30年以上前に三井住友アセットマネジメントが設定した『世界の大家さん』。
今も昔もリート好きの投資家の人気を集めていますが、よくよく分析していくと、
色々と落とし穴が見当たります。

年1回決算型と毎月決算型がありますが、純資産総額が多い毎月決算型を
集中的に分析していきたいと思います。

世界の大家さんの基本情報

投資対象は?

投資対象は、日本を含む世界各国の不動産投資信託(リート)に投資します。
リートとは、多くの投資家から資金を集めて不動産に投資し、その賃料を
基にした利益に応じて配当を支払う仕組みです。

上場しているリートは取引所で売買できるため、不動産に直接投資するより
少額から投資が可能という魅力があります。

世界の大家さんでは、安定的に高い配当収益を確保するため、
賃貸事業収入比率の高い銘柄を中心に分散投資をしていきます。

組入上位の国を見ていくと、アメリカが40%弱、次いで日本、オーストラリア
と続きます。配当利回りは4.5%ほどになるように調整されています。

※2018年9月時点

運用の体制は?

実質的な運用はBNPパリバ・アセットマネジメント・グループが行います。
BNPパリバは世界で約700名の従業員がおり、76兆円もの資産を運用しています。

そのうち、リートの運用チームは平均経験年数17年のベテランメンバー7名で
構成されています。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

世界の大家さんは一時期2000億円まで純資産が膨れましたが、
現在は700億円近辺をうろうろしています。規模としては全く問題ありません。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

世界の大家さんの実質コストは1.987%とかなり高くなっています。
前回よりは実質コストが下がってはいますが、未だ高水準であることに変わりはありません。

購入時手数料とあわせると初年度は5%を超えるので、おすすめはしづらいファンドです。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.7172%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.987%(概算値)

※第172期 運用報告書(決算日2018年7月17日)より

世界の大家さんの評価分析

基準価額をどう見る?

世界の大家さんの基準価額は現在、4157円となっています。
ここ3年で30%ほど基準価額が下落していますが、これは過剰な分配によるものです。

ただ、分配金再投資の基準価額(青線)でみても、ほぼ横ばいとなっており、
運用はうまく行っていません。

利回りはどれくらい?

世界の大家さんの直近1年間の利回りは+4.14%となっています。
5年と10年の平均利回りもプラスにはなっていますが、カテゴリーランキングを
見てもわかるとおり、ランキングは真ん中より後ろです。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

※2018年9月時点

四半期別運用パフォーマンス

毎年のパフォーマンスがどうだったのかも気になるところだと思いますので、
載せておきます。参考にしてください。

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか知っておくことは
非常に重要です。結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は
損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで売却してしまうのです。

世界の大家さんの最大下落率は、2008年3月~2009年2月で▲64.94%となっています。

100年に一度と言われたリーマンショックの時期なので、また同じレベルの下落は
来ないと思いますが、リターンの割にリスクが高すぎますね。

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見てみましょう。

世界の大家さんは2014年から毎月50円の配当を出し続けていましたが、
2018年8月に分配金を30円に減額しました。分配金余力にまだ余裕があったので、
減額はしてこないと思っていましたが、実施してきましたね。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配利回りは8.5%ほどになっており、
適正な水準に近づいてきてはいますが、まだファンドの収益力を上回る
過剰配当を出しています。

評判はどう?

世界の大家さんの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約している人が
多いということなので、評判が悪いということです。

世界の大家さんは2014年から毎月資金が流出しており、非常に評判が悪いことがわかります。
後述しますが、このようなパフォーマンスでは仕方がないでしょう。

世界の大家さんの今後の見通し

5年、10年でもプラスのリターンが出ており、今後も長期的にみれば、
リターンがマイナスになることはないと思います。

しかし、世界の大家さんの運用実績は同一カテゴリー内で中盤以下であるだけでなく、
下図に示すようにアセマネOneのDIAM世界リートインデックスファンドに負けています。

このブログでは何度も言っていますが、インデックスファンドに負けるような
アクティブファンドには投資する価値がありません。

もし現在も保有しているのであれば、即刻解約してもっと優れた
アクティブファンドに投資をしましょう。