最近、話題となっているEV(電気自動車)関連ファンド。

化石燃料を必要としない新エネルギー車の開発が世界中で進んでおり、
ブルームバーグによれば、今後20年のうちに世界の自動車の3分の1が
EVに置き換わるとまで言われています。

大和証券が力を入れて販売しているグローバルEV関連株ファンドと併せて、
日興が販売に注力しているモビリティ・イノベーション・ファンドが
大きく純資産額を伸ばしています。

今日は、このファンドについて徹底的に分析していきます。

モビリティ・イノベーション・ファンドの基本情報

投資対象は?

投資対象は、日本を含む世界の自動車関連企業に投資をしていきます。

自動車関連企業というのは、自動運転車、電動自動車(EV)、車の
IT化、車のシェアリングに関連した企業を指します。

国別の比率で見ると、アメリカが44%、日本が14%、中国が8%程度となっています。

テーマ別にみると、自動運転とEVの比率が30%強と高くなっていますね。

もう少しイメージがつきやすいように組入銘柄上位を見てみましょう。

1位のルメンタムは光学・光通信製品の販売を手掛ける会社で、3Dセンサーの
分野で高い技術を持ち、自動運転において利用の拡大が見込まれています。

2位のオン・セミコンダクターは電気自動車、電源管理、ADAS(先進運転支援
システム)や自動車通信技術のリーディングカンパニーです。

3位のリアは自動車部品メーカーで、座席製品と電子システム(電気自動車の
高出力電流に対応した電装製品)に強みを持ちます。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと
思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

モビリティ・イノベーション・ファンドは、設定以来、急速なスピードで純資産総額を
増やしており、すでに2800億円もの規模までになっています。

証券会社は同じテーマのファンドをあえて同じタイミングで出すことで
マーケティング効果を最大化させようとしますが、日興SMBCもまさに
恩恵を受けた形ですね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

モビリティ・イノベーション・ファンドの実質コストはまだ運用報告書が
あがってきていないので、正確にはわかりませんが、1.8~1.9%程度に
なると思われます。

販売手数料と併せると初年度は5%程度取られてしまうので、普通に考えれば
かなり高いです。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.7658%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.8~1.9%(概算値)

モビリティ・イノベーション・ファンドの評価分析

基準価格をどう見る?

モビリティ・イノベーション・ファンドの基準価額は現在9700円程度です。

設定したタイミングが市場全体が大きく下落した1月末だったので、
不運としかいいようがありませんが、大きく下落しています。

半年かけてようやく元の水準近くまで戻してきましたので、まさに
今からといったところでしょう。

モビリティ・イノベーション・ファンドの今後の見通し

今後、環境を考えた電気自動車や自動運転車の普及は進んでいくと思います。

ただ、私個人としては、市場に与えるインパクトという点に関しては疑問が残ります。

例えば、AIであれば、老若男女までキーワードは知っていますし、「人間の仕事が
AIに奪われる」ですとか、「AIが囲碁で名人を倒した」ですとか、身近なところに
AIが入り込んできており、AIで生活が劇的に変化していくという大きな期待感を
多くの投資家が持っています。

そのため、多くの投資家がAIに関連するテーマの株式を積極的に購入するため、
ファンドの基準価額も上がっていくわけです。

一方で、電気自動車や自動運転車は将来性はあるものの、自動車を保有していない層も
増えてきており、車に興味がある人というのは、そこまで多くないと思います。

このように考えますと、微増はすると思いますが、AIファンドなどと比べると、
大きく伸びづらいのではないかと考えています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

こういった新規設定のテーマ型ファンドというのは、将来の可能性について、
期待をさせて、購入させるというのが常套手段です。

私個人は、アクティブファンドへの投資が趣味なので、コストが高すぎる!と思っても、
それ以上のリターンが望めそうであれば、積極的に投資をしていきます。

もちろん、大きな期待が持てると思えば、購入してもらってもよいと思いますが、
他のテーマ型ファンドと比べたときにあえてこのファンドを購入する必要性は
見当たりません。

AIファンドのほうがよほど期待が持てるでしょう。