世界の10通貨に分散投資して収益を狙っていく世界のサイフ。

一時は純資産総額が2500億円まで膨らみ、非常に人気のある
ファンドでしたが、今は10分の1程度までになってしまっています。

果たして、今の状況はどうなっているのか、今日は分析していきたい
と思います。

世界のサイフには、世界のサイフと世界のサイフ2がありますが、
ほぼどちらも変わりませんので、今日は世界のサイフについて
詳しく分析していきます。

世界のサイフの基本情報

投資対象は?

世界のサイフの投資対象は、高金利の10通貨を選定し、通貨建ての
短期債券などに投資し、利子収入で安定収益の確保を目指します。

投資対象の通貨は、日本を除く経済協力開発機構(OECD)加盟国
及びこれに準ずる国の通貨建ての短期債券です。

投資対象となる国を以下に記載します。S&P社とムーディーズ社の
格付も併せて載っていますが、注意すべきはトルコです。

格付において、BBB以下というのは、投資不適格債券と呼ばれ、
リスクが非常に高いため普通は手を出してはいけない通貨です。

ここにトルコが入っているということは、少なくともリスクを
とって高い金利を狙いにいこうとしている意図がうかがえます。

原則として、10通貨に均等分散していきますが、現在の10通貨は
以下のようになっています。

大きく下げたトルコリラの比率がまた高くなってきています。
大きく下げた分、戻してくるというシナリオを描いているのでしょう。

※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

純資産総額は?

続いて、世界のサイフの純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

世界のサイフは一時期2500億超の純資産規模がありましたが、
現在は260億円程度となっています。

規模としては問題ありませんが、この純資産の減少具合を見れば、
いかに人気がなくなっているかがよくわかります。

※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが
通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

世界のサイフの実質コストは0.982%とカテゴリー内では安いですが、
パフォーマンスが散々な結果になっているにもかかわらず、1%近くも
毎年取られるのは納得がいきません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.16%(税込)
信託報酬 0.95605%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.982%(概算値)

※引用:第142期 運用報告書(2018年10月12日)

実質コストは安くないけれど、圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

世界のサイフの評価分析

基準価額の推移は?

世界のサイフの基準価額は、3年前から35%ほども下落しています。

分配金再投資基準価額(青線)が3000円近辺を推移している一方で、
基準価額が下落しつづけていますので、ファンドの収益力に見合わ
ない過剰な分配金が支払われていることによります。

※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

世界のサイフの直近1年間の利回りは▲1.60%となっています。

10年平均利回りだけなんとかプラスになっていますが、それ以外は
すべてマイナスとなっており、このようなファンドを10年も運用
してきた会社には非常に重い責任があると思います。

ファンドマネージャーは少なくともクビにしてほしいですね。

基本的には長期保有をすればプラスのリターンが出ていますが、
ただし、何も考えず保有し続けるのは厳禁です。

考えなしの長期保有が自分の首を絞める理由とは?

平均利回り %ランク
1年 ▲1.60% 55%
3年 ▲2.35% 65%
5年 ▲1.60% 65%
10年 2.26% 50%

※2018年12月時点

標準偏差は?

世界のサイフの標準偏差を見てみると、同カテゴリー内では平均より
上位にいるようです。

ただし上述したようにパフォーマンスが酷いのでこれでは投資できませんね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 8.24 50%
3年 8.14 30%
5年 8.46 30%
10年 11.46 60%

※2018年12月時点

年別のパフォーマンスは?

世界のサイフの年別の運用パフォーマンスを見てみましょう。

プラスのリターンの年もありますが、それを相殺するかのように
大きくマイナスとなっている年もあり、これでは投資するに値しません。

年間利回り
2018年 ▲4.61%(9月末時点)
2017年 5.21%
2016年 ▲6.31%
2015年 ▲10.41%
2014年 6.40%

※2018年12月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のファンドに投資をするのであれば、他の毎月分配型の
ファンドとパフォーマンスを比較しても損はありません。

今回は、毎月分配型の中ではかなりまともなファンドである
アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信と比較をしてみました。

世界のサイフ(黄線)と比べると、差は歴然です。

せっかく投資をするのであれば、しっかりファンドの運用で収益を
出しているところから分配をしてほしいものですね。

※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の範囲をある
程度は予想できますが、やはり実際に下落した度合いをみたほうが
イメージがわきます。

世界のサイフは2008年8月~2009年1月の間に最大▲40.99%と大幅
下落しています。

短期債に投資をしているだけのはずですが、ここまで下落するリスク
を抱えるというのは恐すぎます。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲23.19%
3カ月 ▲34.74%
6カ月 ▲40.99%
12カ月 ▲37.31%

※2018年12月時点

分配金の推移は?

世界のサイフの分配金の推移を見てみると、2016年から毎月20円の
分配金が出ています。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りは10%超ですので、
いかにファンドの収益力に見合わない分配が行われているかがよく
わかります。

実際に、直近の分配金は半分以上が当期の収益以外から分配されており、
あなたの投資元本から支払われているということです。

繰越対象額はまだ余裕がありますので当面、減額される心配はないと
思いますが、ファンドの収益から支払われなければ意味がありません。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
137期 20円 13円 2,358円
138期 20円 13円 2,344円
139期 20円 13円 2,331円
140期 20円 13円 2,317円
141期 20円 13円 2,303円
142期 20円 12円 2,290円

評判はどう?

世界のサイフの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけ世界のサイフを解約している
人が多いということなので、評判が悪いということです。

世界のサイフは2014年以降、毎月資金が流出しており、評判はすこぶる悪い
ということがわかります。

世界のサイフの今後の見通し

世界のサイフについては、10人がみて、10人がダメなファンドである
とわかると思いますので、特に何も言う必要はないと思いますが、
10年間マイナス運用を続けているファンドに投資をする価値は一切ありません。

即刻、解約することをおすすめします。

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