかなり高まります。

今は国債の金利が下落している関係で、国債の価格が上昇している
ため、手数料負けしていませんが、日本国債の最終利回りは0.17%しか
ありません。

つまり、利回り0.17%の日本国債を買うために年1%以上の手数料を
支払っているということです。あなたの投資資金のうち50%は日本国債
に投資をされているので、いかにナンセンスかわかったでしょうか。


※引用:マンスリーレポート

運用の特徴は?

スマート・ファイブの運用の特徴として、値動きの異なる5つの
資産に分散投資をすることで、基準価額の変動を抑えながら、
収益の獲得を目指すというものがあります。

一般的には、景気の良し悪しで各資産クラスは以下の図のように
動くとされています。

これは良い見方をすれば、リスクが分散できるといえますが、
結局どの要因で上がるのか下がるのか非常に把握しづらく
なってしまうというデメリットもあります。


※引用:交付目論見書

もう一つの特徴は、リスク・パリティ戦略といって、各資産クラス
のリスクに応じて、リスクの大きい資産は保有する比率を下げ、
リスクの低い資産は保有する比率を上げるという戦略をとっています。

これにより市場変動に左右されにくい運用を行っています。

ただ、これは私のブログで常に言っていますが、市場変化に合わせて、
ファンドを入れ替えるのはプロでも相当難しく、そう簡単にうまくは
いきません。

もしこれができるのであれば、どのファンドも非常に優秀な結果を
出せるでしょう。


※引用:交付目論見書

純資産総額は?

続いて、スマート・ファイブの純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

スマート・ファイブ(毎月決算型)の純資産額は現在3,500億円
程度まで積みあがっています。

2016年、2017年とファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞したことと、
ゆうちょが力を入れて販売していることが大きな要因です。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

スマート・ファイブ(毎月決算型)の実質コストは1.47%と
なっており、バランスファンドのカテゴリーの中では、平均的な
水準です。

ただし、利回りが0.17%しかない国債を購入しているだけにも
かかわらず、この手数料は高すぎますね。

ゆうちょ銀行でスマート・ファイブを購入している投資家は
投資初心者が多いのでカモにされているとしか思えません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.4715%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.47%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コストを加味しても、スマート・ファイブよりはるかに優れたバランス型ファンドランキング

スマート・ファイブ(毎月決算型)の評価分析

基準価格をどう見る?

2013年にファンドを設定して以来、10000円~11000円の基準価額
の間を推移しています。

これだけ毎月分配型の投資信託は買わないほうがいいと叫ばれている
中で、純資産額が増えているのは、毎月の分配金が40円と適切な金額
に設定されており、基準価額が大きく下落していないというのも大きい
と思います。

この分配利回りであれば、今後も基準価額は10000円前後を推移する
でしょう。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

スマート・ファイブ(毎月決算型)の直近1年間の利回りは、9.04%
となっており、3年平均利回りは+3.02%、5年平均利回りは2.34%と
バランス型ファンドとしては、手堅い運用ができていると言えます。

ただ、同カテゴリーランキングでは平均以下の順位なので、
他にもっと優れたファンドがあるということがわかります。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 9.04% 76%
3年 3.02% 68%
5年 2.34% 69%
10年

※2020年1月時点

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅を把握するのに役立ちます。

スマート・ファイブ(毎月決算型)の標準偏差は3~4なので、
下落するにしても1年で5%以上下落することはほぼないと言えます。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 3.35 76%
3年 3.24 68%
5年 4.16 69%
10年

※2020年1月時点

年別のパフォーマンスは?

つづいて、スマート・ファイブの年別のパフォーマンスを見て
みましょう。

2015年、2018年ははマイナスとなっていますが、下落幅も小さい
ので、投資初心者の方にはリスクが小さく安心かもしれません。

トータルで見れば、手堅い運用ができていると言えますね。

年間利回り
2019年 9.04%
2018年 ▲3.88%
2017年 4.33%
2016年 6.77%
2015年 ▲3.83%
2014年 12.42%

※2020年1月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

スマート・ファイブに投資をするのであれば、バランス型の
インデックスファンドとパフォーマンスを比較しておきたい
ところです。

今回は、株式、債券、リートに分散できることで人気の高いeMAXIS
Slim バランス(8資産均等型)
と比較をしてみました。

スマート・ファイブ(黄線)は常にeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
に負けてしまっていることがわかります。

この差は、日本国債の比率がかなり高くなっているというのが大きな
要因ではありますが、増やすことを目的に投資を検討するのであれば、
コスト面でも圧倒的に安いeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
ほうがいいですね。


※引用:モーニングスター

分配金の推移は

スマート・ファイブは2014年に配当金が30円から40円に引き上げられ、
それ以降40円を維持しています。

配当利回りも5%弱ですので、利回りとしては適正な水準となっており、
かつ、分配金余力も30か月以上ありますので、当面、配当金が減額される
ことはないと思います。

分配金 当期収益以外 繰越対象額
70期 40円 7円 1,475円
71期 40円 1,477円
72期 40円 1円 1,476円
73期 40円 4円 1,472円
74期 40円 1,474円
75期 40円 1円 1,473円

評判はどう?

スマート・ファイブ(毎月決算型)の評判はネットでの書き込みなど
で調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけスマート・ファイブ
(毎月決算型)を購入している人が多いということなので、評判が
良いということです。

スマート・ファイブは、毎月資金が流入超過となっており、直近で
流入金額が増加しています。

つまり、このファンドが良いと思って投資をしている人が増えている
ということなので、評判はあがってきているということがわかります。

ただ、注意しなければいけないのは、この上昇の要因はゆうちょが
積極的に販売していることによります。

ですので、投資知識のない投資初心者が窓口の販売員にすすめられて
購入しているのが大半なので、本当に人気がある良いファンドなのか
でいうと、私はそうではないと思っています。


※引用:モーニングスター

スマート・ファイブ(毎月決算型)の今後の見通し

まず、販売会社であるゆうちょ銀行の販売員が何も考えず、販売し
続けているので、リスクは取らずに運用したいという投資家がカモ
となり、純資産自体はどんどん増加をしていくと思います。

一方で、投資資金の半分程度が国債で運用されており、金利の下落が
続かなければ、あなたの投資資金のうち半分は手数料負けすることが
ほぼ確定する商品です。

この手の毎月決算型の投資信託は、販売用資料も力を入れて作られて
おり、つい良い商品だと思ってしまいがちですが、手を出したが最後、
あなたの資産が大きく増えることはありません。

かんぽ生命の不適切な保険販売が大きな話題となっていますが、
そのうち投資信託についても同じようにリスクを取らせ過ぎた
販売というのが大きな問題とされるのも時間の問題だと思って
います。

もし、真に優れた投資信託で着実に資産を形成していきたいと考えて
いるなら、こちらのファンド一覧を参考に銘柄を選定してください。