いつの時代も多くの投資家から人気が高い好配当株投資。
今日は、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』について、徹底分析していきます。
「ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』って投資対象としてどうなの?」
「ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』って持ってて大丈夫なの?」
「ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の基本情報
投資対象は?
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の投資対象は、世界の株式です。日本を含む世界各国の配当利回りの高い株式への投資を通じて、配当収益を含む中長期的なリターンが期待できる株式に投資をしていきます。
現在の組み入れ比率は米国が約50%、次いで、イギリス、フランスとなっています。全世界の好配当株を自分で調べて投資をするとなると、かなりの労力が必要なので、こういったファンドはありがたいですね。
※引用:マンスリーレポート
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の現在の組入銘柄数は47銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。平均配当利回りは2.9%なので、手固めです。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の純資産総額は、現在約403億円です。直近まではまったく奮っていませんでしたが、分配金を急激に引き上げたことで、投資家の関心を集めています。
分配金を出し過ぎているファンドは、ほぼ間違いなくその後タコ足配当になって、すぐに減配になりますので、注意が必要です。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の実質コストは1.353%となっており、アクティブファンドの中では健全な水準です。ただ、購入時手数料が3.3%かかりますので、投資をする際は慎重に判断してください。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.298%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.353%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の評価分析
基準価額をどう見る?
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の基準価額を見てみましょう。
分配金を受け取らずに運用に回したときの基準価額(青線)は右肩上がりに上昇していますので、パフォーマンスは悪くなさそうであることがわかります。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは7.82%となっています。長期の平均利回りでも8~10%はあるので、悪くなさそうです。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +7.82% |
3年 | +17.98% |
5年 | +10.24% |
10年 | +8.22% |
※2023年11月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』は、国際株式・グローバル・含む日本カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』は、平均より少し良い順位のことが多いので、悪くはありませんが、非常に優れたパフォーマンスとは言えませんね。
上位●% | |
1年 | 44% |
3年 | 33% |
5年 | 63% |
10年 | 48% |
※2023年11月時点
年別のパフォーマンスは?
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
マイナスの年でもマイナス幅は小さいことが多いので、その点は安心できますが、他のファンドと比べても、プラスの幅が小さいですね。
年間利回り | |
2023年 | +15.97%(1-9月) |
2022年 | ▲1.48% |
2021年 | +29.27% |
2020年 | ▲0.30% |
2019年 | +22.52% |
2018年 | ▲14.94% |
2017年 | +15.29% |
2016年 | ▲0.56% |
2015年 | +1.21% |
2014年 | +17.51% |
※2023年11月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略インデックスファンドとのパフォーマンス比較
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』に投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』と全世界の株式に投資ができて非常に人気の高いeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、競ってはいるものの、ほぼ全期間において、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)のほうが優れたパフォーマンスとなっています。
5年平均利回りで比較をしても、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)が上回っていますので、パフォーマンスだけで比較をするのであれば、あえてコストが10倍近いファンドに投資をするメリットを感じません。
年平均利回り | 世界の息吹 | slim オールカントリー |
1年 | +7.82% | +10.66% |
3年 | +17.98% | +19.70% |
5年 | +10.24% | +13.90% |
10年 | +8.22% | - |
※2023年11月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』に投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、全世界の株式に投資ができるということで非常に人気の高いセゾン投信のセゾン 資産形成の達人ファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』のほうがパフォーマンスは上回っています。
ただ、5年、10年平均利回りで比較をすると、資産形成の達人ファンドのほうがパフォーマンスで上回っており、高いコストを支払うのであれば、資産形成の達人ファンドのほうがおすすめではあります。
年平均利回り | 世界の息吹 | 資産形成の達人 |
1年 | +7.82% | +10.78% |
3年 | +17.98% | +14.23% |
5年 | +10.24% | +11.59% |
10年 | +8.22% | +11.05% |
※2023年11月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲23.37% |
3カ月 | ▲40.38% |
6カ月 | ▲46.76% |
12カ月 | ▲52.13% |
※2023年11月時点
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の最大下落率は2008年1月~2008年12月で▲52.13%となっています。
好配当株はディフェンシブ銘柄が多く、暴落に強い等言われることもありますが、このファンドは少なくとも該当しないようですね。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
分配金の推移は?
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の分配金の支払い状況を見ておきましょう。。
直近、パフォーマンスも好調であるためか、分配金の額をかなり大きく引き上げており、この分配金目当てで投資を始める投資家が多くいます。
分配金 | |
2023年 | 1,320円(見込み) |
2022年 | 440円 |
2021年 | 830円 |
2020年 | 360円 |
2019年 | 360円 |
※2023年10月時点
評判はどう?
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の評判を見てみましょう。
分配金を急激に増やし始めた2022年~2023年にかけて、一気に資金が流入していることがわかります。評判はたしかによくなっていますが、あくまで一時的に分配金を引き上げただけなので、騙されてはいけません。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』はNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2023年11月時点
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
このブログでは何度も何度も言っていることですが、あなたが受け取っている分配金とファンドの運用益は全くの別物です。
仮にあなたが10万円の分配金を受け取ったとしても、ファンドの運用がうまく行っていない場合は、あなたが投資した元本からこの10万円が払い出されているだけであり、投資で儲かっているわけではないのです。
ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』は直近まで運用がそこそこうまく行っていたため、分配金を大きく引き上げたようですが、この分配金が長く続くわけではありません。
すでに分配金利回りは10%近いので、現時点で言えば、ファンドの運用益から何とか支払いができていますが、この先長い目でみたときにこの分配金をファンドの運用益から払い続けるのはまず不可能です。
パフォーマンスも非常に優れているのであれば、まだ良いですが、実際はインデックスファンドにも負けてしまっているので、分配金目当てだったとしても、あえて高いコストを支払って、ブラックロック 世界好配当株式オープン 『愛称:世界の息吹』に投資をするメリットは感じませんね。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点