2019年以降、三菱UFJ国際投信が力を入れているのが、テーマ型のインデックスファンドであるeMAXIS Neoシリーズです。その中でも、近年、圧倒的なパフォーマンスで注目されているのが、eMAXIS Neo 自動運転です。
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティって投資対象としてどうなの?」
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティって持ってて大丈夫なの?」
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの基本情報
eMAXIS Neoシリーズとは?
eMAXISにも、SlimシリーズやNeoシリーズなどがあります。
その中で、eMAXIS Neoシリーズというのは、革新的なテーマを対象とする様々な特徴ある指数に連動することを目指すインデックスファンドシリーズです。
今までは、ロボット、AI、自動運転などテーマ型ファンドと言えば、アクティブファンドが基本でした。そのため、購入時手数料も高く、信託報酬も割高だったのですが、eMAXIS Neoシリーズは、ロボット、バイオテクノロジー、AI、自動運転といったテーマ株で指数を作り、それに連動するような運用がされます。
これによりファンドマネジャーによる銘柄入れ替え等の手間が減るため、投資家は購入時手数料がなく、信託報酬も割安なテーマ型ファンドに投資ができるようになりました。
今後、テーマ型ファンドに投資をする場合、テーマ型のインデックスファンドに投資をする流れが強くなりそうです。
投資対象は?
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの投資対象は、日本を含む世界の株式で、バーチャルリアリティに関する製品やサービスを提供する企業です。S&P500 Kensho Virtual Reality Index(配当込み、円)に連動するように運用をしていきます。
ちなみに上記の指数は、AIを活用して企業の開示情報等から膨大な文献を自動的に処理して、バーチャルリアリティ関連企業の銘柄を選定します。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの国別の構成比をみてみると、約80%が米国で、次いで、ケイマン、イスラエルと続きます。ケイマン諸島というのは、実質、中国の銘柄だと思っていただいて問題ありません。
※引用:マンスリーレポート
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは現在、20銘柄に投資をしています。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に有利であったり、他の投資家の解約の際の影響が小さくなりますので、優れた投資信託と言えます。
投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは2020年に入り、純資産総額が大きく増加しており、現在では100億円を超える規模にまで成長しています。規模としては問題ありませんね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっていることを知っていますが?
これを実質コストと言いますが、実質コストには株式売買手数料や有価証券取引税、監査費用などが含まれています。特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり割高になっている場合もあるので、注意が必要です。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの実質コストは0.862%となっています。信託報酬は1%を切っていますが、2020年はまだ純資産総額が大きくなかったため、コストが割高になったようです。今後、純資産が増えてこれば、実質コストももう少し下がると思います。
それにしてもテーマ型ファンドで購入時手数料がかからないというのは、投資家からするとやはりうれしいですね。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.792%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 0.862%※概算値 |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの評価分析
基準価額をどう見る?
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは2021まで大きく上昇しましたが、2022年、2023年以降はほぼ横ばいとなっています。
※引用:モーニングスター
利回りはどれくらい?
つづいて、eMAXIS Neo バーチャルリアリティの運用実績を見てみましょう。
直近1年間の運用利回りは34.45%となっており、大きくプラスとなっています。3年平均利回りも30%を超えており、かなり高い利回りです。
ただ、どれだけこの段階で凄いと思っても、他のファンドとパフォーマンスを比較するまでは投資判断をしないようにしてください。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +34.45% |
3年 | +37.07% |
5年 | - |
10年 | - |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは北米株式カテゴリーに属しています。せっかく投資をするのであれば、同じカテゴリーの中でも優れたパフォーマンスのファンドに投資をしたいものです。
そこで、eMAXIS Neo バーチャルリアリティのランキングを見てみると、1年、3年平均利回りでも上位10%に入っており、非常に優秀な成果を残していることがわかります。
投資信託の場合、単年のパフォーマンスはほとんど参考になりませんので、より長期のパフォーマンスを信頼したほうがいいです。
上位●% | |
1年 | 7% |
3年 | 6% |
5年 | - |
10年 | - |
※2023年10月時点
年別のパフォーマンスは?
