今やインデックスファンドという言葉を知らない人のほうが少ない
くらいまでにインデックスファンドという言葉が広まってきました。
多くのメディアでアクティブファンドよりもインデックスファンドに
投資をするほうがよいと言われているため、とりあえずインデックス
ファンドに投資をしておけばいいと思っている人も多いでしょう。
確かに、高いコストで運用されているアクティブファンドでも
インデックスファンドにパフォーマンスで勝てていないことも多く、
無難に選ぶならインデックスファンドで十分だと私自身も思います。
しかし、実際選ぶとなると、インデックスファンドも種類が豊富
ですし、似たようなファンドが乱立しているような状況です。
最近はとくに、どのインデックスファンドがおすすめなのか
聞かれることが多くなっていたため、これに投資をしておけば、
とりあえず安心だとおすすめできるインデックスファンドを一覧
にまとめました。
インデックスファンドを選ぶための重要ポイント
まず、あなたに知っておいてほしいのは、インデックスファンドを
選ぶ際、コストだけに着目していると失敗する可能性が高まると
いうことです。
インデックスファンドの議論になると、コストが安いかだけに話が
集中してしまい、そもそも適切なベンチマークが設定されている
インデックスファンドを選ばなければ、あなたの資産が増えない
という根本の部分が取り残されてしまっています。
またバランス型ファンドのように、最終的に何を買っているのかが
わかりづらいファンドに投資してしまうと、投資について学ぶ気が
失せてしまい、あなたの投資の地力がつきません。
ですので、自分が何に投資をしているのかはっきりとわかるファンド
を選ぶべきです。
このような観点で見たときにおすすめできるインデックスファンド
をまとめましたので、紹介していきます。
おすすめのインデックスファンド①
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
運用会社 | 三菱UFJ国際 |
ベンチマーク | S&P500指数(配当込み、円ベース) |
ベンチマーク構成銘柄数 | 500銘柄 |
ベンチマーク地域別構成比 | 米国:100% |
信託報酬 | 0.1728% |
実質コスト | まだ不明 |
おすすめのインデックスファンドの1本目は、三菱UFJ国際投信の
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) です。
もともとS&P500をベンチマークとするインデックスファンドは
大和投信のiFree S&P500 インデックスしかありませんでした。
しかし、三菱UFJ国際が後追いで出してきたeMAXIS Slim米国株式
(S&P500)はコスト面でもかなり優れているので、変更しています。
S&P500はご存じの方も多いと思いますが、アメリカを代表する銘柄
500社からなる指数です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)自体の運用期間はまだ1年も経って
おらず、あまり参考になりませんので、ベンチマークであるS&P500
の推移を見ることで、将来リターンをある程度イメージできます。
私がeMAXIS Slim米国株式(S&P500)をおすすめする根拠となって
いるのが、まさにこの下表の利回りです。
どの期間で見ても、6%超の利回りを維持しており、30年平均利回り
では、約10%となっています。
当然リーマンショックの時期も加味された利回りですので、いかに
高い成長を続けているかがわかります。
このように中長期で右肩上がりに成長しているベンチマークでなければ、
中長期で保有していても資産は増えません。
ちなみに日経平均の30年平均利回りはマイナスですので、長期保有
すると資産が減ることになります。
ですので、しっかりベンチマークの過去の推移も確認しながら、
長期保有して資産が増えるのかしっかり確認しましょう。
S&P500 | 平均利回り |
1年 | 8.6% |
3年 | 16.2% |
5年 | 12.3% |
10年 | 16.1% |
15年 | 8.8% |
20年 | 5.3% |
30年 | 9.0% |
※引用:わたしのインデックス(2019年6月30日時点)
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) は間違いなくおすすめできる
インデックスファンドだと思いますが、もっと詳しく分析した記事を
こちらに用意していますので、興味ある方は合わせてご覧ください。
おすすめのインデックスファンド②
iFree NYダウ・インデックス
運用会社 | 大和投信 |
ベンチマーク | ダウ・ジョーンズ工業株価平均(円ベース) |
ベンチマーク構成銘柄数 | 30銘柄 |
ベンチマーク地域別構成比 | 米国:100% |
信託報酬 | 0.243% |
実質コスト | 0.288% |
おすすめのインデックスファンドの2本目は、大和証券投資信託委託の
iFree NYダウ・インデックスです。
こちらも有名なNYダウをベンチマークとしたインデックスファンドです。
NYダウに連動するインデックスファンドはいくつかありますが、
その中でもコストが最安値なのがiFree NYダウ・インデックスです。
NYダウはダウ・ジョーンズ工業株30種平均とも呼ばれ、米国を
代表する30社から算出した指標となっています。
工業株なので、IT系の銘柄(Facebook、Amazon、Netflix、Google)が
含まれておらず、指標としては適切ではない。といったことを言って
いる投資家もいますが、最適かは別として、十分に優れた指数だと
私は考えています。
iFree NYダウ・インデックスもまだ設定から1年程度しか経っておらず、
