2022年以降、急激に純資産を増やしているファンドの1つが、キャピタル・インターナショナルのキャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAです。
果たして、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAとはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
「インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAって投資対象としてどうなの?」
「インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAって持ってて大丈夫なの?」
「インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの基本情報
投資対象は?
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの投資対象は、米国の株式です。
ファンダメンタルズ調査に基づく銘柄選択により超過収益の獲得を目指すボトムアップ・アプローチをベースとしたアクティブ運用を行います。
複数のポートフォリオ・マネジャーが運用に携わることで、投資対象やアイデアの分散を図り、安定的かつ継続的なリターンの獲得を目指します。
業種別の構成比率をいると、電気機器の比率が高くなっていますね。
※引用:マンスリーレポート
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの現在の組入銘柄数は208銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。有名どころの企業が上位にランクインしていますね。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの純資産総額は、現在約1610億円です。2022年頃から急激に純資産を増やしており、人気が出てきたファンドであることがわかります。規模としては全く問題ないですね。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの実質コストは1.189%となっており、アクティブファンドの中では割安な水準です。ただインデックスファンドと比べると、まだまだ高いですし、購入時手数料はしっかり3.3%かかります。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.133%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.189%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの評価分析
基準価額をどう見る?
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの基準価額を見てみましょう。
2021年は伸び悩んでおり、2022年以降、順調に基準価額を伸ばしています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは27.66%となっています。3年平均、5年平均利回りも10%を超えており、かなり優秀なパフォーマンスに見えます。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +27.66% |
3年 | +22.93% |
5年 | +13.60% |
10年 | ー |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAは、国際株式・北米カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAは、どの期間で見ても、上位30%にランクインしており、優秀なファンドであることがわかりました。
上位●% | |
1年 | 22% |
3年 | 30% |
5年 | 30% |
10年 | ー |
※2023年10月時点
年別のパフォーマンスは?
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2022年はマイナスとなっていますが、マイナス幅は1桁前半ですし、それ以外の年では、20%を超えるプラスの年も多いので、投資家としても安心して投資しやすいですね。
年間利回り | |
2023年 | +25.5%(1-9月) |
2022年 | ▲3.57% |
2021年 | +39.59% |
2020年 | +6.07% |
2019年 | +23.35% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAと北米株で構成されているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較してみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、かなり競っていますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のほうがパフォーマンスは上回っています。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はインデックスファンド中でも超低コストかつ高パフォーマンスなので、ほとんど勝てるファンドはありません。
5年平均利回りで比べても、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が上回っているので、この結果を見ると、あえて高いコストを支払ってまで、投資をするメリットはないと言えます。
年平均利回り | アメリカ ICA | slim 米国株式 |
1年 | +27.66% | +23.68% |
3年 | +22.93% | +23.72% |
5年 | +13.60% | +15.80% |
10年 | ー | ー |
※2023年10月時点
類似ファンドとのパフォーマンス比較
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、北米ファンドで何度も優秀ファンド賞を受賞をしたことがあるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコースと比較をしてみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAがパフォーマンスで上回っています。
しかし、より長期パフォーマンスで比較すると、米国成長株投信Bコースの方がパフォーマンスで上回っていますので、どちらかといえば、長期の運用利回りが高い米国成長株投信のほうがおすすめではありますね。
年平均利回り | アメリカ ICA | 米国成長株投信 |
1年 | +27.66% | +25.71% |
3年 | +22.93% | +18.31% |
5年 | +13.60% | +16.72% |
10年 | ー | +18.21% |
※2023年10月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲11.85% |
3カ月 | ▲19.63% |
6カ月 | ▲10.06% |
12カ月 | ▲10.89% |
※2023年10月時点
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの最大下落率は2020年1月~2020年3月で▲19.63%となっています。20%程度の下落は、数年に1度はありますので、事前に知っておいてください。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの評判を見てみましょう。
2022年以降パフォーマンスが非常に好調になってきたことにともなって資金が流入超過となりました。しかし、2023年にはすでに流出超過が続いており、評判は悪くなっていますね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAはNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2023年10月時点
キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。
インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAはパフォーマンス自体悪くはないのですが、若干ではあるもののeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に負けてしまっています。
こうなると、わざわざ高いコストを支払ってまで、アクティブファンドに投資をするよりも、コストが10分の1程度のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に投資をしておけば十分と言えます。
ただ、そこまで大きな差があるわけではないので、運用会社や販売会社に高い手数料を献上したいという人はインベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICAに投資をするのも良いと思います。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点