続いて、eMAXIS Neo バーチャルリアリティの年別パフォーマンスを見てみましょう。
年別の利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の大きさを知ることができます。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは2019年、2020年、2021年と非常に高い運用を続けています。
2022年はかなり大きく下落していますが、それをカバーするほどに他の年で大きな利益を上げていますね。
年間利回り | |
2023年 | +44.99%(1-9月) |
2022年 | ▲37.44% |
2021年 | 85.44% |
2020年 | 69.07% |
2019年 | 47.19% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
eMAXIS Neo バーチャルリアリティはテーマ型のアクティブファンドと比べれば、コストはかなり下がっていますが、それでも、最低水準とはいえません。
テーマ型のインデックスファンドに投資をするのも悪くはないですが、最低限、超低コストのインデックスファンドよりパフォーマンスで上回っていなければ、投資をする価値がありません。
そこで、今回はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較してみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間においては、ほぼ全期間において、eMAXIS Neo バーチャルリアリティがパフォーマンスで上回っていることがわかります。
eMAXIS Slim米国株式も相当優れたファンドですが、インデックスファンドをこれだけアウトパフォームしていれば、十分投資価値があると言えます。
ただ、値動きは相当大きいので、注意が必要です。
neo バーチャル | slim S&P500 | |
1年 | +34.45% | +23.68% |
3年 | +37.07% | +23.72% |
5年 | - | +15.80% |
10年 | - | - |
※2023年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
eMAXIS Neo バーチャルリアリティへ投資をするのであれば、他のアクティブファンドとパフォーマンスを比較してから投資をしても遅くはありません。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは米国株式が85%を占めるので、米国株のアクティブファンドとして非常に人気の高いアライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信Bコースとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
アライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信Bコースも決して悪いわけではないのですが、こちらも直近3年間はほぼ全期間において、eMAXIS Neo バーチャルリアリティのパフォーマンスが良すぎるため、かなり劣って見えてしまいます。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティのパフォーマンスは異常ですね。
neo バーチャル | 米国成長株投信 | |
1年 | +34.45% | +25.71% |
3年 | +37.07% | +18.31% |
5年 | - | +16.72% |
10年 | - | +18.21% |
※2023年10月時点
最大下落率は?
投資信託の運用において、一番やってはいけないことは、大きな急落相場で、大きな含み損を抱えたときに、慌てて保有していた投資信託を売却してしまうことです。これをやってしまうと、あなたの運用パフォーマンスは相当悪くなってしまいます。
そこで、事前にeMAXIS Neo バーチャルリアリティがどの程度、下落するかを把握しておけば、少しは気持ちに余裕を持てます。
標準偏差からでも、どの程度下落する可能性があるのかを計算することはできますが、やはり過去にどの程度下落したことがあるのかを調べると一番イメージがわきます。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲21.51%% |
3カ月 | ▲17.64% |
6カ月 | ▲27.45% |
12カ月 | ▲37.44% |
※2022年10月時点
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの最大下落率を調べてみると、2022年1月~2022年12月の1年間で約37%となっています。
まだ運用期間が短いので、もう少し大きな下落は経験することなると思いますが、この程度の下落はまた来るものと思って心構えをしておきましょう。
評判はどう?
それでは、eMAXIS Neo バーチャルリアリティの評判はどうでしょうか?
ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、評判がわかります。評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、資金が流出超過になります。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティは2021年前半に人気が急騰し、その後はパフォーマンスがそこまで優れないこともあり、投資家の解約が続きました。
2022年はわずかに資金流入超過となっている月が多いですが、そこまで評判が高いとはいえない状況です。
※引用:ウエルスアドバイザー
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの今後の見通しと評価まとめ
いかがでしょうか?
まず、今までテーマ型ファンドに投資をするとなると、高い購入時手数料と信託報酬を支払わなければならなかったので、購入時手数料ゼロ、信託報酬も割安になったのは、大きな評価ポイントになります。
また特定のテーマに関して、自分で個別株を探すよりも20銘柄程度の優れた株を見繕ってくれるという意味で、手間も省けるというのもいいですね。
1つ注意点としては、インデックスファンド=リスクが低いと考えている人もいるかもしれませんが、eMAXIS Neoシリーズは銘柄数を絞り込んで、積極的にリターンを追求していくインデックスファンドです。
そのため、値動きはあなたが思っている以上に上下に大きく動くことを忘れないでください。
とはいえ、自分でバーチャルリアリティ関連の銘柄を世界中から探すよりははるかに手間がかかりませんので、このテーマの将来性に期待が持てると思うのであれば、十分投資する価値があると言えます。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点