長期的な利回りがわかりませんので、NYダウの推移を見てみましょう。
ご覧のとおり、常に5%以上の利回りを維持しており、30年平均利回りが
8.2%とかなり高いです。
もちろん、この30年間に幾度も相場が下落しましたが、長期で保有すれば、
しっかり資産が増えることがわかります。
コストだけに注目するのではなく、こういった指数に連動した
インデックスファンドにしっかり投資をしてほしいと思います。
NYダウ | 平均利回り |
1年 | 7.8% |
3年 | 16.1% |
5年 | 11.2% |
10年 | 13.5% |
15年 | 6.4% |
20年 | 4.0% |
30年 | 7.3% |
※引用:わたしのインデックス(2019年6月30日時点)
iFree NYダウ・インデックスは間違いなくおすすめできるインデックス
ファンドだと思いますが、もっと詳しく分析した記事をこちらに用意
していますので、興味ある方は合わせてご覧ください。
おすすめのインデックスファンド③
楽天・全世界株式インデックスファンド
運用会社 | 楽天投信 |
ベンチマーク | FTSE All-World Index |
ベンチマーク構成銘柄数 | 約8100銘柄 |
ベンチマーク地域別構成比 | 米国:54.9% 日本:8.1% 英国:5.5% フランス:3.0% 中国:3.0% その他 |
信託報酬 | 0.2296% |
実質コスト | 0.502%(概算値) |
おすすめのインデックスファンドの3本目は楽天投信投資顧問の
楽天・全世界株式インデックス・ファンドです。
2017年の投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤーで見事1位
を獲得したので、もしかすると一番知名度は高いかもしれません。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、かの有名なバンガード・
トータル・ワールド・ストックETF(VT)に100%投資をしており、
FTSE All-World Indexに連動する成果を目指すように設計されています。
何より1つのファンドで世界47か国8000銘柄に投資できるというのは、
投資家にとっても魅力的でしょう。
実質コストは少し割高になっていますが、2年目以降は落ち着いてくる
と思います。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドのパフォーマンスは運用期間が
短く判断材料に乏しいので、FTSE All-World Indexの推移を見てみましょう。
直近1年間は何ともいまいちな結果に終わっていますが、中長期では
6%超の利回りを維持しています。中長期で投資するのであれば、
やはりこれくらいのパフォーマンスは欲しいですね。
FTSE ALL-World Index | 平均利回り |
1年 | 4.3% |
3年 | 14.1% |
5年 | 8.3% |
10年 | 12.1% |
15年 | 7.7% |
20年 | 5.0% |
※引用:わたしのインデックス(2019年6月30日時点)
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは間違いなくおすすめできる
インデックスファンドだと思いますが、もっと詳しく分析した記事を
下に用意していますので、興味ある方は合わせてご覧ください。
おすすめのインデックスファンド④
eMAXIS Slim先進国株式インデックス
運用会社 | 三菱UFJ国際 |
ベンチマーク | MSCI コクサイ インデックス(円ベース) |
ベンチマーク構成銘柄数 | 約1315銘柄 |
ベンチマーク地域別構成比 | アメリカ:68.29% イギリス:6.55% フランス:4.01% カナダ:3.66% ドイツ:3.51% その他:13.98% |
信託報酬 | 0.11772% |
実質コスト | 0.17658% |
おすすめのインデックスファンドの4本目は三菱UFJ国際の
eMAXIS Slim先進国株式インデックスです。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは名前の通り、先進国の株式に
分散投資ができます。
ベンチマークは世界的にも有名なMSCIコクサイ インデックスです。
MSCIコクサイをベンチマークとするインデックスファンドは、
各運用会社から出ていますが、その中でもコストが最安値の
eMAXIS Slim先進国株式インデックスを選出しました。
新興国株式が含まれていない分、価格の変動幅が小さく、手堅く
リターンを追求したい人向けのファンドと言えるかもしれません。
MSCI コクサイの推移を見てみると、中長期で高いリターンを維持
していることがわかります。
米国株の比率が高いことから、NYダウやS&P500と似たような
パフォーマンスにはなりますが、十分高い結果を残しています。
MSCI コクサイ インデックス | 平均利回り |
1年 | 6.2% |
3年 | 14.8% |
5年 | 9.0% |
10年 | 13.3% |
15年 | 8.0% |
20年 | 5.1% |
30年 | 8.2% |
※引用:わたしのインデックス(2019年6月30日時点)
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは間違いなくおすすめできる
インデックスファンドだと思いますが、もっと詳しく分析した記事を
下に用意していますので、興味ある方は合わせてご覧ください。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスの評価や評判は?
