フィデリティ・USリート・ファンドと並び、かつて純資産総額が
1兆円をこえていたラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)。

直近3年ほどは運用実績も芳しくなく、高い分配金をタコ足配当で
出していたため、基準価額が恐ろしい勢いで下落しています。

私のお客様でもラサール・グローバルREITファンドを保有している方
が複数名おり、実際どうすればよいか、よく聞かれるので、私なりに
こちらのファンドを分析してみました。ぜひ参考にしてください。

ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ラサール・グローバルREITファンドは世界中のREITを主要投資
対象とし、賃料収入を通じた比較的高い利回りの獲得と景気循環を
睨んだREIT価格の上昇を狙っていきます。


※引用:交付目論見書

米国REITが全体の約7割を占め、残り3割を他の先進国のREITが
占めています。

商業施設やオフィスビルへの投資比率が高いのも特徴です。


※引用:マンスリーレポート(2019年3月時点)

運用体制は?

運用体制は4名のファンドマネージャーによるチーム運用制を採用
しており、平均の運用・調査経験年数は30年近くとかなり経験豊富です。

アナリストは19名とこちらも充実した調査体制となっています。
世界各国のREIT約450社を対象に最低年2回は訪問調査を行っています。

ラサール社は、総合不動産サービスを提供するジョーンズ・ラング
・ラサール社のグループ会社ですので、母体であるラサール社が
日々収集している豊富な不動産情報を活かし、物件価値を正確に
査定できるのも強みと言えるでしょう。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少して
いると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ラサール・グローバルREITファンドは一時期より規模が小さくなった
とはいえ、5100億円程度ありますので、規模によるデメリットはあり
ませんね。


※引用:マンスリーレポート(2019年3月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ラサール・グローバルREITファンドの実質コストは1.76%と前期よりは
わずかにさがりましたが、それでもかなり割高な設定となっています。

購入時手数料と合わせると5%近くになりますので、積極的には
おすすめできません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.62%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.76%(概算値)

※引用:第172期 運用報告書(決算日2019年1月7日)より

まだラリートに投資しているの?ラリートよりはるかに優れた海外REITランキング

ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ラサール・グローバルREITファンドの直近3年間の基準価額の推移
を見ると右肩下がりになっています。

これは、ファンドの収益力より分配利回りが高いためです。

分配金再投資基準価額(青線)はわずかに右肩上がりに上昇して
いますので、運用利回りはプラスになってはいるようですね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ラサール・グローバルREITファンドの直近1年間の利回りは+18.83%
とかなり高くなっています。

5年平均利回りは+7.11%、10年平均利回りは14.78%となっており、
過剰な分配をしていなければ、まだ悪くない結果を残しているだけに
残念です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 18.13% 12%
3年 4.43% 67%
5年 7.11% 36%
10年 14.78% 30%

※2019年3月時点

標準偏差は?

ラサール・グローバルREITファンドの標準偏差を見てみると、
同カテゴリー内でのランクは平均以下となっています。

国内大型株式よりは標準偏差が低くなってはいますが、
株式ファンドと同程度の基準価額のブレになっていますね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 14.41 55%
3年 14.05 63%
5年 14.29 65%
10年 18.26 63%

※2019年3月時点

年別運用パフォーマンス

ラサール・グローバルREITファンドの年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

2014年に高いリターンはじき出しましたが、それ以降はマイナスの
リターンもしくは、わずかにプラスのリターンということで、
何とも残念な結果です。

直近の米国REITはかなり厳しい結果となっていますね。

年間利回り
2018年 ▲6.37%
2017年 2.80%
2016年 ▲2.90%
2015年 ▲0.01%
2014年 40.31%

※2019年3月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

ラサール・グローバルREITファンドに投資をするのであれば、
他のファンドとパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、S&P先進国REIT指数をベンチマークとして採用している
SMT グローバルREITインデックスと比較をしてみました。

結果は、ラサール・グローバルREITファンドの惨敗です。
これでは高いコストを支払ってまで投資をするメリットがありません。


※引用:モーニングスター

分配金の推移と分配金余力は?

ラサール・グローバルREITファンドの分配金は、2016年に毎月60円
ありましたが、2017年には40円になり、2018年に入り25円にまで
減額されています。

これにより分配金余力は200カ月以上あるので減配の心配はありませんが
分配金利回りは10%を超えており、ファンドの収益力を上回る分配金を
出し続けていることがわかります。

分配金の内訳をみても、8割以上が当期収益以外から払い出されており、
かなりひどい分配の状況であることがわかりますね。

分配金 当期収益以外 繰越対象額
173期 25円 22円 5,472円
174期 25円 19円 5,453円
175期 25円 19円 5,434円
176期 25円 24円 5,409円
177期 25円 18円 5,390円
178期 25円 17円 5,373円

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約
している人が多いということなので、評判が悪いということです。

ラサール・グローバルREITファンドは、2016年末までは毎月資金が
流入し、2016年末から資金の流出が止まりません。

資金が流出している=解約しているということですので、
多くの人が次から次へと投資信託を解約しているということです。


※引用:モーニングスター

ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)の今後の見通し

景気先行指数は多くの地域で改善基調を維持し、世界経済
は健全な水準で推移しています。

緩やかな経済成長を背景とした堅調な不動産ファンダメンタルズは
REITの利益成長を下支えするものと考えます。

グローバルREITの成長率はだいたい1桁中盤で今後推移すると
言われています。

毎月分配型の投資信託でなければ、堅実な投資手段の一つとし、
ポートフォリオの中にREITを保有しておくのは面白いと思いますが、
分配利回り10%超の毎月分配型の投資信託となると話は変わります。

今後数年間のグローバルREITの成長率が4~6%程度と予想されて
いるので、分配金を適正な水準に戻すのであれば、約10~11円/月
でしょう。

一方で、分配金を大きく下げてしまうと、資金の流出が加速するため、
運用会社はあまり積極的にやりたがりません。

現状の分配利回りを維持しようとすると、現状の運用リターンだけ
では賄いきれませんので、当然基準価額の下落を引き起こします。

ラサール・グローバルREITファンドは現時点で分配余力は200か月超
なので、後20年くらいは分配金は受け取れると思いますが、分配金
が受け取れる=儲かるわけではなく、あなたが投資した元本がただ
払い戻されているだけなので、勘違いしないでくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ラサール社は不動産会社を母体とした企業なので、現場の不動産査定も
多くのノウハウを持っています。

そして、ファンドのほうは運用体制も経験豊富なファンドマネージャー
やアナリストが揃っています。

ですが、実態は先進国REITのインデックスファンドにもパフォーマンスで
負けてしまっており、あえて高いコストでパフォーマンスの悪いファンドに
投資をする理由がありません。

現在、本ファンドを保有している人は乗り換えを検討すべきでしょう。

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