おすすめのインデックスファンド⑤
EXE-i グローバル中小型株式ファンド
運用会社 | SBIアセット |
ベンチマーク | FTSE グローバル スモール・キャップ インデックス(円ベース) |
ベンチマーク構成銘柄数 | 約4400銘柄 |
ベンチマーク地域別構成比 | 米国:59.29% 日本:5.91% カナダ:5.09% イギリス:3.62% 台湾:2.10% その他:23.99% |
信託報酬 | 0.3304% |
実質コスト | 0.359% |
おすすめのインデックスファンドの5本目ははSBIアセットの
EXE-i グローバル中小型株式ファンドです。
上述の4ファンドについては、海外株式でも大型株をメインにして
いるファンドでしたが、EXE-i グローバル中小型株式ファンドは
中小型株を中心に組入ています。
ベンチマークの銘柄数は約4400銘柄と非常に多くなっており、
分散させながらも大きなリターンを狙っていけるファンドです。
世界中の株式に投資し、リスクの低い運用がしたい人は楽天・
全世界株式インデックス・ファンドを。
リスクを取ってでもリターンを狙っていきたい人は、EXE-i グロー
バル中小型株式ファンドを選択するとよいでしょう。
EXE-i グローバル中小型株式ファンドは間違いなくおすすめできる
インデックスファンドだと思いますが、もっと詳しく分析した記事を
下に用意していますので、興味ある方は合わせてご覧ください。
おすすめのインデックスファンド⑥
Smart-i 先進国リートインデックス
運用会社 | 三井住友アセット |
ベンチマーク | S&P 先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円ベース) |
ベンチマーク構成銘柄数 | 約300銘柄 |
ベンチマーク地域別構成比 | 米国:71.4% オーストラリア:6.7% イギリス:5.3% フランス:4.6% シンガポール:3.6% その他 |
信託報酬 | 0.2916% |
実質コスト | 0.681%(概算値) |
おすすめのインデックスファンドの5本目はりそなアセットの
Smart-i 先進国リートインデックスです。
リートは少額から不動産に投資ができ、流動性も高く、オフィスビル
や商業施設など普通では投資できないような不動産に投資ができる
ということで人気があります。
ただ、毎月分配型のファンドが多く、ほとんどのファンドはおすすめ
するに値しないと思っていますが、Smart-i 先進国リートインデックス
のように配当をせずに収益を追求していくインデックスファンドであれば、
十分投資価値があります。
中でもSmart-i 先進国リートインデックスはS&P先進国RIET指数を
ベンチマークとするファンドの中で、コストが最安値なので選出しています。
S&P先進国REIT指数の推移を見てみると、1年、3年の平均利回りは
何ともいまいちですが、中長期で見るとかなり高いリターンを実現
できています。
株式ファンド以外でおすすめできるインデックスファンドとなると、
こちらのファンドになるでしょう。
先進国REIT指数 | 平均利回り |
1年 | 6.5% |
3年 | 6.5% |
5年 | 7.8% |
10年 | 15.1% |
15年 | 8.0% |
20年 | 9.1% |
※引用:わたしのインデックス(2019年6月30日時点)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
こうして見るとベンチマークの過去の値動きもしっかり見ておいた
ほうがよいことがわかったのではないかと思います。
日本人だとどうしても身近な指数である日経225やTOPIX連動型の
インデックスファンドに手を出したくなりますが、過去のチャート
はちゃんと確認しましたか?
参考までに以下に日経平均の推移を示します。ご覧のとおり、
リーマンショック以降の利回りは年平均10%近くありますが、
さらに長期で見ていくと、パフォーマンスが悪化していること
がわかります。何より30年の平均利回りはマイナスです。
中長期で保有するパフォーマンスが悪化するのであれば、投資する
理由がありません。
それよりは、前述した中長期でも着実に成長を続ける指数に連動する
インデックスファンドに投資をするべきでしょう。
日経平均 | 平均利回り |
1年 | ▲4.6% |
3年 | 11.0% |
5年 | 7.0% |
10年 | 7.9% |
15年 | 4.0% |
20年 | 1.0% |
30年 | ▲1.4% |
※引用:わたしのインデックス(2019年6月30日時点)
このように中長期的な利回りも確認してから投資するのと投資しない
のでは、相場が急変したときの精神的な負担に大きな差が出ます。
あまり考えずに投資してしまった人は、すぐに売ってしまい、損をして
終わってしまいます。
逆に、中長期保有することで、しっかりリターンが得られることが
わかっていれば、相場の急落にも動じずに、保有を続けることができます。
ぜひこの考え方を参考にしてください。
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>まさか考えたことがない?運用が成功するか失敗するかすべてのカギを握る投信運用の出口戦略最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点